第3章「どのような貢献ができるか」(その2)専門家に成果をあげさせるには
専門家に成果をあげさせるには
知識労働者が貢献に焦点を合わせることは必須である。貢献に焦点を合わせることなくして貢献する術はない。
知識労働者が生産するのは物ではなくアイデア、情報、コンセプトである。知識労働者は、ほとんどが専門家である。彼らは一つのことだけをよく行うとき、すなわち専門化したとき大きな成果をあげる。しかし、専門知識はそれだけでは断片にすぎず不毛である。専門家のアウトプットは、他の専門家のアウトプットと統合されて成果となる。『経営者の条件』P88
専任職の貢献とは?
「どうする俺?」ってなって、『経営者の条件』を読み返してみたら「はっ!」と気づく。いつも、毎月一回の読書会で気づきまくるこのありがたさ…。即、実践。悩まず実践するところは、もしや強み?(笑)
「専任職=外部コンサルタント の役割を果たす。」をやってみた。
まずは、自己紹介から。「私はこんなことができます!」という簡単なパワポ資料を作ってプチ・プレゼン。
大学はマネジメント工学、通信販売の会社では企画、商品開発を、宅配業航空便の会社では夜勤集荷業務、現在の会社に至る。クレーム対応、生産管理、品質管理、端末製品開発、総務、経理、人材教育、研修講師、現場責任者、事業企画(←今ココ)。
あら?結構と色々とやってるなぁ。もしやゼネラリスト?いやいや、ドラッカー教授によると、ゼネラリストとは「自らの知識を知識の全領域に正しく位置づけられる人」であり、そのような人は、ほとんどいないと。(そりゃそうだ。。)だからこそ、自らの仕事の成果を生かしてもらうには、ほかの人のニーズや方向、限界や認識を知らなければならなことを理解せよ!と言う。
自らの貢献に責任をもつものは、その専門分野を真の全体に関連づけることができる。
そっか…。
少しづつ変わった意識
週一回の部内ディスカッション。「われわれの事業は何か?」を考える。って言われても???
30分のディスカッションは、時間が足りずいつも延長。毎回、「ミッションは何か?」「顧客は誰か?」「顧客の価値は何か?」を話し合う。正解はない。だから難しい。
でも、毎回ディスカッションする度に、この問いを考えることで、全員が日常的に意識して仕事をするようになってきた。この問いが書かれたシートを「ミッションシート」と呼んでくれるスタッフも出てきた。
相談ごとも、スタッフが成果をあげられるように根気よく、丁寧に。正解を教えるのではなく、ドラッカー流に「正しい問い」を投げかける。すると、私の想像をはるかに超えるアイデアが出てくる。
人って期待されると「応えたい!」って思うんだなぁ。
ミーティングの場も増え、チーム的な動きができて、皆が参画した「企画書」は、これまでとは比べものにならないほど素晴らしい出来栄え。
相談も増えた感じ。最近の口ぐせは、
「何でもやります!出番を下さいっ!」
いいぞっ!楽しくなってきた!
(つづく)
前回まで
五月女 圭司
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「私はこんなことができます!」と言えるために自分の今までを振り返り出来る事をまとめておく。部署や配置、仕事が変わったとき、共に働くメンバーに説明できるような工夫をほどこし、形にしてまとめておく(五月女さんはパワポの資料にまとめられたのですね)っていいですね。私は「出来る事をまとめる」まではやっていますが、それを他の人に伝えるための工夫はやりきれていないなぁ・・・。(ヨシ、一歩進んでそこまでトライしてみよう!) 我が身を振り返りはっとしています。五月女さんの記事を読んだ私にこうして気づきがあるように、読書会の場に出向き他の方のお話を聞くことによって気づけることってありますよね。「ひとりで黙々とトレーニングをし続けることは出来る気がしない」けれど「身体を鍛えることは大切だ!」と思う人がひとつの方法としてスポーツジムに通うことを選ぶように、「いい仕事がしたい!」と思う私が成果をあげる能力向上のために通う場所・・・「ジム」みたいな存在が私にとっての読書会なのかもしれないなぁ、なんてね^^ 五月女さんの記事を読みながらそんなことを感じています。いつも素敵な気づきをありがとうございます!
瀬川さん
ありがとうございます。人に伝えるって難しい。。この時は自分を知らない人たちに「私はこういう人間です!」って伝えないと、誰にも相談もされない存在になってしまうような気がして、やってみました。人に伝えると「何を伝えたいのか」がクリアになって、自分が一番学んでいる感じです。きっと読書会も、人にお伝えする前に、伝えることを整理するので学びが多いと思います。青森の読書会に参加させて頂いた時に、瀬川さんのファシリテーションを聞いて「すごいなぁ〜」と感じたのは、日々、ジムのように「真摯」に取り組んでいる成果なんでね〜!!!