実践するマネジメント読書会🄬ファシリテーターの大庭(おおば)純一(じゅんいち)と申します。静岡県掛川市在住。現在は、名古屋市と沼津市で開催している読書会でBasicコースのファシリテーターをやっております。
私のドラッカーとの出会いを紹介し、もし「もっと早く読書会に出会えていたなら」と残念に感じたこと、読者の皆さんにとって読書会から得られることについて書いていきます。題して「もし仕事に悩める総務・経理マンがもっと早く読書会に出会っていたら」です。
私が大学を卒業したのが1980年です。もう40年近く前になります。当時は経営学部などなく、現在の経営学部で学ぶようなことは経済学部のカリキュラムの中にわずかにあった程度でした。学校が、商科大学でしたので商学部経済学科を選択し、経済学の勉強をはしましたが、ドラッカーについてもその他の経営学者の名前も知りませんでした。卒業直前に、ゼミ指導教官(ミクロ経済学)から頂いた言葉が初めての出会いでした。「社会人になったら君たちは勉強しなくなることはわかっている。でもな、M.フリードマンとP.ドラッカーの新刊が出たならば必ず買って読むように」と。
M.フリードマンは、すでにノーベル経済学賞を受賞していて(1976年)シカゴ学派のマネタリストの中心人物でした。実際に働きだすと、またあらためて経済学を勉強する気になれず、マネジメントの大家らしいドラッカーの方でも読んでみるか、何か仕事で役にたつことが書いてあれば、無駄ではないか、くらいの気持ちでいました。
最初に手にしたのが、『乱気流時代の経営』(1980)でした。新刊として書店に並んでいたからです。社会人になりたての私にとっての世界は、経理担当として金銭を勘定し、帳簿に正しく記帳し、転記や集計をして、帳簿を締め切る。会社の中で起こっていることを理解するだけで精いっぱいでした。「グローバル経済」「国家主権の終焉」「企業統治」「人口構造の変化」いずれも自分とはあまりにかけ離れた世界でした。それでも指導教官の言葉通り、とにかく最後のページまで目で活字を追いました。
次に手にしたのが『傍観者の時代』(1979)でした。この本は、ドラッカーがその半生をつづったものです。2つの大戦間のヨーロッパ、第二次大戦後のアメリカの社会情勢とドラッカーの交友録が小説のように書かれていて、とても面白く読むことができました。ただし、自分の仕事には役には立ちませんでした。今、私の本棚には、『新しい現実』(1989),『マネジメントフロンティア』(1986),『未来への決断』(1995)が並んでいますが、ただページの字面を追ったという記憶だけで、読んだ時の印象も覚えていません。
そんな中で、『マネジメント』(1973)の存在を知りました。当時は上下2巻で価格も各5,500円。書店で目次を見ると、なんとなく仕事に関連していることが書かれていそうでした。でもとても手の出る金額ではなく購入することないままに仕事に追われる日々でした。そのうちドラッカーとはだんだん疎遠になってしまいました。2001年に『エッセンシャル版マネジメント』が出版されました。すでに40台半ばになっていました。さっそく購入して読みました。一度目は通読、その後は事あるごとに辞書を引くように必要と思われる部分を読み返しました。20代の時にはチンプンカンプンだったことが、わかるのです。こうすればよかったのだなと反省すること、今後どう考えればよいのかのヒント、今までやってこなかったことで今やるべきことが理解できたのです。ここから本格的にドラッカーの著書を繙いて仕事に活かしていくべく格闘が始まりました。
2010年あたりから、ドラッカーに関する出会いの連鎖がやってきました。次回はこの話を書いていきます。
*『抄訳マネジメント』という本が『エッセンシャル版』の前に出ていたのですが、その存在を知りませんでした。
*『経営者の条件』を奨めてくれた方がいらっしゃいました。その時の私は、「経営者になるのが目標ではない。日々の仕事をいかにして効率よく慌てふためくことなくやるか大切」として本を手に取ることもしませんでした。これは後から大後悔することになりました。
「実践するマネジメント読書会🄬」体験参加のお勧め
私は、自分の仕事にドラッカーの教えを取り入れるまでにずいぶん回り道をしてしまいました。遠回りして読んできた本も、経験を積み、齢を重ね、仕事上の責任が増すとともに理解できるようになりました。しかし、このブログを読んでくださる若いビジネスパーソンの方々には、周り道をすることなくスマートに学んでほしいと思います。全国各地で「実践するマネジメント読書会🄬」が開催されています。
Basicコースは、組織で働く個人が、組織において成果をあげるために身につけるべき習慣を学びます。そして実践した内容を参加者で披露し合い、お互いにより高い成果を目指します。異業種交流会のように名刺交換で終わってしまうものではありません。単発の講習会のように一方的な講話を聴いてそれを自分事にできないまま終わってしまうこともありません。世の中の変化のスピードがますます速くなっています。社内で、いつものメンバーで知恵を絞っても限界があります。業種、職種、年齢の違う参加者とドラッカーを体系的に学んできたファシリテーターが集まる場だからこそ新たな発想(イノベーション)が生まれます。
ぜひ体験参加をおすすめします。
つづく



Jerry O

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