「とめさん流ドラッカーの学び方」(第9話)強みとは何か?強みの正体?
皆さん!こんにちは!
みんなの“心のプリンス”を目指す“とめさん”こと五月女(さおとめ)です!
『実践するマネジメント読書会®️』読書会ファシリテーターとしてドラッカーマネジメントを学び、セカンドキャリアを磨き、いかにワクワク働くか?を追求しているフリーランスです(4月から〜)。
ひょんなことから…
先日、NSF(ネクスト・ソサエティ・フォーラム)というオンラインイベントがありました。今回のイベントは昨今の状況を勘案し、リアルからオンランにての開催が決定、なんと前日の応募数600名という大規模イベントです。
ひょんなことから、オンラインイベントで画面に表示する「開催スタートまでのイラスト」、「休憩中のイラスト」、「開催終了時のイラスト」のご依頼を受けました。急遽のことだったのですが、ドラッカーに関するイベントだったこともあってお引き受けしました。当日のイベントは10時から18時までの1日がかりのイベントです。
そして当日も、誰に頼まれた訳でもないのですが、当日のイベント内容をグラフィックレコーディングの手法を用いて、1日のイベントを各部毎に1枚、合計6枚のイラストをリアルに描いたところ、当日の休憩中のオンライン画面に採用して頂き、参加者の方、数百名の方に見てもらえたのです。
開催が終わってからも、お褒めのことばを頂きました。本来のグラレコ(グラフィックレコーディング)は、参加者の前でリアルに描くことで、そのイベントに参加された方々のコミュニケーションを促進させるという目的があるので、今回は少し違うかも知れませんが、素直に採用して頂けたこと、お褒めのことばを頂いたことに、驚きと喜びを感じました。
これって強み?
「これは、とめさんの強みだよね!」
と、多くの方にお褒めのことばを頂きましたが、本人は「強み」の自覚はありません…(笑)
強みとは一体何だ?強みの正体とは?
誰でも自分の強みはわかっていると思う。たいていが間違いである。知っているのは、強みよりも強みならざるものである。それでさえ間違いのことが多い。『明日を支配するもの』P194
ドラッカー教授は、自分の強みは、自分ではわからない。と言います。確かに…
今回の「イベントのイラスト」という「成果」を通して、「強みとは何か?」「強みの正体とは何か?」を考えてみることにします。
強みとは、個々が持っている資質を磨いたもので、得意分野とは違うものだとドラッカー教授は説きます。
①最上志向
②学習欲
③未来志向
④個別化
⑤共感性
ストレングスファインダーによる私の強み上位5つ。「あれ?」イラストを描く?がありません(笑)
強みとは資質であり、思考です。なぜ?イラストを描き始めたのか?原点から私の資質の特性を探ります。
イラストを描く原点は「実践するマネジメント読書会®️」のファシリテーターライセンスを取得する際、ドラッカー教授に関する年譜(人生の年表)を覚えるためでした。私は歴史が苦手で、歴史が得意な娘に、歴史を覚えるコツを聞いたところ「絵に描いて覚える」でした。覚えなければならない年譜を枚数にすると52枚。どうしてもライセンスを取得したかったので、年譜を絵に描いて覚えると決意しました。ちょうどiPad proが発売され、誰でもデジタルで絵が描ける時代になり、直感で「これだ!」と即決。書き始めてわかったことは、試験日まで53日しかない。52枚の絵を完成させるには、一日1枚の絵を描かねければならないこと。でした。1枚の絵を描くのに平均すると4時間くらいかかります。
ここで「成果を上げるものは時間からスタートせよ」の意味を再認識しました。4時間×52日間の連続した時間を確保しなければ、成果はない。絵は完成しないということになります。強みの資質「学習欲」「最上志向」が、与えられた時間の中で、最高のパフォーマンスを発揮するという行動を起こさせ、何とか52枚の絵が前日に完成しました。
で、内容覚えたの?(笑)
娘に再度確認したところ、
「年表の数字は語呂で覚えてね…」
「まぢか…」
学習欲の資質、最上志向の資質は、それ自体が楽しいので、学ぶこと、最高のものを創り出すことが目的になってしまいます。気をつけないと…幸い「どのように描くか」を調べて可視化を思考するプロセスで、その年代の出来事がインプットされていました。急遽、年号を単語帳に書き、語呂でインプットして絵のイメージと紐付けます。
結果、見事合格!
この時に、身に付けたスキルは、「時間の確保」「iPadで描く」「時間内に描く」です。
強みはプロセスの中にある?
見事、ファシリテーターになった私は、「実践するマネジメント読書会®️」で使用する『経営者の条件』をファシリテートするために、書籍に書かれている内容を絵に描くことを思いつきました。
そして今度は、『経営者の条件』に書かれている内容を各章、各節毎に一枚の絵に描いていきます。
この絵は記事とともに今、ご覧になっている「Dラボ」サイトに採用して頂き、毎週水曜日に1枚づつアップ。ということは、週に1枚描くということ。今度は、書籍の内容を読み込んで、フレーズを切り出して、それを可視化するというプロセスなので、1枚の絵を描くのに8時間を要しました。一週間で8時間。一日1時間10分の確保。計算上はそうなりますが、絵を描くためには、まとまった時間が必要で、最低でも連続した2時間がないと思考が途切れて描けないことを経験から知っていたので、連続した2時間以上の時間を一週間で8時間とることを習慣化しました。
一枚の絵に8時間もかかる。とても生産的ではありません。果たして絵を描くことが強みなのでしょうか?
