成果を測定せよ!社員のモチベーションを上げて自発的な社風を作り出すと売上が伸びてくる【株式会社BALANCEその2】


成果を測定せよ!社員のモチベーションを上げて自発的な社風を作り出すと売上が伸びてくる【株式会社BALANCEその2】
この記事のまとめ
  • 何かを測定しようと決意したときから、その測定項目に注目し、意識が変わり、行動に変化が起きる
  • 美容室スタッフに成果を測定させることで、モチベーションを上げることができた
  • 自然と自発的によりよい店づくりのための提案やサービスを提供する社風になった

管理のための測定を行うとき、測定される対象も測定する者も変化する。測定の対象は新たな意味と新たな価値を賦与(ふよ)される。したがって管理に関わる根本の問題は、いかに管理するかではなく何を測定するかにある

『マネジメント』【エッセンシャル版】p. 166

成果は指標なくして評価できない。成果とは、意識を向けることが難しい外の世界にあるからだ。

では何を指標とし、測定するか。

重要な問題である。何より顧客に起こった変化を測定することだ。顧客満足などという曖昧なものではない。これまで目を向けることのなかった、より具体的な変化を測定するのだ。

そのことで社員の意識と行動が変わる。こうして生まれた変化は直ちに顧客に届く。

今回は前回に引き続き、ドラッカーの学びを経営に取り入れて見事に収益を改善した株式会社BALANCEの事例を紹介しよう。

前回までのあらすじ

2年来の謎が解けていった。2013年、美容室を経営する株式会社BALANCE(岡山県倉敷市)の才野 裕識(さいの ひろのり)社長は、ドラッカーに学ぶ経営セミナーに参加した。

その2年前、5人いた社員のうち4人が一斉に退職するという手痛い経験をしていた。自分の何が悪かったのか。その疑問がいつも頭のどこかにあった。

――結局のところ、ヘアカットの技術ばかりを追い求めていたのだ。

才野社長は、ドラッカーの言葉に触れて痛感した。

自分が腕を磨いてコンテストに入賞し、名をあげれば、顧客は喜ぶと信じていた。だが、それは間違っていた。

しかも、そんな勘違いから、社員を手足のように使っていた。カットを手掛けるスタイリストは自分だけ。

社員は全員アシスタントだった。自分の存在意義が感じられない職場で、社員はやる気を失い、不満を募らせていたのだろう。

顧客に何と言われたいか

顧客に何と言われたいか
写真:株式会社BALANCE

「『BALANCE』という美容室は何のために存在するのか」

セミナーから帰った才野社長は社員たちを集め、自分たちの存在意義を問いかけた。

「顧客にどのように言われたいか」
「自分たちの両親や家族にどのように言われたいか」

そんな問いに対する社員の答えをホワイトボードに次々書き出した。それを基に、「自社が目指すべきビジョン」を明確にした。

結論は「お客様に笑顔と元気をもたらすため、技術だけでなく、おもてなしの心を大切にする」というものだった。

次に、このようなビジョンを実現するため、「測定」を開始した。

脳裏にはドラッカーのこの言葉があった。

“管理に関わる根本の問題は、いかに管理するかではなく何を測定するかにある”

人は何かを測定しようと決意したときから、その測定項目に注目し、価値を置きはじめる。意識が変わり、行動に変化が起きる。家計簿を付けるだけで節約が促されるのも、その一例だ。

才野社長が測定を始めたときに参考にしたのは、セミナーで教わった北海道の飲食店の事例。「おまあ指標」という仕組みで、スタッフの働きを評価しているという。

「おまあ」とは、「おいしい」「また来るね」「ありがとう」の頭文字。この3つの言葉を顧客から何回掛けられたかをカウントしているだ。

これにならって、才野社長は「きまあ指標」を設定した。「きれい/気持ちいい」「また来るね」「ありがとう」の3項目を意味している。毎日、社員全員が、顧客にこれらの言葉を掛けられた回数を集計し、報告し合うようにした。

