皆さんこんにちは!
今週も『人生を変えるドラッカー』の内容を使って、ドラッカー『経営者の条件』の成果をあげる5つの能力を解説していきますね!今週も「最も重要なことに集中する」です!
主人公の一人、堀川徹と共に集中について学んでいきましょう!
どうぞよろしくお願いいたします☆
成果をあげられない人のほうが多くの時間働いている。(『経営者の条件』p141)
堀川徹は『経営者の条件』第四章『最も重要なことに集中せよ』の読書会で頭を抱えていました。
「さて、堀川さん、カフェプレミアンにとって、成果って何ですか?」
東堂先生にそう問いかけられた徹。ここから徹の集中への道が始まります!
以下、引用を読んでいきましょう!
これこそ大きな廃棄対象ではないか!
以下引用です。(一部省略や追加をしています)
「さて堀川さん、カフェプレミアンにとって、成果って何ですか?」、東堂が訊ねた。
「うちの成果は、お客さんにいい読書をしてもらうこと、です」
徹は自社の求める成果を即答できるようになっていた。
「ほう、なるほど。いいですね、シンプルに明文化しましたね。では、その成果のためにカフェプレミアンさんは行動していますか?」
徹は言葉に詰まった。成果を即答できるようにはなったけれど、行動に移してはいない。時間管理はしたけれど、得られた時間で、成果のための行動をしていない。
「それでは、カフェプレミアンさんのみなさんの行動を、その成果に集中してみてはどうでしょうか。成果につながらない活動を、整理してはどうでしょうか。ほら、時間管理のときと同じです」
(ああ、そうだ、捨てるか、他人に任せるか、だったな……)
またも難題に突き当たり、徹は空を見つめた。
※著者よりコメント~この読書会以来、徹は成果のために集中するにはどうしたらいいか、何かやめることができる活動はないか、と考えるようになります。カフェの経営はあまりうまくいっておらず、今月も自分の給料を出せません。なんとかここで手を打たなければ、と悶々としているある日、カフェプレミアンに一人の来客がありました。
ここからまた引用です。
その日はずっと客入りがよく、切れ目ができたのは午後四時を回ってからだった。ひたすらカウンターでドリップ作業をしていた徹は、思いきり伸びをした。
すると、ドアが開いて一人の男性が入ってきた。「いらっしゃいませ」と顔を向けると、数日前に飛び込み営業に来たコーヒーメーカーの営業マンだった。そういえば、ちょうど忙しい時間だったので資料だけ受け取り、あとで検討すると言って帰したんだっけ。
今日はむげに帰すわけにも行かず、営業マンを二階のオフィスに案内した。
「弊社のマシンの導入はご検討いただけましたでしょうか」
「いやあすみません、二度も来ていただいて。資料を拝見したのですが、やっぱりハンドドリップで行くことにしました」、徹が答えた。
「ですが、弊社のマシンはどなたでも簡単に操作できるのです。オーナー様だけがコーヒーを淹れるとなると、混雑時にお客様をお待たせしてしまうことにもなります。また、他の方がコーヒーを淹れられるようになれば、オーナー様のお時間にも余裕ができます」
「せっかくなんですが、うちはドリップにこだわりたいんです。すいませんね」
こういう飛び込み営業も、曖昧な返事をしないでその場で決断したほうがいい、と徹は思った。自分だけでなく、相手の時間をも奪うことになるからだ。時間管理を始めてから、そういうことも理解できるようになっていた。
※著者よりコメント~徹が営業マンを送って階下へ降りると妻の礼美が来ていて、スタッフのりょうと盛り上がっていました。大人しいりょうが盛り上がって話しているのを見て徹は驚きました。そこで三人で重要な会話をするのです。
いつも無口なりょうが徹と礼美の会話に入ってきた。
「いま、僕が徹さんと出会ったときの話をするところだったんです。礼美さんに、どうしてここで働くことにしたのかって聞かれて」
徹ははっとした。そういえばりょうの入店動機について、改めて訊いたことはなかった。自分のことを慕ってバイトに来てくれている、というぐらいの認識でいた。
りょうは礼美に向き直り、せきを切ったように話し始めた。
「そもそもの出会いは、徹さん主宰の読書会でした。徹さんのああだこうだが最高に面白くて。特に太宰の話になると……」
「俺一人でしゃべりまくってたよな。わはは」
微笑みながら二人の話を聞いていた礼美が、ふと思いついたように言った。
「やればいいじゃない。その、ああだこうだをたっぷり話す読書会。カフェプレミアンで」
りょうの目が輝いたが、徹は困った顔をして首を振った。
「やりたいけど……時間がないよ」、そう答えながら、(いや、待てよ)と思いとどまった。
――カフェプレミアンさんのみなさんの行動を、その成果に集中してみてはどうでしょうか。成果につながらない活動を、整理してはどうでしょうか。
徹は読書会のやりとりを思い出していた。
「礼美の言う通り、読書会ができれば、店のコンセプトも明確になるし、店の成果に直結するはずだ。だけど、何か捨てられる仕事、あったっけな……」
ふと、徹の脳裏にさっきのコーヒーメーカーの営業マンの言葉が響いた。
――他の方がコーヒーを淹れられるようになれば、オーナー様のお時間にも余裕ができます。
これこそ、大きな廃棄対象ではないか。徹の胸は高鳴った。
引用を終わります。
礼美がりょうに質問をしたことがきっかけで、重要な会話が始まりました。
徹は成果を明文化できるようになりましたが、そのための行動をまだしていません。
時間がないからです。
成果に向かって活動を集中するためには、成果に関係ない活動を廃棄することが必要でうs。
つまり、取り組むべきでない仕事の決定が必要です。
本当に行うべきことは優先順位の決定ではない。優先順位の決定は比較的容易である。集中できる者があまりに少ないのは、劣後順位の決定、すなわち取り組むべきでない仕事の決定とその決定の遵守が至難だからである。(『経営者の条件』p149)
なにを廃棄するか!
重要な問いです。
徹には大きな廃棄対象が見つかったようです。
さあ、いよいよ廃棄への道が始まります。
徹はどんなアクションをしていったのでしょうか!!!
お楽しみに!
お読みくださりありがとうございました☆




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