と思いつつ、これは『経営者の条件』の内容をインプットするためのトレーニングだ。と言い聞かせて連続した42週で42枚の絵と記事を描き終えました。
この体験で身に付けたスキルは、絵を描くプロセスを通して、「キーワードを切り出す」「キーワードを可視化して絵に描く」です。
それと、iPadで絵を描くプロセスを通して「絵を描くツールの使い方」、「生産的に絵を描く」、この一連の作業が習慣化されたこと。
Dラボへの掲載記事もひと段落ついて、絵を描くことをお休みしていましたが、アメリカ、ドラッカーツアーの話があり、再び『経営者の条件』英語版を創ることを決意し、42枚の英語版を創ってドラッカースクールの人たちへ、届けることができました。英語は決して得意ではないので、原文からキーワードを切り出し、短くするだけで8時間かかりました。
ここで身に付けたスキルは、「英語」と言いたいところですが、そんなに短時間で習慣化できるものではなく、時間確保の感覚を思い出したというのが本音でしょうか。
ここまでを振り返ってみると、「強み」を「できること」に置き換えると、アウトプットされた成果(絵として出来上がったもの、記事)につながった、「絵を描く」というプロセスで身に付けたスキルということになります。
強みはプロセスの中にある。というドラッカー教授が説いているのは、どうやらこのような意味のようです。
行動せよ!
4月からフリーランスとなり、アウトプットする場を探していた時、新型コロナウイルスの影響でオンラインでのコミュニケーションが加速し、私も1日zoomに使用する時間が平均4時間、多い時は10時間にもなりました。
4月の後半に入ると全国の『実践するマネジメント読書会®️』もオンラインでの開催になり、自宅である埼玉にいながら、仙台、青森、函館の読書会に参加することができます。
強みを生かすということは行動することである。(中略)強みを生かすことは、実行によって習得するべきであり、実践によって自己開発すべきものである。『経営者の条件』P220
問題ではなく機会にフォーカスするというドラッカー教授の教えのもと、オンラインで行われる読書会を自分のトレーニングのつもりでグラレコしてみました。この時はA4の紙の用紙です。リアルにオンタイムで描くためには、色を選んだり、ペンの太さを選ぶ時間は1秒でも少ない方が良いので、はじめは黒、オレンジの2色でトライしてみました。難しい…けど楽しい…。それが初回の感想です(笑)
2回目の機会は、今回のイベントのキックオフがオンラインだったので、ミーティングの一部をグラレコしてみました。これも、話がどんどん進んでいくのでとても全ては描けません。
5月に入り、3回目の機会は青森、函館の読書会が同日にあり、時間が重複せず連続していたので、iPadで描くことをトライしてみました。紙と違うのは、iPadで絵を描くという道具の使い方。1秒でも生産的に描くスキルと道具の使い方を身につけなければ、時間内に描くことはできないのです。
ネットで調べてみると、現場では、よく使う色や、ペンの種類を瞬時に呼び出せる設定をして使用していること、フィルター(線、色などを階層を分けて描く)の使い方などを工夫して生産性を上げていること知りました。
「なるほど…」
『経営者の条件』にも出てくるF.Wテーラーの科学的管理法(作業を分解、統合し生産的な作業に変えるプロセス)がクリエイティブな世界にも適用されているのだ…と衝撃を受けた瞬間でした。
そして、将来性を考えて、絵を描くiPadのアプリケーションも、プロが使用しているものに変えました。
色々なことがクリエイティブにできる分、使い方が難しい…しかも生産的にやらなければ…
色や、ペンの種類など使うものを限定して設定して、青森、函館の読書会で、はじめてのデジタルグラレコ。
その難しさを感じました。でも楽しい…(笑)どうやら、できた「絵」を通して、コミュニケーションが生まれることがとてもうれしく、音楽ステージで「音」を届けた時の感覚に似ているなぁと思ったのです。
その1週間後が、今回のイベントでした。
当日の朝、ペンを持つか、やめるか、一時間前まで意思決定できずにいました。10時から18時までの長時間に及ぶイベントははじめて。集中力が持つだろうか?
前日に仕上げたイベントで使用するイラストのこともあって、イベント自体にも何か貢献したいなぁ…
誰に頼まれたわけでもないし…できるところまでやってみよう。
イベントが始まって、午前中にできたグラレコした絵を試しに提出してみると、休憩中に流してもらえることに…
結果的に、すべてのプロセスのグラレコを描くことができました。
強みの正体?
なぜ?できたのでしょうか?
今、考えてみると、誰に頼まれたわけではない自分の意思でコミットしていること。これこそが、セルフマネジメントの原点なのだ。と感じました。
そして強みとはプロセスの中にある資質であること、習慣になるまで使い倒さないと使えない。ということを再認識したのです。楽しいこと、ワクワクすることは大変だとも苦労だとも感じないから、時間を投資していることにも気づかない。しかも、指示命令ではなく、自分とコミットしているからモチベーションも高い。これが強みの正体なのかも知れません。
1つだけ描けなかったイベントがあります。それは、ジェレミー・ハンター氏とジョセフ・リー氏の対談。対談が英語だったから。英語の会話が習慣として身についていないので、キーワードの切り出しすらできませんでした。
強みは習慣にならなければ使えない、成果は出ない。
今回のイベントを通して「強み」について考える機会を得ました。機会をくれた関係者の方々にとても感謝しています。
この気づきと強みを更に磨いていきます!ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします!
今回のイベント情報
とめさん流「笑顔をつくる7つ道具」
関連書籍
とめさん「Dラボ記事」
五月女 圭司
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