皆さんこんにちは!
今週も五つの能力を振り返ります。
去年の10月から毎週金曜日に『人生を変えるドラッカー』の内容を用いて、ドラッカーの『経営者の条件』を皆さんと一緒に学んできました。
5つの能力習得にチャレンジした小説の主人公たち、夏子、柊介、徹の奮闘を紹介しつつ、成果をあげる5つの能力をお伝えしてきました。
今日は四つ目の「集中」に進みます☆
最も重要なことに集中する!
まずは、「成果をあげる5つの能力」とは!?
「成果をあげる5つの能力」
1)汝の時間を知れ
2)貢献に焦点を合わせる
3)人の強みを生かす
4)最も重要なことに集中する
5)成果をあげる意思決定をする
この5つでしたね。
今週は、これについて振り返ります。
4)最も重要なことに集中する
主人公の一人、堀川徹と共に集中について学んでいきましょう!
ー以下引用ですー(一部省略して抽出しています)
四月のドラッカー読書会は、『経営者の条件』第5章「最も重要なことに集中せよ」についてである。
東堂は今日も元気はつらつと、参加者たちへ語りかける。
「ドラッカーが言う成果をあげる五つの能力、四つ目は『集中』についてです。さて青柳さん、どこに線を引きましたか」。そう問われて、夏子があわてて発表した。
成果をあげるための秘訣を一つだけ挙げるならば、それは集中である。成果をあげる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない。(『経営者の条件』p138)
東堂はいつもの丁寧な筆跡でホワイトボードに板書した。
・どこに(集中)
・どれだけ(時間・人などの資源)
「つまり、限られた資源を『どこに』『どれだけ』投入するか、その組み合わせが肝心なのです。長時間忙しく働いていたからといって、成果があがるわけではありません。ながら仕事も品質や生産性が下がる要因となりえます。だから『集中』なのです」
堀川徹は、思わず低い声でうなった。
すかさず東堂が指名する。「堀川さんはいかがですか」
「あ、はい」。徹が、飛び上がるようにして読み上げた。
成果をあげられない人のほうが多くの時間働いている。(『経営者の条件』p141)
「まるで、自分のことを言われたみたいで……」、徹は頭をかきながら話す。
脱サラしてカフェを経営する徹は、毎日がてんてこまいの忙しさだ。
東堂先生は徹にこんな質問をする。
「さて、堀川さん、カフェプレミアンにとって、成果って何ですか?」
徹はそれに対し、「お客さんに良い読書をしてもらう事」と答える。
即答した徹を東堂は称賛する。
そしてさらなる集中への一歩を踏み出してもらうためにドラッカーの言葉を引用する。
「ではその成果に対して、カフェプレミアンの皆さんの行動を集中させていきましょう。
そのためには必要のないものを廃棄しなければなりませんね!
こんな一節がありますよ」
集中のための第一の原則は、生産的でなくなった過去のものを捨てることである。(『経営者の条件』p142)
「そして何より、最も大事なことが何かを、明らかにしなければなりません。そこで、優先順位と劣後順位を考えるわけです」
本当に行うべきことは優先順位の決定ではない。優先順位の決定は比較的容易である。集中できる者があまりに少ないのは、劣後順位の決定、すなわち取り組むべきでない仕事の決定とその決定の遵守が至難だからである。(『経営者の条件』p149)
自分の仕事を人に任せられた!
以下引用です。(一部省略や追加をしています)
〈カフェプレミアン〉の成果は、お客さんにいい読書をしてもらうこと……。
その成果のために、行動しているか?
みんなの行動を、成果に集中させるには?
堀川徹は、ドラッカー読書会で得たアドバイスを手帳にメモして、読み返していた。
このところ、ひとつ悩んでいることがある。
(コーヒーのドリップを、俺以外に任せるか?)
徹はドラッカーの『経営者の条件』を開いた。
成果をあげるべき者が行っている仕事の膨大な部分は、ほかの人間によっても十分行うことができる。(『経営者の条件』p61)
(マスターが丁寧に淹れたコーヒー、そのことにこだわっていたのは、俺だけかもしれない。俺だってついこの間まで素人だった。訓練して、できるようになったんだ……)
「りょう」、意を決して、カウンターを片づけている田山りょうに声をかけた。
「お前、ハンドドリップしてみたいか?」
りょうの動きが止まった。
「はい!僕、いつか徹さんからカウンター任されるようになりたいなと思っていたんです。自分一人のときでもカフェプレミアンをまわせるようになったら、一人前かなって」
徹はショックを受けた。りょうを単なるアルバイトだと認識していたことが、恥ずかしくなった。
(ドラッカーは、人材育成も成果のひとつだと言っていたじゃないか……)
かくして、ハンドドリップの特訓が始まった。りょうは乾いたスポンジのように徹の言うことを吸収し、ぐんぐん上達していった。
カフェプレミアンは、「マスターが淹れるコーヒー」を廃棄した。
引用を終わります。
堀川徹は成果を明文化したことにより、優先順位と劣後順位を明らかにし、廃棄対象「店長がハンドドリップすることを廃棄!」を見つけることができました。
大きな一歩ですね!
「これが当たり前」と思っていては廃棄対象を見つけることはできません。
そもそもその組織にとっての成果とは何なのか。
そのために、メンバーの活動をどう集中させていくのか。
優先すべきは何なのか。
廃棄すべきは何なのか。
こうして考えていくことによってどんどんシェイプアップされ、ブラッシュアップされていきますね!
ご興味のある方は私の個人ブログとなりますがこちらの記事もご参照ください。
吉田麻子ブログ
「7色で強み診断!(お問い合わせ多数につき、まとめ記事アップしておきます)」
さて、次回は「成果をあげる意思決定をする」を振り返りましょう!
お楽しみに!


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