人材育成がうまくいきません【失敗理由は“教えすぎ”?】


人材育成がうまくいきません。
\私がお答えします/

清水 祥行(しみず よしゆき)

1968年、兵庫県西宮市うまれ。同志社大学卒。
Dサポート株式会社代表取締役、
ナレッジプラザ・ドラッカー読書会認定ファシリテータ、
一般財団法人しつもん財団認定ビジネス質問家、
経済産業省登録中小企業診断士(平成8年登録)。
楽天大学にて「もし楽天店舗さんがドラッカーのマネジメント論を学んだら」講師を務める。

どのように指導すれば人材が育つのでしょうか?

人の育て方がわかりません。せっかく「この通りにやればうまくいくよ」と社員に教えているのですが、なかなかうまくいかないんです。

怒ったり詰めたりする教育方法は一切していないですし、いつも優しく接しています。それなのに、伸び悩んでいます。

もう少し厳しく接したほうがいいのでしょうか?

教育者は「人を育てる」のではなく「人が育つ環境を整える」のが仕事です。

人材が育たない――人の上に立つ多くの経営者や上司が直面する悩ましい問題です。そして皮肉なことに、教育熱心な人ほど人材育成の壁に当たっているような気がします。

細かにみていくと、問題点や改善点は個々様々にあると思うのですが、多くの人が犯してしまいがちな共通ポイントが一つあります。

それは手とり足とり教えすぎであるということ。つまり、人材がなかなか育たない・思うように伸びないと悩んでいる教育者の多くは、相手に干渉しすぎた教育を行っている可能性があるのです。

おそらく教育者の誰しもが、自分なりの教育論を持っていると思います。自分の過去の挫折や成功体験をフィードバックしているため、「こうすればうまくいく、こうするとダメ」という自分の黄金律を相手に押し付けてしまいがちです。

残念ながらそのやり方では、なかなか人は育ちません。もちろん中には、“師弟関係”のような絆が芽生え、それが功を奏して人が育つこともあるでしょう。しかしそれは例外的なものです。一般的に通用する教育方法とはいえません。

なぜなら、人は本質的に自分自身の力で成長してゆくものだからです。成長したいという欲求があり、そのためにはどうすればいいのかと自分で考え、様々な気づきや発見を得ながら、人は育っていきます。「この指導に従えば人材は育つ」という斉一的な教育方法では、いつまで経っても真の成長を見込むことはできません。

成長は、常に自己啓発によって行われる。企業が人の成長を請け負うなどということは法螺(ほら)にすぎない。成長は一人ひとりの人間のものであり、その能力と努力に関わるものである

ドラッカー『マネジメント』より

自らを成果をあげる存在にできるのは、自らだけである

ドラッカー『非営利組織の経営』より

身も蓋もない話のように思えるかもしれませんが、成長できるかできないかは、結局本人次第なのです。

清水
清水

イギリスには「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」ということわざがあります。

人材教育の本質もまさにその通りで、教育者がいくら熱心に指導しても、本人にその気が無ければ(成長したいという欲求がなければ)暖簾に腕押し状態です。

またそれに加えて、教育者が相手の成長を評価する制度というのも、あまりおすすめできない方法です。教育者(経営者や上司)が成長を判定する仕組みにしてしまうと、相手は教育者に褒められたり、機嫌を損ねたりしないようにすることを目的にして、「人間的成長」という本質を見失う恐れがあるからです。

では経営者や上司は、一体どうすれば人を育てることができるのでしょうか。

清水
清水

「人が育つ環境を整える」。それが人材育成の核心です。

学ぶことについて誰かの助けを必要とするようでは、終生学び続けることはできない。(中略)情報、確認、動機づけのすべてを、学ぶことのプロセスそのものの中に組み込んでおく必要がある

ドラッカー『断絶の時代』より

スタッフが自ら考え、自己成長を遂げられるようにする環境づくりの方法は様々あると思います。社風や企業文化は千差万別ですから、「このやり方が環境づくりの答えだ」というのはありません。

しかし具体的な環境づくりに着手する前に、必ずやらなければならないことがあります。それはスタッフに仕事の責任を持たせ、働きがいを提供するということです。

働きがいを提供する環境づくりのポイントは以下の通りです。参考にしてみてください。

①仕事を生産的なものにする

仕事を分析・プロセス化し、創意工夫の余地を与える

②成果のフィードバックを行う

自分の仕事がどれだけの貢献をしてきたか実感できるようにする

③継続学習で改善と訓練を繰り返す

仕事の生産性を上げるために仲間や同僚と高め合う

さらにもっと詳しく知りたい方は、私たちが主催する勉強会に一度遊びにきてください!

部下との関係に悩む方のヒントはこちらの記事もどうぞ。

最後に:ドラッカーを学んでみたい方へ

今回のアドバイスで引用したP. F. ドラッカーは、“マネジメントの父”や”経営の神様”と称され、20世紀の経営学に多大な影響を与えた人物です。

ドラッカーの言葉に励まされ、影響を受けた経営者は数え切れないほどいます。国内だけでなく、世界中でも、ドラッカーを経営に活かした実例は無数に存在します。

もし今回のQ&Aで少しでもドラッカーに興味を持たれたなら、ぜひ一度、ドラッカーのオンライン読書会に参加してみてください。経営者や個人事業主の方はもちろんのこと、学生や会社員/役員の方の参加も大歓迎です。この読書会を通じて、普通では知り合えないような人とつながることもできますよ。

ドラッカーは“拾い読み”をするよりも、一冊の本を読み込み、体系的に学んだほうが、より効果的にビジネスに活かすことができます。

読書会では、ドラッカーの実践によって業績改善やイノベーションを実現できた先輩が、自らの実体験をもとにアドバイスしてくれます。
「小手先の経営テクニックだけじゃ通用しないと痛感した」「どんな波風にも動じない信念を身につけたい」「経営の普遍的な原理原則が知りたい」という方は、ドラッカーのオンライン読書会で新しい発見や気づきを得られるかもしれません。

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当サイトDラボを運営しております。
ドラッカーを学んだ経営者やビジネスマンが実際に仕事や経営に活かして数々のピンチを乗り越え、成功を収めた実例を記事形式で紹介しています。


また、「実践するマネジメント読書会」という、マネジメントを実践的に学び、そして実際の仕事で活かすことを目的とした読書会も行っております。
2003年3月から始まって、これまでに全国で20箇所、計1000回以上開催しており、多くの方にビジネスの場での成果を実感していただいています。


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