『マネジメント[課題・責任・実践](上)』第21章「仕事への責任」(3節)継続学習
継続学習
(3)仕事に責任をもたせるための第3の条件は、継続学習である。
もちろん働く者はすべて、スキルについてのトレーニングを必要とする。しかしここにいう継続学習とは、スキルのトレーニングとは別のものである。継続学習では、働く者は学んだことを生かして、自らの仕事ぶり、仲間の仕事ぶり、そして仕事の仕方を向上させようとする。
さらに継続学習によるならば、2つの問題を解決することができる。一つがイノベーションへの抵抗をなくすことであり、もう一つが陳腐化する危険をなくすことである。
『マネジメント[課題・責任・実践](上)』P320
働き手が仕事の責任を負い、達成感を得るためには、たゆまぬ学習が欠かせないとドラッカー 教授は言います。
研修や訓練にかわるものではなく、「学んだことを活かして、自分自身と仲間の成果を高め、より効果的で合理的な仕事の仕方を見出したい」という働き手の欲求を満たすものだとも。
この「マネジメント」が書かれた1973年から、時代は2020年へ。人生100年時代を生きる時代になりました。
明日のために「イノベーション」の機会を創ること、時代の変化に対応するために、成果があがらなくなった活動を廃棄していくことが更に求められています。
私たちは、知識、情報、アイデアで社会に価値を提供していく「知識労働者」です。知識労働が成果をあげていくためには、専門化し絶えず新しい経験や課題、周囲のニーズなどに接し、周りにも知識や情報を提供しなくてはなりません。
そして知識労働に携わるチームはみな、自他ともに認める「学習する集団」でなくてはならないのです。
知識労働に携わる作業集団は学習集団とならなければならない。
by P.F.ドラッカー
次回のテーマは「働く者の参画」!
(つづく)
前回まで
第1話:『マネジメント(中)』第31章「マネジメントの仕事」
第2話:『マネジメント(中)』第31章(1節)「マネジメントの仕事」
第3話:『マネジメント(中)』第31章(2節)「マネジメントの資源は人である」
第4話:『マネジメント(上)』第21章「マネジメントの仕事」
第5話:『マネジメント(上)』第21章「マネジメントの仕事」マインドマップを描く
第6話:『マネジメント(上)』第21章「マネジメントの仕事」(1節)創造性への誤解
第7話:『マネジメント(上)』第21章「マネジメントの仕事」(2節)フィードバック情報
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五月女 圭司
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