読書会 それぞれの出会いの物語その1―人生100年時代の折り返し地点で50代のオジサン2人が熱く語り合う「ドラッカー読書会と私」


 ここは東京・池袋の某焼鳥屋。そこに2人の男が集まった。一見すると、日本中どこでも見られるサラリーマンの仕事を終えた後の「オヤジ呑み」(職場の延長のような呑み)に見えるが、何かが違う。
 2人にはある共通点があった。それは「実践するマネジメント読書会®」に参加し、ドラッカーを学び、実践しようとしている仲間ということである。
 その2人の男とは、1人は筆者、もう1人は東京八重洲読書会参加者の堀井伸一さんである。ここから2人の熱い語りが始まった。

(左:著者、右:堀井さん)

2人の共通点
(筆者)堀井さんと読書会(東京八重洲読書会ベーシック)で初めてお会いしたのは昨年(2017年)12月でしたが、実はその1ヶ月前に堀井さんと初めてお会いする機会があり、いろいろ共通点があることが判りましたよね。

(堀井)はい、たまたま、私と八谷さん(筆者)は社会人大学院生として小樽商科大学大学院ビジネススクールに通い、MBA(経営管理修士)を取得しているので、小樽商科大学の同窓生なのですが、たまたま同窓会主催のある勉強会で八谷さんと初めてお会いしました。
 その場でお話ししてみると、他にも多くの共通点があり、私、正直びっくりしました。私も八谷さんも北海道出身で昭和41(1966)年生まれ、大規模な職場で所謂「転勤族」(堀井さんは某政府系金融機関ご勤務で昨年4月に異動で現在東京勤務、筆者は某エネルギー会社勤務)、しかも、八谷さんの個人的な友人が私の会社の同期入社の人間というオチまでついて(笑)

ドラッカーに触れたきっかけ
(筆者)そう、堀井さんと小樽商科大学同窓会の勉強会でお会いした際にはプライベートの話ばかりで、ドラッカーについての話をしなかったので、翌月の読書会で堀井さんとお会いした際には正直びっくりしました。
 私はビジネススクールの授業で瀬戸篤先生(私や佐藤等先生の小樽商科大学社会人大学院時代の恩師)からドラッカーの著書に触れる機会があり、瀬戸先生を通じて佐藤等先生を知り、その縁で10年前に東京読書会スタート時から参加しているのだけど、堀井さんとドラッカーの出会いはどのようなものでしたか?

(堀井)小樽商科大学のビジネススクールに通いはじめ、経営学を本格的に学ぶなかで、ドラッカーの存在を知りました。例えば、『経営者の条件』などは、1966年と私たちが生まれた年に書かれた作品でありながら、現在でもなるほどと思われる箇所が沢山ありますし、ドラッカーの先を見通す能力に感服して、ドラッカーのファンとなり、本を読むようになりました。3~4年前ですかね。その時、実は札幌でも「実践するマネジメント読書会®」が開催されていることは知っていたのですが、如何せん、その頃はビジネススクールに通っていた頃だったので、読書会参加は時間的には無理でしたね(笑)

(筆者)へえ、そうなのですね。確か、堀井さん、昨年4月に東京に異動で来たと聞いているのですが、読書会参加のきっかけ、読書会初参加時の感想、例えば、参加前に読書会に対して堀井さんが抱いていたイメージと参加後のイメージについて等、教えて戴けませんか。ちなみに私は読書会がビジネススクールの瀬戸先生の授業スタイルと基本的にほぼ一緒だったので、違和感もなくスッと参加できました。

(堀井)実は東京に異動直後の5月に早稲田大学で開催されたドラッカー学会に参加していて、その時の配布物のチラシを見て、9月に初めて「実践するマネジメント読書会®」に参加しました。実はドラッカーのいわゆる赤本(ダイヤモンド社発行の「ドラッカー名著集」)は何冊か購入していたのですが、いわゆる積読(つんどくだけ)状態。なかなか深く読み込むことができない。漫画で読むドラッカーではちょっと寂しいといったなかで、藁をも掴む気持ちで読書会に行き着きました。参加してみて、10名前後の少数での勉強会、ファシリテーターと参加者の距離が近い、気さくに意見交換できるといったことから、これなら通えるなと思いました。

