ドラッカーにふれる人を増やし、読書会の輪を広げ、成長する人の笑顔を増やしたい (一財)札幌市交通事業振興公社 常務理事 田畑祐司さん@札幌


ドラッカーにふれる人を増やし、読書会の輪を広げ、成長する人の笑顔を増やしたい

 

(一財)札幌市交通事業振興公社 常務理事

田畑祐司さん

1955年、札幌市生まれ。

立命館大卒、民間企業を経て札幌市役所入り。

交通局などの勤務を経て現職。

 

人の笑顔、成長する姿を見るのが好き

 

—仕事内容をおしえてください

現在は一般財団法人札幌市交通事業振興公社の常務理事をしています。2018年で4年目になります。常勤の理事として、600人弱の組織全体をマネジメントする役割です。

現場としては、地下鉄の各駅・定期券発売所・忘れ物センター・案内センターとそれらをバックアップする本部とがあります。わたし自身の仕事としては、部下からの事前相談だったり、大事な案件の意思決定などです。

現場は現場で、日々、いろんなことが発生するのですが「良くマネジメントされている組織は静かだ」というドラッカーの言葉どおり、バタバタとしていることは、ほとんどありませんね。重大なことはここしばらく、地震の時を除いて起きていません。

 

—ドラッカーを知ったきっかけは?

大学を卒業し民間の会社に就職しました。3年間営業マンとして働いていました。その後、札幌市役所に転職し、交通局に配属。なんだかんだと、交通局が一番長くなりました。

途中、区画整理部や情報化推進部に異動もありました。その情報化推進部の時にドラッカーに傾倒している職員がいて、その女性を通じてドラッカーを知ったのです。2008年、53歳の時でした。

「ドラッカーの読書会をやるから顔を出してくれませんか?」と。市役所の仲間を何人か集めてやっていました。公務員は前例踏襲が多いのですが、わたしは組織の中では異端な方でした。彼女もそうでした(笑)。

 

—最初に読んだ本は?

最初の課題本は『経営者の条件』でした。この本を読んだ時、「ああ、ここに書いてあることと、同じことをやってきたんだなあ」と思ったものです。それまで、全国的な列車事故が発生したり、札幌の交通関係でも安全がおろそかになった事例などが発生していました。そこで、組織内での情報共有とか報告体制を整えるとかいろいろな仕組みを整備してきました。

ドラッカーの体系をもっと早くに知っていたらなあ、ということも後から思いましたが。

 

 

—その後は?

実は、そんなにドラッカーにのめりこんでいったわけではありませんでした。

当時、岩崎夏海さんが『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの“マネジメント”を読んだら』(ダイヤモンド社)を出したころで、出張の行き帰りで読んで、ぼろぼろと涙が出たことを覚えています。2011年、ドラッカー学会の大会が旭川市で開催されると聞き、岩崎さんご本人にお会いしたいと思い学会に入って参加しました。

このイベントを通じて、佐藤等さんとも出会い、ナレッジプラザにも入会。ナレッジプラザ主催のドラッカー読書会にも参加するようになったのです。

 

—ファシリテーターにはどのようなきっかけで?

札幌で開催されているドラッカーマネジメントを柱に学ぶ勉強会「札幌ビジネス塾」にも参加するようになりました。勉強会直後の懇親会にもよく出席していました。お酒が入ると気が大きくなるじゃないですか。社交辞令で聞いた「ファシリテーター養成講座はもうやらないのですか?」という問いに、お酒の勢いもあって自ら手を挙げてしまい、第3期の養成講座に通うことになったのです。

 

—好きな本は何ですか?

一番読んでいるのは『経営者の条件』ですが、好きな本は『現代の経営』ですかね。この本はもう60年も前に書かれた本。なのに、今だにキラキラしているところがいいなあと。読書会への出席をペースメーカー的に読んでいます。

参加している読書会としては、佐藤さんがファシリテーターの「プレミアム」コース。わたしがファシリテーターを務める「アドバンス」コース。ほかに道庁読書会など、月に3回は最低参加しています。

 

—なぜそんなに参加しているのですか?

おもしろいからですね。人の笑顔を見ているのが好きなのです。人が成長する瞬間とか。ちょっと雰囲気が変わるとか、こういうのを見ているのが好きなのです。仕事も同じですね。わたしの強みに「成長促進」があるからだと思います。

 

 

仕事に活かし、合宿に参加し、読書会を広げる

 

—仕事ではドラッカーをどう活かしていますか?

職場の中では日々、問題が起きます。そういう場合は、ほとんどが、人のマネジメントか仕事のマネジメントのことです。どういうところに課題があって、どういうところに原因があるんだろうと考えた時に、「これは人のマネジメントだったね」と、いうことになればあの全体体系図(注:読書会で説明されるドラッカーマネジメントの全体像が示されている図のこと)を見ればいいのです。あの図は使えるのです。考え方を整理して翻訳して理解できる。この職場ではそういう風にドラッカーをつかっています。

自分としては、昨年やったことを少しでもいいから改善したい。そんな思いで仕事に向き合ってきました。「楽しくなければ仕事じゃない」が今も昔も口癖です。

 

 

—D-Labメンバーにも?

「D-Labメンバー」とは、ドラッカーの著作を通じて仲間と共に学ぶ意欲のある人が対象で、少人数の会員が集まって研究会や読書会を行っています。
(※詳細についてはナレッジプラザへお問い合わせ下さい。お問い合わせはinfo@knowledge-plaza.infoまで。)

ここに集っている人たち自身がすばらしい。皆で集まる合宿では温泉場でリラックスしながら話しができるところもいいところです。翌日は朝食が終わったら三々五々散っていきます。何を学ぶかは重要です。が、誰と学ぶか、どこで学ぶかはもっと重要ですと、ファシリテーターの養成講座の最後でも言っていることです(笑)。

 

 

—今後の活動予定は?

「一般社団法人実践するマネジメントファシリテーター機構(FT機構)」を設立しました。川島さんが代表理事で、わたしも理事に名を連ねています。読書会をもっと売り出す法人。認定ファシリテーターのための会員組織です。ファシリテーターの皆さんのスキルアップであったり、読書会を広めていく時のサポートであったり、全国から人が集まる「読書会サミット」の主催をします。

希望者で「オンライン読書会」というものも試験的に始めています。地域でしばられると広がりが少ない。ファシリテーターになったけれどなかなか読書会を開けない人もいるわけです。「Zoom(ズーム)」というアプリをつかってネット上で行う読書会。読書会を全国に展開するための実験です。これができれば、出張していても、ホテルでスマホを使って読書会に参加ができるようになります。

こういった活動を通じて、ドラッカーにふれる人を増やし、読書会の場を広げ、成長する人の笑顔を増やしていきたいと思っています。

 

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花岡 俊吾
1965(昭和40)年、北海道恵庭市生まれ。高崎経済大学卒業、(株)ピーアールセンターにて広告・マーケティング業務に従事。2007年独立、「北海道体験.com」のプロジェクトに参画。人口減少の道内経済に貢献すべく、北海道の新しい体験観光情報の発信をライフワークにする。カメラを片手に、年間100日以上をアウトドアフィールドで取材活動。新聞記事連載やWEBコンテンツ制作がメインの仕事。P.F.ドラッカーの読書会、札幌ビジネス塾に10年以上通い、上田惇生先生のサイン入り『経営者の条件』は家宝。著書に『アウトドア&感動体験ガイド北海道』(北海道新聞社)。休日はマラソンと登山に勤しむ。

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