悩める経営者に朗報ー社内読書会のススメー社員のやる気を引き出す読書会という方法 <第3回/3回連載>


組織は、優秀な人たちがいるから成果をあげるのではない。
組織の水準や習慣や気風によって自己開発を動機づけるから、優秀な人たちをもつことになる。

『経営者の条件』終章

 

 

 

社内読書会を成功させる三つのポイント

そうは言っても、社内読書会を実りあるものにして成果に結びつけるにはポイントがあります。
これまでの交通局などでの社内読書会の経験から、三つに絞ってお話しします。

1.あらかじめトップの思いをコミットメントしておく
こと細かに伝える必要はありません。あまり詳細に話をすると、かえってやらされ感が強くなり逆効果です。
ただ、読書会の目的と方向づけへの期待だけは、あらかじめコミットメントしておくことが必要です。
読書会をスタートさせるに当たってこの点は一番大事です。
読書会に参加する社員は、「何のために貴重な時間を「読書会」という意味不明なことに費やさねばならないのか。
トップは一体われわれに何を求めているのか?」といった不安を抱えています。
特に読書会に参加するのは初めてという人が多いときには、大雑把な方向性を示してこの不安を小さくしておく必要があります。

2.社員の個性(強み)を尊重し成長の可能性を信じる
社員は、もともと一人ひとり個性や価値観が違います。
チームで仕事をするときにも、この異なる個性がたがいに補完し合うことで、変化に対応できる強い組織が生まれます。
また、人は自分で目標を定めこれを実行するときに、大きなパフォーマンスを発揮します。
「自ら目標を定め実践して評価する。」一人ひとりがこのサイクルを実践することで自己成長が可能になります。
社員一人ひとりが成長し、労働の生産性が高まったときに、チーム全体の生産性はとても大きくなります。
このためにも、社員の個性を伸ばすことを意識して、同じ型枠にはめないようにしなければなりません。

3.外部のファシリテーターを活用する
上司が読書会のファシリテーターを務めることももちろん可能ですが、ハードルは高いものです。
どうしても上司の意向に沿った発言が多くなります。いわゆる「忖度」というやつです。
これを読書会の中で意味のないものにするには、上司には相応のスキルと覚悟が求められます。
その点、価値観の方向性を共有できる外部のファシリテーターを活用すると成功する確率が高まります。
ちょっと身近な、近所のおじさんのような感じです。普段と違う他人が入ることで適度な緊張感も生まれます。
さらに、上司と外部ファシリテーターがそれぞれの言葉で、同じ趣旨のことを伝えることで、言葉の信頼性が格段に上がります。

さらに大事な点として、トップの言行が一致していることが大切です。
本音と建前を使い分けているようでは、社員から足元を見られてしまします。
そのために、ドラッカー・マネジメントの体系くらいは頭に入れておいたほうが良いでしょう。

今年の5月から、先ほどのIT系会社さんで読書会を始めています。
まだ社員さんの気持ちが一つに向かっている状態とは言えません。
今後、回数を重ねることで、どのような変化が起きてくるか楽しみです。
なにか良い変化の兆しが見えたら、「番外編」としてお知らせしていきたいと思います。

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Y_Tabata

Y_Tabata

田畑祐司(たばたゆうじ)1955年(昭和30年)札幌市生まれ。立命館大学卒業。 札幌市交通局で地下鉄・路面電車事業の安全統括管理者として企業マネジメントに携わり、現在、(一財)札幌市交通事業振興公社の常務理事。安全輸送と顧客視点をあたりまえの企業文化にするために「体系化されたマネジメント」の重要性を痛感しドラッカーを学び心酔する。交通局在職中に読書会認定ファシリテーターとなって以降、組織の内外でドラッカー読書会・実践するドラッカーセミナーなどを主宰している。還暦を無事に通過し、現在の家族構成は、妻一人とうさぎ一羽。 趣味は、山歩き、スキー、クロスバイクなどの肉体系とドラッカー関連書籍の読書(つん読から精読まで)などの知識系。

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