皆さんこんにちは!
今週も五つの能力を振り返りましょう!
いよいよ今週は五つ目ですよ!
去年の10月から毎週金曜日に『人生を変えるドラッカー』の内容を用いて、ドラッカーの『経営者の条件』を皆さんと一緒に学んできました。
5つの能力習得にチャレンジした小説の主人公たち、夏子、柊介、徹の奮闘を紹介しつつ、成果をあげる5つの能力をお伝えしてきました。
今日はいよいよ5つ目のまとめ!
「成果をあげる意思決定をする」に進みます☆
成果をあげる意思決定をする!
まずは、「成果をあげる5つの能力」とは!?
「成果をあげる5つの能力」
1)汝の時間を知れ
2)貢献に焦点を合わせる
3)人の強みを生かす
4)最も重要なことに集中する
5)成果をあげる意思決定をする
この5つでしたね。
今週は、これについて振り返ります。
5)成果をあげる意思決定をする
主人公の一人、青柳夏子と共に意思決定について学んでいきましょう!
少し長くなりますが、夏子は自分の会社のケースに、『経営者の条件』に書いてある意思決定のための五つの手順を当てはめて考えてみましたのでその流れをもってまとめとしてみますね!
夏子は、毎月通っているドラッカー読書会で『経営者の条件』の第6章、第7章で「成果をあげる意思決定をする」という5つ目の能力に出合います。
まずは読書会で東堂先生が説明しているシーンから始めましょう。
ー以下引用ですー(一部省略して抽出しています)
東堂がいいます。
「みなさん、成果をあげる意思決定を目指しましょう。では、青柳さんから線を引いてきたところを発表していただきましょうか」
夏子がうなずいた。「私はここです」
エグゼクティブたる者は、いくつかの明確な要素と手順から構成される体系的なプロセスとして、それらの意思決定を行わなければならない。(『経営者の条件』p154)
夏子が言う。
「意思決定って難しいですよね。『通常、時間もわずかしかとらない』って書いてありますが、もし間違った意思決定をしちゃったら大変だし、勇気がなくて決められないこともあります。その都度その都度、気分で決めてしまうのも危なそう。でも、意思決定には手順があると知って、ちょっとほっとしました」
「そうなんです。意思決定には手順がある。ドラッカーは第6章で、ヴェイルとスローンの事例から意思決定の原理を導いています。それが、この五つのステップです」
おもむろに東堂は、ホワイトボードに板書を始めた。
成果をあげる意思決定の五つのステップ ①問題の種類を知る②必要条件を明確にする③何が正しいかを知る④行動に変える⑤フィードバックを行う
(著者注:この5つのステップは意思決定の手順です。
ある日、青柳夏子の働く倒産間近で息も絶え絶えの会社ポテンシャルに、大型プレゼンをしようとしていた北星銀行からクレームが来てしまいます。それは夏子が主導していたプロジェクト。夏子は社長の北原からこのクレーム処理の意思決定を任されます。夏子は、この5つのステップでさっそく処理をしていくのです。また引用に戻ります・・・)
夏子の思考がすっと正しい道に戻った!
