絵で見るドラッカーの人生【1914年】
ドラッカーがマネジメント、マーケティング、イノベーション、知識社会など、高度産業社会の記号を先取りしたせいで、わたしたちは何となくドラッカーがわたしたち同時代だと思っている。しかも、ドラッカーがマネジメントの書き手として活躍した地がアメリカだったというだけで、生粋のアメリカ人のように感じてもいる。
「明治人」の気概
ドラッカーはヨーロッパ人である。しかも、1909年の生まれである。明治42年、明治末期の人である。時々「私は明治人だ」と語っていた。
言い換えると、第一次世界対戦(1914年)、世界恐慌(1929年)、第二次世界対戦(1939年)が、ほぼドラッカーの前半生に重なっている。(中略)
20世紀の激動はドラッカーの人生そのものだった。故郷のウィーンはハプスブルク家(1438〜1806年の神聖ローマ帝国の皇帝はすべてこの家門から出た。第一次世界対戦敗北のため1918年に崩壊)の帝国の首都だった。これは他の世代には見ることのできないきわだった特徴である。ドラッカーの世代は戦争の展開とともに成長してきた。物心ついたときからずっと、世界は潜在的に戦争状態だった。「戦争をしていないヨーロッパ」を知らない世代だった。そのきなくささを日常に呼吸し、迷走する世界を自我の基本に据えていた。
とくに第一次世界対戦である。
新聞の戦死者欄で知る者の名を探すのが日課となっていたし、「大きくなったら」というのは、子供心にも兵士となって戦場に行くのと同義語だった。『ドラッカー入門 新版』より
※この情報は『ドラッカー入門 新版』のp.281~の「ドラッカー年譜」をもとに制作しています。より深い背景の理解には同書をお薦めします。


五月女 圭司
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