人生100年時代の先人:絵で見るドラッカーの人生【1980年】(1909〜2005年)


絵で見るドラッカーの人生【1980年】

バブル時代を予測したこの一冊を、いま読み返す意味

本書が世に登場したのは1980年。ドラッカーは、第二次オイルショックのすぐあとの世界情勢を「乱気流」にたとえ、そうした世の中でどのように経営していくべきかについて述べました。

当時の日本はちょうどバブルが起こる直前。土地や株が急騰していく、メチャクチャな時代に突入しようとしていました。企業は出店をすれば儲かるという時代。土地や株に手を出さない企業は馬鹿だという風潮すらありました。しかし、それはただ土地の値段が上がっているだけで、偽りの利益が計上されていたにすぎません。

この本を読んでいれば、バブルに踊らされることもなかった・・・といわれますが、実際その時代を経験した人たちからすれば、うますぎる話とは思っていたけれど止められなかったというのが、本当のところかもしれません。

だからこそ、ドラッカーのこの言葉が重く感じられます。

「乱気流の時代にあっては、経営管理者にとって最大の責任は、自らの組織の生存を確実にすることである。組織の構造を健全かつ堅個にし、打撃に絶えられるようにすることである。そして急激な変化に適応し、機会をとらえることである」

先日、私はIT関係で起業する若い経営者たちと話す機会がありました。たしかにITバブルははじけたとはいえ、まだまだ成功する確率は高いジャンル。そうした業界で働く人とたちこそ、この本を読んでほしいと思ったものです。

考えてみれば、ギリシャの財政破綻をはじめとして、世界的な不況が続く現代もまた、けっして平穏無事な時代とはいえません。過去の話だと思わずに、今こそこの『乱気流の時代の経営』を読み直すときではないでしょうか。

あらゆる製品・サービス、ビジネスモデルについて、「まだ手掛けていないと仮定して、その後明らかになった新しい知見をもってしても、手をつけることが得策と考えるか」という問いを数年ごとに投げかけなければなりません。これはいつの時代にも共通する大切な問いです。

私は、もし自分が少しでも成長していると思うなら、ドラッカーの著作は一度読んだからもう読まないというのではなく、何度でも読み返すべきだと思います。なぜなら、読み返すたびに違うものが見えるからです。

予想もしなかったつながりを見つけることもあれば、まったく新しいことを知らされることもあります。再びその一冊を本棚から取り出すだけでいいのです。お金は一円だって必要ないのですから、こんなに安いものはありません。よく冗談で、ドラッカーの本には他の本の何百倍もの値段をつけてほしいといっているほど、私はその効果を実感しています。

自分はまったく成長していないというのであれば、残念ながら読み返す必要はないかもしれません。同じように残念なのは、何度読み返しても同じ場所しか目に留まらないこと。なぜなら、それは成長できていない証拠だからです。『P.F.ドラッカー完全ブックガイド』より

※この情報は『ドラッカー入門 新版』p.281~の「ドラッカー年譜」をもとに制作しています。より深い背景の理解には同書をお薦めします。

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五月女 圭司

『人生を変えるドラッカー』を読んで「人生は変えられるよ!」と、神さまの声が聞こえた気がした56歳会社員。己と向きあうには師匠がいる。私の師匠はドラッカー教授の「ことば」(お逢いしたことはありませんが…)。個人も組織も「地域貢献」が人生のテーマ。私のミッションは「人」と「ドラッカー」と「音楽」をつないで笑顔が絶えない社会を創るために日々まい進すること。

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