今週も小説『人生を変えるドラッカー』の登場人物たちと、ドラッカーのセルフマネジメントを紐解いていきましょう!
『人生を変えるドラッカー』・・・著者の私がいうのもなんですが、すごいタイトルですよね。
人生変わっちゃうんです。ドラッカーを読むと。
実際、この小説に出てくる3人の主人公はドラッカーとの出会いによって人生が転換していきます。
今回も主役のひとりである青柳夏子の場合で書いていきますね☆
前回、青柳夏子はドラッカーの読書会で「知識労働者」という言葉と出合いました。
【知識労働者は自らをマネジメントしなければならない。自らの仕事を業績や貢献に結びつけるべく、すなわち成果をあげるべく自らをマネジメントしなければならない。(『経営者の条件』p21)】
敬愛する北原社長から「指示待ちじゃだめだ!」と叱責された夏子にとって「知識労働者」という言葉と出合い、自分も知識労働者であると認識することは夏子のセルフマネジメントにとって重要な第一歩となりました。
「知識労働者」は、自ら考え行動し組織の成果に貢献できなければならないと、読書会主宰者の東堂先生が言っていました。
・・・私も成果をあげる人物になりたいな。
夏子はそう思うようになります。
ドラッカーのセルフマネジメントを実践するにあたって、この気持ちは本当に重要ですよね。
自分も成果をあげる人物になりたい。
どのようにして夏子がそう思うように至ったかを『人生を変えるドラッカー』を引用しながら見ていきましょう。
以下引用です。
「自分なら成果をあげる人物に変えられる」、って本当?
バスの中で叔父と甥らしき二人組が話していた「自分なら成果をあげる人物に変えられるし、その方法もある。ドラッカーが書いている」という言葉を偶然聞いた夏子。
甥らしき男の悩みがまるで自分のことのように思い、夏子の心は動きます。
札幌駅でバスを降りて向かったのは大型書店。
そこには・・・
以下引用です。
あなたも「仕事ができる人」になろう!
「”マネジメントの父! P.F.ドラッカーコーナー」
先ほどバスの中で聞きかじった「ドラッカー」という人物の著作群が、あっけないほど簡単に見つかった。棚の二段を使って、ずらりと何十冊も並んでいる。
そのうちの一段の大半を、赤いハードカバーのシリーズが占めていた。「ドラッカー名著集」という言葉が背に謳われている。
シリーズの一冊が、くるりと表紙を見せて陳列されていた。店員さんの手描きのカラフルなPOPがついている。
セルフマネジメント本のロングセラー
これであなたも「仕事ができる人」になろう!
バスの中で聞いた、『経営者の条件』である。
(これだ!)夏子は思わず手に取った。
引用を終わります。
来ました!運命の出会い!!!!!
それにしても、バスの中で聞きかじった言葉をヒントにその後すぐに行動するなんて夏子は行動的ですね!
そういえばドラッカーのセミナーで佐藤等先生がおっしゃっていました。
「成果を出す人には特徴がある。素直で早い」
素直で早い!
私は個人的にこの言葉にとても影響を受けていたので、夏子にもそのような人物になってもらいました。
即実践!ですね。
もうひとつ夏子は早い行動をしています。
なかなか読めなくてどうしようかと思っていたところなんです。
夏子はドラッカーの本を買ったはいいものの、バッグの中にしのばせたままでした。
そんなとき、自社に営業に来た大学時代のサークルの先輩、杉並柊介(二人目の主人公です)に偶然の再会をします。
仕事の悩みを打ち明ける夏子。さらにドラッカーの本を買ったことも柊介に報告します。
「『経営者の条件』です。買ってはみたけれど、難しそうで」
その後柊介は別のアポイントでドラッカー読書会の存在を知り、ドラッカーの本を買ってはみたけれど難しそうと言っていた夏子を読書会に誘うことを思いつくのです。
言っておくもんですね!
そして柊介と共に夏子はドラッカー読書会へいよいよ足を踏み入れます。
そこで夏子は三人目の主人公堀川徹と出会います。
「はじめまして、青柳です。今日は便乗させていただき、ありがとうございます。ドラッカーの本を買ったのはいいけれど、なかなか読めなくてどうしようかと思っていたところなんです」
ドラッカーの本というと難しい印象があるかもしれません。
さらに、ドラッカーの読書会というとその難しい本を理解できる頭のいい人がずらりと並んでいるという印象があるかもしれません。
これらをまえに、躊躇してしまう人たちはたくさんいるのではないでしょうか。
しかし、夏子には「素直で早い」という資質があった。「成果をあげる人物に私もなりたい」という気持ちがあった。
そのことが夏子を「読書会参加」というセルフマネジメント実践の第一歩に推し進めたのではないでしょうか。
だってね、ドラッカー自身が「難しいことではない」と書いているんです。
以下、夏子が『経営者の条件』を立ち読みして衝撃を受けた「まえがき」の一部です。
【普通のマネジメントの本は、人をマネジメントする方法について書いてある。しかし本書は、成果をあげるために自らをマネジメントする方法について書いた。ほかの人間をマネジメントできるなどということは証明されていない。しかし、自らをマネジメントすることは常に可能である。
とはいえ、成果をあげるために特別の才能や、適性や、訓練が必要なわけではない。物事をなすべき者が成果をあげるには、いくつか簡単なことを行うだけでよい。成果をあげるには、本書で述べているいくつかのことを実行すればよい。しかもそれらを実行するために生まれつき必要なものは何もない。(『経営者の条件』まえがき)】
これを読んで「私にもできるかもしれない」と思ったからこそ、夏子は行動できたのかもしれませんね!
ぜひご覧の皆さんも夏子のように第一歩を踏み出してみましょう!
次回からはいよいよ5つの能力の具体的内容に入っていきましょう。
まずは一つ目の能力、「汝の時間を知れ」からです。
主人公のひとり、堀川徹にスポットを当てて時間管理について掘り下げていきます。
次回もお楽しみに!




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