「知識労働者を直接あるいは細かく監督することはできない。彼らには助力を与えることができるだけである。知識労働者は自らをマネジメントしなければならない。自らの仕事を業績や貢献に結びつけるべく、すなわち成果をあげるべく自らをマネジメントしなければならない。」
『経営者の条件』p.21
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「現場の社員さんを、どう管理したらよいのだろうか」
小さな小売りサービス業の家業に携わるようになり、私が一番最初に直面したのが、この疑問でした。今振り返っても反省の多い疑問ですが。
疑問が解決するかもしれない。。。。
そう思い、経営者の先輩から紹介された実ドラ講座に参加したのが、わたしとドラッカー先生との出会いです。
疑問は、講座内で聴いたドラッカー先生の上記の言葉で、実に爽快に打ち砕かれました。
現代社会は知識社会。人は知識を仕事に適用して成果をあげます。
マニュアルワーカー的な側面ばかり見えたとしても、人は、上司からの指図に全て従えば良いのではなく、自ら考え、決定し、行動して成果をあげます。それが知識労働者です。
読書会に参加して更に読み込んだ。
「知識労働者が何を考えているかは確かめようがない。だが考えることこそ知識労働者に固有の仕事である。考えることが彼らのなすべきことである」『経営者の条件』の言葉も、衝撃でした。
そんな知識労働者を管理監督なんて、そもそもできないことなんです。現場の社員さんを管理監督することはできない、というか、管理監督しようとするなんて間違い。。
できることは、助力を与えることだけ。社員さんが成果をあげる為に必要な情報を提供したり、コミュニケーションを取ったり。そういうことなんです。
人を管理してコントロールすることが「マネジメント」だと思っていましたが、ドラッカーさんの言う「マネジメント」は根本から違いました。
「ほかの人間をマネジメントできるなどということは証明されていない。しかし、自らをマネジメントすることは常に可能である」ともドラッカーさんは言います。
わたしは、現場の社員さんに、自分の考えや意見を全面的に押しつけようとしていました。自分の正義感と責任感から。細かく指図して、むしろ、やる気を削いでいたのかもしれません。
押しつけることで、現場の社員さん自身の「自ら考え、決定し、行動する」場面や状況を、私自身が奪っていたのです。
「わたしが間違っていたんだ」と気づかされ、「己をマネジメントしなさい!」と喝を入れられた、ドラッカー先生(の言葉)との出会い。
あの日の衝撃は、今でも忘れることはありません。



Chihiro- C

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