(筆者)今、堀井さんから「ファシリテーターと参加者の距離が近い」、「気さくに意見交換できる」という話が出ましたが、もう少し補足してお話戴けませんか。

(堀井)はい。まず、ファシリテーターの方は参加するまでは「先生」というイメージを持っていたのですが、実際にはそんな感じは一切なく、私たち参加者のコメントをグッと受け止めて、ご自身の経験・他の参照できるドラッカーの言葉を紹介したりして理解を促進する「ナビゲーター」かつ「ともに学ぶ仲間」という存在でした。また、他の参加者の皆さんも多種多様なバックグラウンドがあり、コメントも様々な切り口から出て来て、示唆たっぷりなのです。

どのように実践するか
(筆者)この読書会の名称が「実践するマネジメント読書会®」というだけあり、参加者の皆さんからのコメントでも、自分の実践に落とし込んでのものが多かったと思うのですが、堀井さんは読書会での学びをどのように活用していますか。堀井さん参加の「実践するマネジメント読書会®ベーシック」はセルフマネジメントがテーマだったと思いますが、ご自身の業務でも生活でも活用範囲は多岐に亘ると思いますので、具体的実践例を教えて戴けると私も学びの参考になるので有り難いです。

(堀井)そうですね。実践しているかどうかは別として、ドラッカーの言葉の中で印象的で日々心がけていることは、3つあります。①強みに集中して、その強みを伸ばすこと、②計画的に廃棄すること、③セルフマネジメントはもちろん、ボスをマネジメントすること。これらについては、少しだけ実践しているつもりです。
 ちなみに八谷さんは長く読書会に参加されていますが、逆にどのように読書会からの学びや活用・実践について参考になる事があれば教えて下さい。

(筆者)私ですか。まずは出来る事として日々の自分の日常生活での実践を心がけています。たとえば、「選択と集中」。私はドラッカーを学ぶまでは何でもやりたがりで、「あれもこれも」とスケジュールを埋めていて、それが日常生活が充実していると思っていたのですね。でも、読書会に参加して少ししてから、たまたま体調を長く崩した事もあり、「自分がなすべきこと」を考えるようになり、「やらなくてはならないもの」と逆に「廃棄するもの」を考えるようになりました。半分冗談・半分本気ですが、懇親会(呑み会)なんかも呑み会の価値観、自分の体調とお財布を考えて、呑み会の数を以前と比べて1/3ぐらいにしています。すると、夜の勉強時間も確保でき、体調も良いので翌日の仕事のパフォーマンスもいいという「プラスのサイクル」が生まれています。あと、実践するようにしているのが、「セルフフィードバック」をするようにしています。かつての私は仕事等で目標や「To Doリスト」を作りっ放しでしたが、ドラッカーを学んでから、出来ていなくても「もう1人のわたし」が実際にどうだったかを見、そして次にどうしたらいいかを考えるようにしています。小さくてもこの思考と行動は積み重ねで将来大きな成果につながると思っています。

「人生100年時代」をどう生きていくか
(筆者)私、佐藤等先生が東京八重洲で開催している「実践するマネジメント読書会®プレミアム」に参加しているのですが、頻繁に「すでに起こった未来」、「人生100年時代」について触れられています。「人生100年時代」は少子高齢化・人材流動性の加速化・AI化等、これまでの既存概念が通用しない「新時代」の一つの表現にしか過ぎないと思うのです。私と堀井さんは今、50代に入っていて、しかも今まで転職経験がなく、今までは「安定していた職場」と世間から思われた職場で働いている。つまり、既存の「人生の3ステージ(教育期→仕事期→引退期)」を今のところ送っている。
 でも、私たちにも「人生100年時代」という新時代の波は否が応でも降りかかってくる。ドラッカーは「問題ではなく、機会に焦点を当てよ」と言っています。新時代をどのように捉え、どのように生きていく覚悟があることって、私たちオジサン世代にとって必須だと思うのです。堀井さんはこの「人生100年時代」をどのような時代と捉え、具体的にどのように生きていこうかと考えていますか。

