われわれのミッションは何か?を考えることは企業理念を追求すること


われわれのミッションは何か?

もうずいぶん長い間、私はこの問いと向きあってきました。

ドラッカー教授の問いに『経営者に贈る5つの質問』という問いがあります。

第一の問い:われわれのミッションは何か?

第ニの問い:われわれの顧客は誰か?

第三の問い:顧客にとっての価値は何か?

第四の問い:われわれの成果は何か?

第五の問い:われわれの計画は何か?

私たちの事業は、地方自治体が運営する公営競技場(競輪場、ボートレース場、競馬場、オートレース場)に、投票端末や、集計システム、映像システムを開発、販売し、機器保守を行う事業として業界に貢献してきました。

近年の間にファンの高齢化、ライフスタイルの変化など様々な要因により、来場者数、売上は激減し、閉鎖する競輪場が増えて、私たちの事業も製造業から、サービス業へ定款を変え、地方自治体に代わって現場の運営を受託するようになります。

競輪場は迷惑施設?

私は中途で入社し、エンジニアとして端末開発に携わっていましたから、現場の運営もギャンブルのことすらよく知りません。長くエンジニアだった私が、運営受託先の現場責任者として赴任した先で地域住民の代表から聞いたことばは「競輪場は迷惑施設」。

大変ショックを受けました。

迷惑施設って…。ギャンブルは悪なのか?非営利組織である地方自治体が運営する競輪場。そもそも競輪場は何のためにあるんだろう?私たちの仕事は、迷惑施設の運営なのか?

共に働く職場のスタッフたちをも否定されたような気がしました。それからというもの、ずっと「われわれのミッションは何か?」を考えるようになったのです。

企業理念から考えろ!

実践するドラッカーのセミナーで、「キリンビール高知支店の奇跡」の事例の話や、この本の著者であるキリンビール元副社長の田村氏の講話を聞き、事業を考えるとき、企業理念を徹底的に考えなければならないことを学びました。田村氏は、どん底にあったキリンビール高知支店を、壁のシミが脳裏に焼きつくほど壁を見つめ、己と、企業理念と向き合い、ミッションを考えた末に現場主義を貫き、お客さまに本物のビールの味を届けることがキリンビールの使命だ!を実践することで、アサヒスーパードライの売上を逆転させたのです。衝撃を受けました。もう一度、企業理念に戻って考えてみようとも…

私たちの企業理念は、

「私たちは完璧な製品、サービス、業務を追求し続けます」

完璧なものは、この世に存在しないからこそ、社員一人ひとりが完璧を目指す姿勢を問い、自己開発し、個人が組織に貢献することで、成果(組織の外への変化)をあげる。

でも、誰のために?何のために?

われわれの顧客は誰か?

今年の4月、現場から離れて本社に異動。10年振りの本社は、事業企画部という部署。現在の事業に代わる「新しい事業を企てる」を考え提案する仕事。新しい部署に変わっても、この問いは続きます。展示会に行っては、介護医療、福祉事業や、AIロボット、VR、ARなどの最新技術など、情報を集めては考える。

「おっ!これは面白い。売れそうだな…」そう思ってはみても、それは、われわれの事業なのか?を改めて問うと「???」ってなってしまう。いったい誰に、何を売ればいいのだろう?

一人で考えていても答えは出ない。そう思い今月から、ドラッカー教授の『経営者に贈る5つの質問』を事業企画部のスタッフで考える部内ディスカッションをはじめました。

「われわれの顧客は誰か?」

これからの事業も、今までつちかった事業の先に、あるかもしれない。現在の顧客を振り返ってみよう。

当社の製品、サービスを買ってくれるのは地方自治体。製品、サービスを利用するのはギャンブルファン。

「じゃあ、競輪場の周辺に住む地域住民は顧客なの?」

車券を買わないから顧客ではない?いやいや未来のお客さまでしょ!

議論は続きます。そんな時、入社4年目の若手社員に聞いてみました。

「どうしてこの会社に入ったの?」と。

彼の答えは、当時、媒体戦略として「ニコニコ超会議」に出展している「サイクル・タイムトライヤル」(バーチャル映像に合わせて、リアルなサイクルマシンでタイムを競うゲーム)のイベントを見て、ギャンブルには全く縁がなく、公営競技業界も知らなかったけど、業界を盛り上げるため、若い新規ファンを取り組むチャレンジ精神に共感したと言うのです。

「はっ」としました。

まさに企業理念である「完璧を追求する姿勢、チャレンジ精神」に共感してくれたのです。

考えてみると私たちの事業は、業界ではじめて券面にバーコードをいち早く取り入れ、払戻を自動読み取り化したり、投票をスピーディーに行うためにマークカード化したり、業務効率化のために機器を自動化したり、キャッシュレス化したり。どれも業界のトップリーダとしてチャレンジすることで業界に貢献してきたのです。

私たちの顧客は、地方自治体、ギャンブルファンだった!これからの事業も顧客は変わらないのでは?

今更ながらの気づき…でも、目の前が「パッ」と明るくなりました。

これまでは展示会で見つけた商品やコンテンツを、どうやって体型付けて売るか?を考えていました。モノが先でニーズが後になっていることはわかっていたけれど、私たちの強みを生かし、何の価値を誰に届けるのか?が頭の中でグルグルしていたのです。

今、私たちは何をしなければならないか?を問う

ドラッカー教授のもうひとつの問い。

「何によって憶えられたいか?」

私の中でひとつの答えが、天から降ってきました。

「公営競技の未来を創造する企業」

企業理念である完璧を目指すチャレンジ精神は、未来に向けてパワーを注ぐたにあるのだと確信しました。「ギャンブルは悪じゃない」などと、こだわっている考えそのものが間違えていました。宝くじ、パチンコ、パチスロもギャンブル。宝くじは当たった時の夢を買う。公営競技ファンは金儲けではなく、当たった時の興奮に価値を感じているのでは?

そう考えると、今私たちがしなければならないことは、減りつつある公営競技ファンを創造するために5年後、10年後の未来を考えて、新しい価値、事業を提案することだ!

この答えにたどり着いたのです。

ドラッカー教授の「ことば」は、いつも私たちに問い続けます。

正解はありません。だからこそ、ドラッカー教授の「正しい問い」が必要なのです!

FavoriteLoadingお気に入りに追加
The following two tabs change content below.

五月女 圭司

『人生を変えるドラッカー』を読んで「人生は変えられるよ!」と、神さまの声が聞こえた気がした55歳の会社員。己と向きあうには師匠がいる。私の師匠はドラッカー教授の「ことば」(お逢いしたことはありませんが…)。個人も組織も「地域貢献」が人生のテーマ。私のミッションは「人」と「ドラッカー」と「音楽」をつないで笑顔が絶えない社会を創るために日々まい進すること。

“われわれのミッションは何か?を考えることは企業理念を追求すること”への2件のフィードバック

  1. 布田ゆかり 布田ゆかり より:

    とめさん、いつも素敵な記事をありがとうございます🎶
    5つの質問、いつも途中で諦めてしまっていたのですが💦考え続けて、仲間と共有して、また考えて…続けていれば自ずと答えが浮かび上がってくるものなんですね😳想い続けるって大切だなぁと改めて感じました😊ありがとうございます‼️

    • 五月女 圭司 より:

      布田さん
      いつもありがとうございます。5つの質問。もうかれこれ10年は考え続けています(笑)
      正解はないからこそ、問い続ける。10年間一人でグルグルしていた問いが、皆で考えはじめたら「パッ」と目の前が明るく開けました。

コメント