社長の社内読書会体験記その1【和光良一】ドラッカー教授の本を用いて1年間ほど読書会をやってみた@埼玉桶川


昨年から社内でドラッカー読書会を開催しています。

部長クラスの7人を対象として、社長の私がファシリテータをしています。

まず、『経営者の条件』を1章ずつ読みました。

社外の読書会は異業種の人たちが集まるので、知らない世界の話が多く、それがドラッカーの文章を架け橋にして他の参加者に通じるところが醍醐味なのですが、社内読書会では真逆のことが起こります。

狭い会社で長い期間、顔を突き合わせて仕事をしているので、お互いに知っている話が多いのです。

これは、異業種の人が集まる一般の読書会では味わえない、深まりがあります。

深まる、というとドロドロしそうですが、さにあらず、そこは読書会なのでドラッカーの言葉が軸にあります。

普遍性の高いドラッカーの言葉は、生々しく湿った事例も、物干しざおで干すみたいにピンと伸ばしてくれます。

読書会では、参加者は線を引いてきた箇所を紹介し、理由を簡単に説明します。

ある部長が、『経営者の条件』2章「汝の時間を知れ」で選んだ文章はこれでした。

時間の浪費である仕事を見つけ、捨てることである

そして、選んだ理由としては

「自分は毎月、部門長会に参加しているが、これは無駄な時間だと思う」

というのです。

弊社には月に一度、部門長が集まる会議があります。実はその部長、部門長ではない部長なので、最初は会議に参加していませんでした。しかし、意見を聞きたかったので、社長である私が出席するように命じて、それから出席するようになっていたのでした。

まあ、このように当社には、社長に対しても歯に衣着せずに発言する部長が揃っています。

正直、カチンと来ましたがそこは読書会。ファシリテータとしては、ファシリテーションしなければならない。

私も伊達に公認ファシリテータとして実践経験を積んでいる訳ではありません。

一つ深呼吸してこう答えました。

「ありがとうございます。その会議は社長が出るように言った訳ですが、それが無駄な時間であるように思われるわけですね。そうですねえ。貴方に出席を依頼した社長からすると、その会議に出てもらうのは無駄な時間ではない訳です。しかし、貴方には無駄な時間と思える。つまり、その時間を使って他になすべきこと、貢献するべきことが別にある、と考えている訳ですよね。これは、社長が貴方に期待している貢献の内容と、あなた自身が社長から期待して欲しいと考えている貢献の内容との間に違いがある、ということです。埋めなければならないのは、そのギャップということになります。ちなみに、その『貢献』については、実は、次回読む3章「どのような貢献ができるか」に書かれています。」

我ながら冷静に対応できました。

このように、普通であれば喧嘩になりかねない会話でも、読書会という形で『経営者の条件』を間に挟んで行うことによって、実に建設的なコミュニケーションになります。

 

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和光 良一

和光 良一

1972年(昭和47年)東京生まれ。1991年暁星学園高校卒。1997年図書館情報大学大学院卒、NTT入社、NTTコムウェア配属。2004年に前社長の急逝により(株)日興電機製作所 代表取締役社長に就任。2008年に佐藤等氏のドラッカー読書会に参加し、ドラッカーの言葉と出会う。以来、ドラッカーを学ぶことを通して、仕事の悩みを取り組むべき課題に変えてきた。 ナレッジプラザ公認「実践するマネジメント読書会」ファシリテータ。 2010年ドラッカー学会エッセイコンテスト優秀賞。

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