~もし教師がドラッカーの本を読んだら~第2回             「何によって憶えられたいですか?」その2


「何によって憶えられたいですか?」      SAKURAI

                          

                        

 放課後の保健室。

もうすぐ15歳の誕生日だと話している、3人の3年生に、問いかけます。。 

「あなたは、何によって憶えられたいですか?」と..

 

『マネジメントの父と呼ばれたドラッカーが、13歳の時のお話です。先生がクラスで「何によって憶えられたいかね?」と聞きました。誰も答えられなかったそうです。すると先生は、「答えられると思って聞いたわけではない。でも50歳になって答えられなければ、それは人生を無駄に過ごしたことになるよ。」と言いました。』

このように話をしていくと、3人の目は真剣に聞いています。

さらに私は話しを進めます。

長い年月が経って、60年ぶりの同窓会.....

『あまりに久しぶりのため、最初は会話がぎこちなかったそうですが、すると1人が「先生の問いのことを憶えているか?」と言いました。みんな憶えていたそうです。ある人は40代になるまで、意味がわからなかったそうですが、その後、この問いかけのおかげで人生が変わったそうです。25歳ぐらいになってから、考え始めたという人も何人かいたそうです。』

そこまで話をすると、1人の生徒・A子さんの目から涙が溢れていました。

「ん・・・?どうしたの?」

A子さん「だって・・・ 心で感動したんだもん!!」

「どのあたりに?」

A子さん「60年ぶりの同窓会で、みんながその言葉を憶えていたこと!」

B子さん「答えを焦らせないところ。急がされたら逆にだめだなァ~」

A子さん「うん。人生の事だし、長い時間かけてね~。」

うなづくC子さん

B子さん「いつも頑張っている人として憶えられたい!」

A子さん「保育士になってからかな~?」

そばで黙って聞いているC子さんの姿がありました。

 

そして翌日の昼休みのことです。10名いる保健室に、昨日感動して涙を流したA子さんが、入って来ました。

「先生!あの感動する話、みんなにもしてあげて下さい!」

と言うのです。

そこでまた、いつものように「あなたは、何によって憶えられたいですか?」の言葉入りカレンダーを見せながら問いかけます。

『ある卒業生のAくんは「つらい~と思う時、いつもこのカレンダーの言葉に、励まされました!合格がゴールではなく、通過点です。」と言い、志望校に合格したのよ。』

『他には、その頃二年生だったBくんに、この質問をしても「う~~ん。何だろう......わかんないなぁ~ 」と言っていましたが、3年生になろうとしている春休みには、

「う~ん。なんかわかんないけど、人の役に立ちたい。

そして3年の夏、部活を引退したBくんは、時々考えていたそうです。「医者になって憶えられたいです。」と言いました。進路決定時の秋には「人を助けるスポーツドクターとして憶えられたい。」と変化していました。』

みんな一斉に「へーーーッ!!!で、どこの高校行ったの?」「それは内緒です。(笑)」

彼らは今の自分の状況と、照らし合わせていたようです。

 

ドラッカーは生涯を通じて、いつもこの問い「何によって憶えられたいか?」を自らに問いかけています。この言葉は「自己成長」を促す問いです。自分自身を若干違う人間として、しかしなりうる人間として見るよう仕向けてくれる問いです。

 

運の良い人は、この問いを人生の早い時期に問いかけてもらい、一生を通じて自らに問いかけていくことができます。

もし教師が、ドラッカーの本を読んで、目の前の生徒に、ドラッカー少年13歳の時のように、この問いを使うことができたら。。。。。素晴らしい変化が期待されます。

 

「何によって憶えられたいですか?」は、明日から誰にでもできるマネジメントの言葉です。

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SAKURAI

SAKURAI

養護教諭として30年余り、小・中学校の保健室に勤務している。2010年にドラッカーの読書会に初参加し、以後教育現場での実践を展開中。養護教諭の先生方や、経営者の方々にセミナーで紹介している。現在「読書会」のファシリテーターとして実践活動中である。

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