番外編(未来への道はまだまだつづく)
『読書会ファシリテーター養成講座プレミアム』の課程を修了して
先日、2019年2月「ファシリテーター養成講座プレミアム」の認定書を頂きました。読書会ファシリテーター養成講座は、ベーシック(セルフマネジメント)、アドバンス(人と仕事のマネジメント)、プレミアム(事業のマネジメント)の各プロセスがあり、プレミアムは養成講座として最終プロセス。認定書には、「ドラッカー思想を世のため人のために伝達し、ドラッカリアンを増殖させることをミッションに益々活躍されることを期待します」と記されています。
ドラッカーのマインドを持った人たちを増やして、ひとり一人が、生き生きと働いて輝ける社会を創るという壮大なミッション。私にできる貢献は何か?
『経営者の条件』という著作と、「マネジメント読書会」という機会に、はじめて出逢った頃を思い出して、初心にかえり己のミッションを確認したいと思います。
読書会ファシリテーターという機会
「実践するマネジメント読書会🄬」に、はじめて参加したのは2012年。単身赴任先の函館で、『経営者の条件』を参加者の皆さんと1年間読み進めました。函館は私にとって、土地も、人も、仕事もはじめての経験。一人暮らしも大学生以来。頼るものが何もない…。そんな想いで数年を過ごしていた時に出逢った「読書会」という機会は、私にとってかけがいのない時間でした。大学でマネジメント工学を学んだはずなのに、現場で起こっていることは全く次元が違う。現場は常に「人」が中心。仕事も、人の心も全く動かない。全てを管理しようとしてたのかもしれません。
読書会に参加してから『経営者の条件』は、私にとって「マニュアル」になりました。マニュアルといっても辞書みたいな存在で、不思議とその時に必要な「ことば」が目に飛び込んできて気づきをくれる。読書会参加者の方々とのお話や、懇親会での会話の中にも仕事につながるヒント、アイデアがもらえる。何より楽しいし、その場所にいると元気になる。そんな存在でした。
「すべての成果は外にある」
最初に感動したことば。組織の中にあるごちゃごちゃに惑わされず、組織の外(お客さま)にフォーカスしなけば成果はない。それから少しづつ意識、行動が変わっていきました。というか、困ったら部分的に「辞書を引く」みたいな感覚で『経営者の条件』という書籍を一年間読みました。
少しづつではありますが、小さな成功が起こるのがうれしくて、毎回、読書会に参加したのを覚えています。
1クールが終わると、仕事にも変化がでて忙しくなり、「読書会」に参加できなくなってしまいました。それからしばらく「読書会」とも『経営者の条件』とも遠ざかり、職場も函館から離れ、埼玉での新しいミッションがスタート。
埼玉では、またゼロからのスタート。函館での経験以外は何も通用しませんでした。
「またか…」
そんなタイミングで、函館でお世話になった吉田麻子先生が『人生を変えるドラッカー』を出版され、東京で出版記念講演会を開催されるというので、導かれるように参加しました。
参加した講演会での「公開読書会」。函館での読書会の感覚が蘇ってきて「人生を変えるドラッカー」の主人公である東堂さん(読書会を開催している塾長)になりたいなぁ…いや、ならなければならない…と神さまから背中を押された気がして、
「東堂さんになる!」
と、決めて、その場で「ファシリテーター養成講座」へ申込をしました。
読書会ファシリテーターとして学びはじめて変わった意識
読書会の課題本である『経営者の条件』。読書会参加者としての『経営者の条件』と、ファシリテーターとしての『経営者の条件』は、私にとって、まったく違う書籍に思えました。参加者の時は、辞書のように読んで「気づき」をもらうだけでもありがたいと感じていましたし、読むたびに違う気づきがある。私にとってはすごいマニュアルなのです。しかし、ファシリテーターは、参加者の方にその「気づき」の機会を提供する立場なので、体系的に「ことば」を伝えするのがミッション。ますは、ドラッカーの年譜から…。ドラッカーの思想の源流を知るには、その歴史的な時代背景や、ドラッカーの著作、ドラッカーが影響を受けた人物や、出来事を知識として習得する必要があります。実は私は、歴史が大の苦手。苦肉の策は、娘から教えてもらった「絵に描いて覚える」でした。ファシリテーター養成講座の認定試験の一つであるドラッカー年譜は、ドラッカーの人生を51枚の絵に描いて覚えて何とか合格。
この「Dラボ」のサイトで掲載して頂いている「絵でみるドラッカーの人生」はこうして生まれました。
歴史を覚えるという自分のために描いた絵が、サイトで紹介して頂けるとは思ってもみませんでした。
貢献(なすべきこと)を考える
私が参加させて頂いてる読書会では、この「絵でみるドラッカーの人生」を1枚(1種類)づつポストカートに印刷して、参加の方にお配りしています。毎月1枚(1種類)づつ全部で51枚(51種類)。えっ?51ヶ月かかるの?(笑)
ドラッカーの人生を「絵」にして、少しでも楽しんで頂けたらという想いでお配りしています。そして、この絵を描くために手に入れた「iPad Pro」。51枚の次は?と考えていたら、先輩ファシリテーターの和光さんから、
「経営者の条件を絵にしてみたら?」
というアイデアを頂き、この「Dラボ」サイト「やってみた!絵で見る『経営者の条件』」で掲載させて頂いております。
いつか読書会の様子を「グラフィック・レコーディングしたい」という想いがあったので、そのトレーニングの意味もあり始めました。はじめてみると想像以上に時間がかかる…そんな時にも役立つのが「ドラッカーの時間管理」です(笑)
その時、読書会参加者の方々へお伝えするために、とやっている様々なことは、結局、己のためになっていることに気がつきました。
未来への道はまだまだつづく
ドラッカーの学びを通して「未来を描く」。
読書会という機会にはじめて出逢った時は、こんなことを考えるとは想像もしていませんでした。
組織が成果をあげられないならば、個人もありえず、自己実現を可能とする社会もありえない。
マネジメントはそのための道具。私が『人生を変えるドラッカー』を読んで「東堂さんになりたい」と思ったのも、ドラッカーの本質が「人」にフォーカスしているからかも知れません。
読書会に参加される方々とお話しをすると、なぜ?元気になるんだろう?と、ずっと考えていました。
自分自身が、参加者からファシリテーターになって改めて考えてみると、ドラッカーを学ぶ方とは「価値観が合う」からではないかと強く感じます。理屈ではなく、知覚する感覚は、音楽の感じ方と似ています。
そしてファシリテーターの皆さん同志でお話しをすると、その感覚が更に強くなる。それは、ドラッカーが「世のため人のために本質を見出した」からだと思うのです。個人の存在は、社会の中で「自分は必要とされている。役に立っている」と感じられるときにこそ生かされる。人が幸せを感じるのもその瞬間ではないでしょうか?
ドラッカーを学ぶ人たちと「生きている」を実感する。そのために、マネジメントを道具として使い実践する。
「実践するマネジメント読書会🄬」は、そんな場所になったらいいなぁ…という想いで、これからもファシリテーターとして関わらせて頂きます。これからもどうぞよろしくお願い致します。
定年まであと3年。けど、人生100年時代は、後半戦が楽しいのだ!
私は必ず、
「東堂さんになります!」
(つづく)
五月女 圭司
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