皆さんこんにちは!
今週も『人生を変えるドラッカー』の「言葉」解説をお送りいたします!
これまで
『知識労働者』
『貢献』
『成果』
『強み』
『集中』
『廃棄』
『意思決定』
『読書会』
『エグゼクティブ』
『なすべきこと』
『修練』
『知覚』
『記録』
『責任』
『動機づけ』
『位置と役割』
『卓越性』
『成長』
『塊の時間』
『優先と劣後』
『強みと弱み』
の言葉の定義をお伝えしてきました!
今週は『自己開発』です。
よろしくお願いします♪
目次
- 東堂先生による【ことば解説】「26.『自己開発』の定義」
- 貢献に焦点を合わせるということは人材を育成するということである。(『経営者の条件』p83)
- 第三に自己開発は、その成果の大部分が貢献に焦点を合わせるかどうかにかかっている。組織に対する自らの貢献を問うことは、いかなる自己開発が必要か、いかなる知識や技能を身につけるか、いかなる強みを仕事に適用するか、いかなる基準をもって自らの基準とするかを考えることである。 第四に、貢献に焦点を合わせるならば、部下、同僚、上司を問わず、他の人の自己開発を触発することにもなる。属人的な基準ではなく、仕事のニーズに根ざした基準を設定することになる。すなわち卓越性の要求である。強い意欲、野心的な目標、大きな影響力のある仕事の追求である。 われわれは、自己開発と人材育成について多くを知らない。しかし唯一知っていることがある。人、特に知識労働者というものは、自らが自らに課す要求に応じて成長する。自らが成果や業績とみなすものに従って成長する。自らに少ししか求めなければ成長しない。多くを求めるならば何も達成しない者と同じ努力で巨人に成長する。(『経営者の条件』p97)
- 自己開発とは、スキルを修得するだけでなく、人間として大きくなることである。おまけに、責任に焦点を合わせるとき、人は自らについてより大きな見方をするようになる。うぬぼれやプライドではない。誇りと自信である。一度身につけてしまえば失うことのない何かである。目指すべきは、外なる成長であり、内なる成長である。『非営利組織の経営』p211
東堂先生による【ことば解説】「26.『自己開発』の定義」
自己開発という言葉を聞いたことがありますか?
英語でいうとセルフディベロップメントです。
この言葉もセルフマネジメントにおいてとても大切な言葉ですので今週も東堂先生に解説をお願いしましょう!
ではまずは『ジンドラ』の引用からです。
ー以下引用ですー
会議室で、青柳夏子は泣きじゃくる後輩の話を聞いていた。二十代社員のエリだ。
「どうしたの? 何かあったの?」
「ねえさん、どうしましょう……。私、三木よう子先生を怒らせてしまったんです」
(中略)
「もしも三木先生がいらしたら、ちゃんと社長から説明してもらうから。大丈夫、三木先生も私たちと同じ志を持つ、かけがえのない仲間なのよ」
そうなぐさめると、エリの嗚咽が激しくなった。
「仲間なんかじゃありません。私なんて、どんなに頑張ったって何にもできないし、いてもいなくても同じなんです。こんな思いまでして働くのは、もういやです」
貢献に焦点を合わせるということは人材を育成するということである。(『経営者の条件』p83)
いまがチャンスだ、と夏子は思った。
「私もついこの間まで、自分のことをそう思っていた。でも違うの。みんな、いなくてはならない仲間なの」
涙を流したまま、エリはつと顔を上げた。
「エリの頑張りを、ちゃんと組織の成果につなげればいいの。そうすれば、エリの仕事は組織にとって、なくてはならないものになるわ。前にちょっと話したよね、ドラッカーのこと。私たちの強みを使って、ポテンシャルの成果に貢献してみようよ」
どうやら、顔に生気が戻ってきつつあるようだ。
「たとえば、エリは細かくて几帳面だし、耳と記憶力がいいのかな、人の話をよく覚えているよね。だから、電話のメモとか議事録とか、すごく助かっているわ」
「ほんとですか」
「ほんとよ。正確だし、丁寧だし、臨場感もあるから、あとで読み返してもわかりやすいの。そうだ、今後はエリが会議の議事録を担当したらどうかな。エリの強みを、組織の成果のために使ってちょうだい」
「……私も貢献、できるんですね」
自分の仕事が組織の成果につながる道筋を得て、エリの瞳に光が戻ってきた。
―引用を終わります―
さて、ここからはファシリテーター東堂先生の出番です!東堂先生、どうぞ!