(堀井)八谷さん、難しいですが、今後の私たちにとって重要なことかつ考えなければならないことを剛速球で投げ込んで来ましたね(笑)私、こんな風に考えているんです。 
「人生100年」と聞いたときに、「100歳も生きることができるんだ!」と捉えるか、「え、100歳まで生きなければならないのか」と捉えるかで、人生は変わってくると思うんです。前者は「機会」と後者は「脅威」と感じている。ドラッカーは、『明日を支配するもの』のなかで、パラレルキャリアといって本業以外の「第二の仕事」を持つことが大切だと説いています。しかも、それには助走期間が必要だとも言っているのです。・・・話しておきながら、自分自身、100年と言われると若干脅威ですし・・・何か見つけておかないと(汗)。
 八谷さん、私にばかり言わせてずるいですよ。私にも今思っていることを語って下さいよ。

(筆者)そうですね。私、今の会社がエネルギーという社会インフラを支える会社でしかも様々なやり甲斐のある業務を経験させて戴いて、今の会社での仕事は大好きです。でも、正直、私は家内との2人家族で家内も北海道出身なので、家内とは将来は北海道に戻って、自分たちの「強み」を活かして、自分たちなりに社会に貢献できる生き方をしたいねと話してします。じゃあ、具体的にどうしようと考えているのかと問われると明解な答えは今持ち合わせていないのですが、だからこそ、「仕事」、「同窓会活動」、「プロボノでの社会起業家応援」、「学び」の四刀流を今、貫いているのだと思います。確かに忙しいのですが、以前より忙しさの質が明らかに違いますし、私の中では将来の自分の基礎創りの段階だと思っていて、楽しくて仕方ないのですよ。そんな中、将来の実践へのヒントを日々、ドラッカーの「言葉」や読書会参加の仲間のコメントから貰っています。

読書会の魅力とは
(筆者)アルコールが回り過ぎて、自分の思考回路が論理的でなくなっているので、既に堀井さんにお話戴いたことと重複してしまっているかもしれませんが、最後に2つ教えて欲しい事があります。1つは読書会で学んだことを今後、具体的にどのように活用していこうと考えていますか。もう1つ、読書会の魅力って何ですかね。

(堀井)う~ん。八谷さん、若干、話が冗舌になってきて酔っぱらってきましたね。俺もそうですけど。
読書会の魅力は、普段よりも深く本を読むようになり、ドラッカーが何を発信したかったかの本質を知る機会にもなります。そして、ファシリテーター・参加者との意見交換を通じて新しい気づきが得られる貴重な場だと思います。この読書会で学んだことを少しでも現場で実践できればと思います。

(筆者)堀井さん、いろいろなお話ありがとうございます。お互いの「強み」を活かして新しい時代、社会に貢献できるよう頑張りましょう!こういう思いにさせてくれたのも、ドラッカーさん、そしてドラッカー文化を伝えるべく、読書会を始め、広めた佐藤等先生のお陰ですね。さあ、もっと呑みながら、もっと話しましょう。
 お2人に乾杯!

 ここは東京・池袋の某焼鳥屋。そこに2人の男が集まった。一見すると、日本中どこでも見られるサラリーマンの仕事を終えた後の「オヤジ呑み」(職場の延長のような呑み)に見えるが、何かが違う。
 2人にはある共通点があった。それは「実践するマネジメント読書会」に参加し、ドラッカーを学び、実践しようとしている仲間という事である。
 その2人の男とは、1人は筆者、もう1人は東京八重洲読書会参加者の堀井伸一さんである。ここから2人の熱い語りが始まった。

 

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八谷 俊雄

八谷 俊雄

1966(昭和41)年、札幌市生まれ。北海道大学卒業後、現在も勤務している某エネルギー会社に入社。地方機関(札幌・青森・名古屋)、本社(東京)各部署、出向で様々な業務を経験。2008(平成20)年春から開催されている東京での「実践するマネジメント読書会」に参加。仕事・学び(ドラッカー等)・プロボノ(東北社会起業家支援)・同窓会(高校・大学・大学院)活動の「四刀流」の傍ら、趣味である旅行(国内はプライベート・出張等で国内は47都道府県全て、海外は約30か国を訪問)を旭川市出身の妻と楽しむ。

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