組織は、優秀な人たちがいるから成果をあげるのではない。
組織の水準や習慣や気風によって自己開発を動機づけるから、優秀な人たちをもつことになる。
『経営者の条件』終章
内向きな市役所職員から提案が湧き出す
私も交通局で多くの部下職員たちと仕事をしていた時に、同じような悩みを抱えていたときがありました。
職員たちは、自分なりに一生懸命与えられた仕事をしているのですが、全体としての方向性が定まっていません。
また、与えられた仕事はそつなくこなしますが、どうしても公務員特有の前例踏襲になってしまいがちです。
「どうやったら、みんなの意識を1つの方向に向け、挑戦する気持ちになってくれるのだろうか?」
ドラッカー教授の言葉に次のようなものがあります。
「経営管理者は人を操ろうとしてはならない。一人ひとりの仕事について、動機づけし、指導し、組織しなければならない。そのための唯一の道具が、話す言葉であり、書く言葉であり、数字の言葉である。」『現代の経営<下>』第27章
言葉は、方向付けの唯一の道具だということです。
ちょうどその頃、私は、ドラッカー読書会ファシリテーターとなるための修行をしていました。
「読書会を使えば、職員意識の方向付けができるんじゃないだろうか?」
そこで、なかば強制的に『経営者の条件』をテキストに読書会を始めました。
初めは、なかなか本音が聞こえてこなかったのですが、4回5回と繰り返しているうちに、組織に変化が起こってきたのです。
みんなの言葉が揃ってきました。日常会話の中に、「成果」や「貢献」「強み」といったドラッカー教授特有の言葉が普通に出てくるようになりました。
それだけではありません。積極的に業務改善の提案があり、みんなが主体的に参画したがるようになってきたのです。
普段、読書の習慣がなかった人たちの中に、大きな変化が起こったのでした。
当初18人でスタートした読書会も、二回り、三回りと回を重ねるにつれて、30人~40人の大所帯になってきました。
きっと、読書会の効果に、参加していた職員自身が気づいた結果だと思います。
こうなるとしめたもの。あとは、放っておいても勝手に成長してくれます。
詳しくは、『ドラッカーを読んだら会社が変わった』(佐藤等著 日経BP社)「物語14」をご覧ください。
ーつづく-



Y_Tabata

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