「青柳さんの会社のスタッフさんのエリさんのお話を教えていただきました。エリさんはご自身の強みを組織の成果につなげる道筋を得て、意欲を取り戻した。青柳さんがドラッカーの言葉、「貢献に焦点を合わせるということは人材を育成するということである」を実際に使っていることがすばらしいですね!
ドラッカーは貢献の章で、効果的な人間関係の基本的な必要条件として「コミュニケーション」、「チームワーク」、「自己開発」、「人材育成」の四つをあげています。第一に組織のタテのコミュニケーションについて説明し、第二にヨコのチームワークについて書いた上で、第三と第四としてこのように書いています。
第三に自己開発は、その成果の大部分が貢献に焦点を合わせるかどうかにかかっている。組織に対する自らの貢献を問うことは、いかなる自己開発が必要か、いかなる知識や技能を身につけるか、いかなる強みを仕事に適用するか、いかなる基準をもって自らの基準とするかを考えることである。 第四に、貢献に焦点を合わせるならば、部下、同僚、上司を問わず、他の人の自己開発を触発することにもなる。属人的な基準ではなく、仕事のニーズに根ざした基準を設定することになる。すなわち卓越性の要求である。強い意欲、野心的な目標、大きな影響力のある仕事の追求である。 われわれは、自己開発と人材育成について多くを知らない。しかし唯一知っていることがある。人、特に知識労働者というものは、自らが自らに課す要求に応じて成長する。自らが成果や業績とみなすものに従って成長する。自らに少ししか求めなければ成長しない。多くを求めるならば何も達成しない者と同じ努力で巨人に成長する。(『経営者の条件』p97)
「大好きな場所なのでつい長く引用してしまいました。さて、ここで、「自己開発」という言葉が出てきましたね。少し解説しましょう。『実践するドラッカー【思考編】』のp50『自己開発の本質』というところを読みましょう」
「自己開発の本質」
自己開発とは、スキルを修得するだけでなく、人間として大きくなることである。おまけに、責任に焦点を合わせるとき、人は自らについてより大きな見方をするようになる。うぬぼれやプライドではない。誇りと自信である。一度身につけてしまえば失うことのない何かである。目指すべきは、外なる成長であり、内なる成長である。『非営利組織の経営』p211
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自己開発には、二つの種類があります。
第一に、業務知識や技能、成果をあげる能力やマネジメント能力などを修得する「外なる成長」があります。
第二に、人間として大きくなる「内なる成長」があります。いわゆる人間の器であり、心揺れる状況でもビクともしない信念、人や物事を受け入れる度量、バランス感覚などが挙げられます。
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「思考編からの引用は以上です。
先ほどのお話を青柳さん側からではなく、エリさん側から見た場合、まさしく貢献への姿勢が自己開発の機会となりうるわけですね。
ドラッカーのセルフマネジメントを実践することにより、自らの人生にとてもよい変化があるように思います。
それはこのような「自己開発」が行われていくからでしょうね」
ということで今回もブログ読者の皆さん向けに、東堂先生に語っていただきました☆
今回の箇所は筆者も大好きな所です。
「巨人に成長する」だなんて、「貢献」という姿勢はスゴイなあ!と思います。
内なる成長と、外なる成長の両輪を、楽しみながら自己開発していきたいものです☆
今後も「東堂先生が言うであろうちょっとした一言」をお伝えしていきましょう!
ではでは!
次回もお楽しみに!
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