皆さんこんにちは!
今週も『人生を変えるドラッカー』の「言葉」解説をお送りいたします!
これまで
『知識労働者』
『貢献』
『成果』
『強み』
『集中』
『廃棄』
『意思決定』
『読書会』
『エグゼクティブ』
『なすべきこと』
『修練』
『知覚』
『記録』
『責任』
『動機づけ』
『位置と役割』
『卓越性』
『成長』
『塊の時間』
『優先と劣後』
『強みと弱み』
『自己開発』
の言葉の定義をお伝えしてきました!
今週は『意見の不一致』です。
よろしくお願いします♪
東堂先生による【ことば解説】「28.『意見の不一致』の定義」
まずは『ジンドラ』の引用からです。『成果をあげる意思決定をする』の章の読書会を経て、主役の一人である青柳夏子が自身の職場において『成果のあがる意思決定』を実践しようと奮闘しているシーンからです。
ー以下引用です。(一部省略や追加をしています)
その週の会議で、夏子は意思決定の五つの手順に従って考えた内容をみんなに伝えることにした。
きっと賛同を得られるだろうという思いで、丁寧に説明した。
すると、翔平が即座に言った。
「ねえさん、僕は反対です」
夏子は驚いた。あんなに緻密に考えたのに、どうしてわかってくれないんだろう。
これまでの労力を考えれば、中止したくない気持ちはわかるけれど……。
翔平を否定したい気持ちに駆られた夏子の脳裏に、ドラッカーの一節が思い浮かんだ。
エグゼクティブが直面する問題は、満場一致で決められるようなものではない。相反する意見の衝突、異なる視点との対話、異なる判断の間の選択があって初めて、よく行いうる。したがって、決定において最も重要なことは、意見の不一致が存在しないときには決定を行うべきではないということである。(『経営者の条件』p198)
(そうだ、意思決定には「意見の不一致」が必要だった。翔平は反対意見を言おうとしている、まずは反対意見を聞こう)
夏子は感情を抑えて言った。
「じゃあ、翔平の意見を教えて」
翔平は、改めて姿勢を正し、みんなに紙を配り始めた。
「僕は今日、ねえさんのその話がなくても、みんなに伝えたいことがあったんです。うまく伝えられるかどうか自信がないので、紙にまとめてきました」
~作者注~
ここから翔平が北星銀行の行員から聞いてきた感動的なエピソードを話します。それは、「やはりぜひプレゼンをしてほしい」という主旨のものでした。
ポテンシャル(夏子の会社)のメンバーたちはその行員さんの言葉に感動し、みんなの気持ちは「プレゼンをしよう!」という方向に向って行きます。
引用に戻ります。
夏子は言った。
「オッケー。最高のヒントが来たわね! さあ、どうする? ポテンシャルがなすべきことは何? さあ、成果をあげる意思決定をみんなでするわよ!」
「ねえさんの意見と違う展開だけど、いいんですか?」
「うん、『北海道の「働く」のポテンシャルを高めたい』っていうゴールは変わらないもの。むしろ反対意見が出たことで、より深まったわ」
いまとなっては、翔平の反対意見に夏子は心から感謝していた。たしかにドラッカーが言う通り、反対意見によって、意思決定がよりよいものになる。
意見の不一致はもっともらしい決定を正しい決定に変え、正しい決定を優れた決定に変える。(『経営者の条件』p203)
引用を終わります。
さて、ここからは東堂先生、どうぞ!
「青柳さん、さっそく職場で『意見の不一致』を経験しましたね!感情的になることなく、「意見の不一致が存在することにより、よりよい意思決定ができる」と考えることができたのは実践者として花丸ですね!
さて、この「意見の不一致」は意思決定をよりよきものにするためにとても重要な役割をするものです。
満場一致がよいとは限らないことをドラッカーは教えてくれていますね。
ではこの「意見の不一致」について、佐藤等先生の『実践するドラッカー【行動編】』でさらに解説を追加しておきましょう。p66です。
「複数の選択肢を得る」
反証がないかぎり、反対する者も知的で公正であると仮定する。明らかに間違った結論に達している者については、「自分とは異なる現実を見て、異なる問題に気づいているに違いない」、「もしその意見が知的かつ合理的であるとするならば、彼はどのような現実を見ているか」と考えなければならない。『マネジメント<中>』p128
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誰が何をいったかに価値はありません。意見に対する正否、当否を問う議論すら必要ありません。真摯な態度で述べられた意見は、一つの仮説として扱うべきだからです。
(中略)
より多くの目が、問題の本質を浮き彫りにしてくれます。新しい意味や評価基準が見つかれば、検討に値する貴重な選択肢が増えるでしょう。
反対意見を尊重する姿勢や文化をつくることは、大きな成果を手にする秘訣です。
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「行動編からの引用は以上です。
皆さんが何かを意思決定しようとするとき、その意思決定の目的に向かってよりよい決定をするために、反対意見の存在はとても貴重なものです。
ついつい満場一致を求めがちかもしれませんが、「こういう点が気になるんだけれど」とか「ここがクリアできないのではないか」など、耳を傾けるべき意見が存在することによって、物事が多面的に検討され、よりブラッシュアップされていきますよね!
反対意見を言われたら、それを大切に思って受け止められる自分でいたいですよね!」
東堂先生ありがとうございます!
いま、世界的に新型コロナウィルス感染拡大防止の動きが広がっており、さまざまなイベントが中止されています。
皆さんもご自身が主催する立場の場合、今後のあらゆる予定をどう決定していこうかについて、日々関係の皆様と話し合っているのではないでしょうか。
そのときに、いろいろな意見が出ることでしょう。
すでに日本国内においても、コンサートやスポーツ競技、エンターテイメントの公演などが中止されたり、延期されたりしています。
なかには実施するものもあります。
このように日々変化をウオッチしながら最適な決定をしていかなければならない場面において、
「反対意見の存在」はとても大切なものだと思います。
真摯な意見と真摯な意見が同じ目的に向かって、話し合いのテーブルに乗り、よりよい意思決定をしていく。
そのような話し合いをもつことができるためにも、ドラッカーの『成果をあげる意思決定』の考え方が重要なように思います。
今後も「東堂先生が言うであろうちょっとした一言」をお伝えしていきましょう!
ではでは!
次回もお楽しみに!
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