人生100年時代の先人:絵で見るドラッカーの人生【1964年】(1909〜2005年)


絵で見るドラッカーの人生【1964年】

経営三部作

『企業とは何か』を公刊したのが1946年、その後ドラッカーはさらなる現実の企業活動の観察を経て、3冊のマネジメント関連の著作を世に出した。『現代の経営』(1954年)、『創造する経営者』(1964年)、『経営者の条件』(1967年)である。

初期政治三部作(『「経済人」の終わり』『産業人の未来』『企業とは何か』)と対比する意味で、この3冊を「経営三部作」と呼ぶ論者もいる。そして、1973年にはこの経営三部作を総合的に体系化した『マネジメント』を世に出している。

マーケティングの考え方(販売活動を不要にする)

(中略)まずはマーケティングである。かつては営業部門や販売促進部と言われた部署も、近年はマーケティング部などと称されるケースが増えてきた。一般にマーケティングと言うと、営業や販売活動の総称と考えられてきたのをそのまま反映している。

しかし、ドラッカーの言うマーケティングはそうではない。マーケティングは具体的な行為というよりも、考え方である。顧客が必要とするもの、顧客が求めるものを第一に捉えるという姿勢である。

マネジメントがそうであるように、マーケティングもまた企業特有の活動ではなく、あらゆる人間活動に適用すべき一つの道と言える。

実際に、マーケティングの姿勢を身につければ、販売活動が不要になる。生産物は自然にうれていくとさえドラッカーは言う。ウォークマンやiPhoneなどの時代を画する商品をイメージするとよい。いずれも売れているというよりも、長雨が平原を潤すごとくに世に浸透していった。それがマーケティングの理想である。企業側が何を売りたいかではなく、顧客側が何を欲しているかに視点を置く。

ドラッカーはコミュニケーションの基本原理として、「無人の森で木が倒れても音はしない」と言う。音波が発生しただけである。聞き手がいなければコミュニケーションはない。会話に意味を付与するのは発話者ではない。聞き手である。マーケティングもまったく同じである。商品に意味や価値を付与するのは生産者ではなく、受け手である顧客だという。

では、マーケティングの目標はどのようなものか。一つは市場におけるシェアである。その中身である。今ある市場で何パーセントのシェアを獲得するか、または、まだ生まれていない市場でどれだけのシェアを目指すか。多ければよいわけではない。

ドラッカーは、ものごとの本質は形に表れるとの信念を持つゲーテ主義者である。市場の形を見ようとする。市場の形はシェアに表れるわけであるから、マーケティングの結果はまずシェアの中身を見よという。『ドラッカー入門 新版』より

※この情報はのp.281~の『ドラッカー入門 新版』「ドラッカー年譜」をもとに制作しています。より深い背景の理解には同書をお薦めします。

 

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五月女 圭司

『人生を変えるドラッカー』を読んで「人生は変えられるよ!」と、神さまの声が聞こえた気がした55歳の会社員。己と向きあうには師匠がいる。私の師匠はドラッカー教授の「ことば」(お逢いしたことはありませんが…)。個人も組織も「地域貢献」が人生のテーマ。私のミッションは「人」と「ドラッカー」と「音楽」をつないで笑顔が絶えない社会を創るために日々まい進すること。

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