読書会の別の楽しみ方ーある女性ドラッカリアン誕生のお話


   私はふだん「実践するマネジメント読書会®」東京八重洲読書会(以下「読書会」)に参加しているので、首都圏のファシリテーター(以下「FT」)や読書会参加者の人ぐらいとしか接点がありません。

  しかし、読書会の良さはさまざまな機会で全国各地のFTや参加者と出会うことができることです。

 代表的なのは毎年春に東京、秋に地方(ちなみに昨年は金沢市、今年は長崎県壱岐市)で開催されるドラッカー学会主催の大会、また一般社団法人実マネ読書会ファシリテーター機構が年2回開催する「読書会サミット(至近開催は4月20日長野県伊那市)」です。これらの集まりには普段会えない全国各地のFTや読書会参加者と「ドラッカー」という共通言語での楽しいひとときを過ごすことができます。

しかし、こうしたイベント以外にも「読書会仲間が全国にたくさんいて楽しいな」と思うことがあります。今回はそんな読書会の別の楽しみを先日あったことを通じて紹介したいと思います。

〇家族旅行とFT

 私は年に数回、妻と全国各地を旅行しています。私自身、全国に会社の事業所があることと、旅行が好きで47都道府県全てを訪れているので、ふだんは自分で調べて基本プランをつくるのですが、FTがいる土地を訪れる場合にはFTさんに情報を聞いたり、時には直接会ったりします。妻は現役保育士で人と会うこと自体は好きなのですが、初対面の人と会う時は緊張してしまい、疲れてしまう人間なので、いつもは情報だけもらうケースが多いのです。

 実は2月初旬に週末、妻と青森に温泉旅行に行きました。計画を立てている時に頭に思い浮かんだのは青森市在住のFT仲間の瀬川智美子さんでした。私自身も20年ほど前に青森勤務をしていたのである程度青森の事は知っているつもりですが、ここはやはり、元伝説のバスガイドだった瀬川さんにお手伝いいただけないかなと思って連絡をとりました。そうしたところ、私の予定プランを踏まえた上で瀬川さんから関連する観光パンフレットを送っていただいたほか、1日目(土曜日)を丸1日空けておきますねという温かい連絡をいただき、私はうれしく思いましたが、家内は「ドラッカーの学び仲間だけついうつながりだけでそこまでしてくれるのは申し訳ない」と旅行に行く前に語っていました。

(瀬川智美子さん)

〇瀬川さんと青森での1日

 そして旅行初日、始発の東北新幹線で出発し、新青森駅で瀬川さんと会いました。瀬川さんに温かく迎えられて妻はちょっと緊張感がほぐれたようでした。そして若干歩いて駐車場に行くと、何と瀬川さんのご主人が運転席にいらっしゃり、私もびっくりしました。八甲田山の樹氷見学、昭和の雰囲気漂うラーメン屋さんでの煮干ラーメンの昼食、車中での瀬川さんの「これぞ、名ガイドさん!」という観光ガイド等、普通の旅行では味わえない質量ともに充実した1日を過ごしました。

 

〇車中でのドラッカー会話

 その後、この日のハイライトが訪れました。私たち夫妻は弘前市郊外の温泉(青森市から約50キロ)に宿泊する予定になっていて、当初は列車と路線バスを乗り継いで宿に行く予定でした。ところが昼食時に瀬川さんから「夕方、宿まで車で送りますね。こんな機会でもないとなかなか行かないので。主人ともそう前もって話していたのですよ。」と言われ、ご厚意に甘える事にしました。

 青森から約1時間半の車中、さまざまな話をしましたが、家内が「瀬川さん、ドラッカーを勉強されていてすごいですね。」とぽつっと話をしたところ、瀬川さんから次のような熱い言葉が出てきました。 「なおさん(私の妻は「尚美(なおみ)」というので、その日、瀬川さんは終日、妻のことをそう呼んでいました。)ドラッカーを学んでいて本当に楽しいです。別にドラッカーでなくても、活き活きと生きていけるヒントが見つかれば何でもよかったのかもしれないけど、私の場合には吉田麻子先生を通じてドラッカーさんのことを知って、いろいろと輝くためのヒントをいただいた。それで、青森の多くの人にも知って欲しいなという思いで、青森で読書会を始めたのです。ビジネスパーソンだけではなく、主婦の方、中には全盲の方(FTの角田まき子さん)もいて、みんな毎回、目を輝かせていて、その後、自分なりに生かしているようですよ。なおさん、今日1日付き合ってきて優しそうな笑顔で私たちの話を聞いていたので、きっとドラッカーの学び仲間になれる。だって、ドラッカーさんって『コミュニケーションの基本は聞け、話すな』ですもの。なおさん、保育士さんをされているので、ドラッカーさんを知ると仕事でももっと、いきいきとすると思うな。」

 もうひとこと付け加えました。「ドラッカー仲間は初めて会う人でも昔から知り合いだったような感じになれる不思議な魅力があるんです。5月に東京でドラッカー学会というのがあり、全国からいろいろな仲間が来ます。私も参加予定なので、なおさんも八谷さんと一緒に参加しませんか。」その時の瀬川さんの言葉に妻も心をうたれたようで「瀬川さんって本当に素敵な人だね。すっかりファンになっちゃった。」と温泉宿で夕食を食べている時に熱く語っていました。

    (私と妻)

ついに決断の時が

 先日、5月11日(土)に東京都内で開催の「NSF(ネクスト・ソサエティ・フォーラム)2019」の開催案内が届きました。テーマが「教育革命と知識社会」という事で現役保育士である家内も内容的に興味を持つのではないかと思い、ドラッカー学会からの詳細案内を彼女に見せました。内容に興味はありげでしたが「知らない人ばかりだし、どうしようかな」と言う妻へ私は殺し文句を出しました。

「瀬川さんや去年の9月に長崎旅行した際にお世話になった鬼塚さん(長崎在住のFT)ご夫妻もいるし大丈夫。あと、佐藤等先生にも会えるよ。」

まだ、妻は正式に参加申込をしていませんが、彼女の手帳の5月11日の欄にはしっかりと「ドラッカー学会」の文字が書かれていました。1人の女性ドラッカリアンの誕生した瞬間でした。

 

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八谷 俊雄

八谷 俊雄

1966(昭和41)年、札幌市生まれ。北海道大学卒業後、現在も勤務している某エネルギー会社に入社。地方機関(札幌・青森・名古屋)、本社(東京)各部署、出向で様々な業務を経験。2008(平成20)年春から開催されている東京での「実践するマネジメント読書会」に参加。仕事・学び(ドラッカー等)・プロボノ(東北社会起業家支援)・同窓会(高校・大学・大学院)活動の「四刀流」の傍ら、趣味である旅行(国内はプライベート・出張等で国内は47都道府県全て、海外は約30か国を訪問)を旭川市出身の妻と楽しむ。

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