「よし。やってみようじゃないの。この五つに従って、考えてみよう」
夏子はノートを開いて、今回のケースを当てはめてみた。
まずは「1.問題の種類を知る」ことである。
まず初めに、一般的な問題か例外的な問題か、何度も起こることか個別に対処すべき特殊なことかを問わなければならない。(『経営者の条件』p165)
北星銀行からクレームが来たことは、たしかにショックだった。しかし、冷静になって考えてみれば、クレーム自体はどこの会社でも起こりうることだった。
つまり、聞いたことのない大事件、例外的な問題ではなく、よくある一般的な問題なのではないか。
夏子は少し、落ち着きを取り戻してきた。
続けて考えてみよう。静かにページを読み進めた。
真に例外的な問題を除き、あらゆるケースが基本の理解に基づく解決策を必要とする。原則、方針、基本による解決を必要とする。(『経営者の条件』p168)
一般的な問題であれば、原則を適用して解決できる。言い換えれば、解決には原則が必要だということである。
ならは、ポテンシャルに起こる問題は、ポテンシャルの基本的な原則を適用して意思決定すればよい。
(でも、うちにとっての原則って何だろう)
(そもそもポテンシャルは、どうあるべきだったのか)
そう思ったとき、秋のイベントタイトルが頭に浮かんだ。
「北海道の『働く』のポテンシャルを高めたい」
ずっと社長が掲げてきている、この言葉こそが原則だ……。夏子の思考がすっと正しい道に戻った。
続く第二の手順は「必要条件を明確にする」である。夏子はページをめくった。
必要条件は、「この問題を解決するために最低限必要なことは何か」を考え抜くことによって明らかとなる。(『経営者の条件』p175)
この問題、つまり北星銀行からのクレームを解決するために最低限必要なことを、原則に基づいて考えればいい。
夏子はしばらくの間、腕を組んで考えた。「あっ、そうか!」
(北星銀行がうちの研修を受注してくれること、それは必要条件ではないわ)
(必要なのは、北星銀行の社員が輝いて働くことだ。だからイベントを開くんだった)
夏子は過日、北原社長と三木よう子の前で啖呵をきった自分の言葉を思い出した。
――私たちポテンシャルは「研修を売る」のではなく、「働く」の可能性を高めるためにあるべきだと思うんです。
そう考えると、つながり作戦は中止すべき、という考えが浮かんできた。
(その代わり、秋のイベントのチケットを低単価で北星銀行に販売し、たくさんの行員さんに刺激を受けて輝いてもらう、というのはどうだろう……)
研修ではなく、イベント参加という形式ならば、いろいろな企業の従業員同士が一堂に会して、いつもと違う刺激を受けることができるはずだ。
続いて第三の手順、「何が正しいかを知る」に進んだ。
決定においては何が正しいかを考えなければならない。やがては妥協が必要になるからこそ、誰が正しいか、何が受け入れられやすいかという観点からスタートしてはならない。(『経営者の条件』p180)
この文章を読んだとき、翔平やエリやカナの顔が思い浮かんだ。
(もしもつながり作戦を中止したら、みんながっかりするだろうな)
だがドラッカーは、「何が受け入れられやすいか」ではないと言う。これまでの労力が水泡に帰すのは、たしかにみんなを落胆させるかもしれない。しかし考えるべきは、「受け入れてくれそうな案」ではないのだ。「何が正しいか」なのだ。
(みんなの顔色で意思決定しちゃだめなんだ……。だから中止は怖くない。だって原則に従っているもの。この意見で、いいはずだわ)
霧の中にいるようだった頭の中が、どんどん晴れていくような気がした。
第四の手順は、「行動に変える」である。
決定を行動に移すには、「誰がこの意思決定を知らなければならないか」「いかなる行動が必要か」「誰が行動をとるか」「その行動はいかなるものであるべきか」を問う必要がある。(『経営者の条件』p182)
勢いづいて、夏子は白い紙に具体的行動を書き出していった。
「この意思決定を社員みんなに伝達する」
「秋のイベントの詳細を詰める。チケットの値段を明らかにする」
「新たな企画書を作成し、北原社長に同行してもらって北星銀行にプレゼンに行く」
「他のクライアントにも広くリリースする」……
すべての行動は、原則に基づいていなければならない。相手の成果に向かってプレゼンしなければならない。自社の社会における役割を果たしていなければならない。
どんどんアイディアが湧いてきて、思いのたけを書き尽くした。
いよいよ第五の手順、「フィードバックを行う」である。
決定を行うのは人である。人は間違いを犯す。最善を尽くしたとしても必ずしも最高の決定を行えるわけではない、最善の決定といえども間違っている可能性はある。そのうえ大きな成果をあげた決定もやがては陳腐化する。(『経営者の条件』p185-186)
たしかに、やってみてどうだったかを検証できるようにしておかなければならない。検証できれば、次の行動に向かってブラッシュアップできる。
(継続できるイベントに育てていくことが大切だわ)
そのために検証すべきは、原則に照らし合わせて、参加者の「働く意識」が高まったかどうかを確認することである。
その週の会議で、夏子は意思決定の五つの手順に従って考えた内容をみんなに伝えることにした。
ご興味のある方は私の個人ブログとなりますがこちらの記事もご参照ください。
吉田麻子ブログ
「7色で強み診断!(お問い合わせ多数につき、まとめ記事アップしておきます)」
さて、次回はいよいよ終章の読書会シーンに入っていきましょう!
お楽しみに!


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