行動指標が習慣を生み出し、より良い成果をもたらす。

行動指標が習慣を生み出し、より良い成果をもたらす。

「気持ちいい」「ありがとう」であれば、まだカットは任されていないアシスタントでも、シャンプーやマッサージをするときの工夫で顧客から引き出せる。

結果的に、現場のモチベーションは上がった。

さらに、この「きまあ」の数を増やすために行う「行動指標」を社員に決めさせた。「きまあ指標」は、目指すべき目標を示す、いわば「評価指標」。それに対して、目標達成の指針となるのが「行動指標」だ。

具体的には「お客様を名前で呼ぶ」「空き時間に掃除する」など。社員の話し合いで、今の行動指標を3つほど決め、毎日できたかどうかをチェック。21日連続でできたら、行動指標の内容を変える。

「3週間連続でできたことは習慣になり、意識せずとも自然にできるようになる」

と才野社長は語る。

行動指標の設定は社員に任せているが、特に「きまあ」の数を増やしやすい行動は、積極的に実践するので店全体に広がる。

行動指標を設定したり、振り返ったりなどする場として、月1回「才野塾」という勉強会を開いている。この日は営業を早く切り上げ、午後3時から夜まで、店づくりについてじっくり話し合うのだ。

測定を続けることで社員が変わった。はじめは戸惑っていたが、やがて新しいサービスなどの提案が活発に出るようになった。

その効果で1号店の売上高は前年同月比で20%以上の成長を続けている。2015年5月には、念願の2号店を出店。

「社員の成長なくして実現しなかった。数年のうちに3号店を出店する」

才野社長は意気込んだ。

前回の記事
企業は顧客の満足を満たすためにある!女性誌を分析し尽して突破口を開いた美容室【株式会社BALANCE】

この記事を読んでくれたあなたへの問い

この記事を読んでくれたあなたへの問い
画像:wikipedia

現代経営学の巨匠ピーター・ドラッカー

あなたの会社の社員は、何を目指して努力していると思いますか?

技術習得などのトレーニングは、ひたむきに積み重ねる必要があります。だからこそ、いつの間にか努力することそのものが目的になってしまう危険があるのです。

社員たちの努力は、会社の成果に向けられているでしょうか。いま一度、振り返ってみてください。お客様の誉め言葉のように、成果に直結して、測定可能な指標があれば、社員の努力はムダになりません。

ゲーム感覚で数字を追えば、お客様が喜び、会社に貢献できる。そんな絶妙な指標を探るのも、マネジメントの役割です。(佐藤 等)

佐藤 等(さとう ひとし)

佐藤等公認会計士事務所所長、公認会計士・税理士、ドラッカー学会監事。1961年函館生まれ。主催するナレッジプラザの研究会としてドラッカーの「読書会」を北海道と東京で開催中。著作に『実践するドラッカー [事業編]』(ダイヤモンド社)をはじめとする実践するドラッカーシリーズがある。

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株式会社エレメント

株式会社エレメント

【Dラボ】の制作・運営を行っている会社です。

2006年 旭川市にて、WEBサイト製作会社を立ち上げ200件以上のWEBサイト製作を手掛ける。創業3年目にただ作るだけのWEBサイト製作・業界の考え方に疑問を感じ、製作後の顧客WEBサイトで成果をあげる仕掛け、仕組みを追求。

成果をあげる方法、習慣的な貢献【マネジメントとマーケティング】であると感じ、ドラッカーやコトラーを学びだしてナレッジプラザ読書会に出会い今日まで【顧客の価値のある情報をユーザーに届ける】を実践する。

★実績★

・司法書士事務所のWEBサイトにて「札幌 ○○○○(某キーワード・守秘義務の為非公開)」で1位を取り、毎月の大きな広告費をゼロにして、さらに売り上げをアップさせる!

・ゼロから立ち上げて1年で月商200万円のドメスティックブランド通販サイトを立ち上げて現在も多くのブランドキーワードで上位を獲得維持しています。

・月商1000万円のインポートブランド通販のSEO対策で上位表示させるコンテンツ制作を手掛け1年で1800万円まで売り上げを伸ばす。

・月商6000万円以上のネット通販立ち上げから商材コンセプト設計などマネジメントにも携わる

・ゼロから作ってコンバージョンレート15%以上の月商100万円有機農家通販サイトの製作&動画集客を成功させる

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