自らをマネジメントすることは常に可能である。『経営者の条件』
ドラッカー読書会の学びは、日々の仕事に生かして実践するため。
ドラッカーのことばを意識して使っていると、様々な機会と出逢います。先日、私の身の周りに起こった出来事を紹介します。
予期せぬマネジメントの機会
昨日、会社から帰ろうと支度をしていると、
「これから打合せをするのですが、誰か仲介に入ってもらえませんか?」
とフロアで叫んでいる社員の声が聞こえました。近寄って、何事か?と聞いてみると、部内の打合せ中、議論が対立して、このままだと感情を抑えられなくなるので、仲介してくれる管理職を探しているという。この日、自分たちの管理職が誰もいないらしい。
会議室に入ってみると、4人のスタッフがいて、言い争いに疲れた表情。しばらく、黙って話を聴いてみる。
課題は、スタッフリーダーと担当スタッフ3人の対立で、忙しい状況が続き、ミスが起こり出している。リーダーは担当スタッフに改善を要求しているが、言うことを聴いてもらえない。担当スタッフとしては一生懸命がんばっているのに、もうこれ以上がんばれない。という内容に聴こえました。
皆、感情的になり、言い方がおかしい、私は悪くない。。という、とても険悪な状況になってしまいました。
議論が少し落ち着いたところで、私は、ゆっくりと皆の顔を見てしゃべってみました。
マネジメントは「人」と「仕事」を分けて考えよ
「課題はだいたいわかりました。お話を聴いていると、課題は仕事の設計の話のようです。マンパワーが足りないのか、仕事の手順が機能していないのか、来週、確認してみましょう。人手が足りないのであれば、私でよければ、できる限り協力します。
議論が、何が正しいか?ではなく、誰が正しいか?になっています。冷静になって、一度深呼吸してみて。。
人の設計と、仕事の設計は、別に考えないと感情的になってしまいます。今は、仕事の設計の話。仕事にフォーカスしましょう。
私たち社員の強みは、真面目で一生懸命に取り組む姿勢ではないでしょうか。今の議論をいくらしても成果にはつながりません。」
とゆっくり話しました。すると不思議なことに、皆、冷静になって、場の怒りに満ちた空気が、すっと消えたように感じました。
自分でもちょっとびっくり(笑)
私はただ、ドラッカー読書会で和光さんがいつもで言っている「仕事のマネジメントと、人のマネジメントは違う。分けて考えよ!」を語っただけでした。
ドラッカー読書会で得た学びが、自然と身についていたことがうれしかったし、何よりも皆さんに頼られたこと、組織に貢献できたと感じたことがうれしかった。
帰りぎわに、お礼を言われたので、
「私でよければ、いつでも言って下さい。私の出番を下さいね!専任職は何でもやるのが仕事です(笑)」
と、素直に言えたのも、ドラッカー読書会で学んだ、組織への貢献、組織の外にある成果を意識したおかげだと感じた瞬間だった。


五月女 圭司
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