フリーランスで働くあなたに読んでほしい。バスガイドせがわとみこのマネジメント実践報告  ~桜が咲くとトミコ咲く


ドラッカーを学びセルフマネジメントの能力を身につけイキイキ働きワクワク生きるフリーランスバスガイドせがわとみこでございます。過去の「フリーランスで働くあなたに読んでほしい」シリーズは以下から。

バスガイドせがわとみこがお伝えするマネジメントという道具を携え働く喜び。
バスガイドの現場でドラッカーさんのことば「成果は外にある」を徹底的に使っているせがわとみこの実践報告(前編)
バスガイドの現場でドラッカーさんのことば「成果は外にある」を徹底的に使っているせがわとみこの実践報告(後編)

水墨画のように物悲しくもおごそかな冬が過ぎ、色とりどりの花が春の風に吹かれ、たおやかに揺れる。北国に春がやってくると観光シーズン到来です。四月からの私はバスガイドとしてマイクを握る日が多くなります。

桜が咲くとトミコ咲く(笑)

私はいろんな会社のバスに乗ります。同じ会社の同じドライバーさんと組むこともありますが初めて組む方もいらっしゃいます。出勤したときは「お初にお目にかかります。せがわとみこです。よろしくお願いします」と挨拶を交わしますが、配車場所に移動するまでにはスイッチを切り替えます。お客様へ挨拶するときは「本日は、わたくしども〇〇観光バスをご利用くださいましてありがとうございます。この車のドライバーは△△、わたくしはせがわとみこでございます」となります。お客様と出会った瞬間から、その組織(バス会社)の一員としての責任を担います。「責任」といってもネガティブな意味ではありません。「背筋を伸ばし喜んで担う責任」です。ドラッカーを学んでから責任に対するとらえ方がいいあんばいに変わったのはうれしい効果です。

肩書や地位がいかに高くとも、権限に焦点を合わせる者は自らが単に誰かの部下であることを告白しているにすぎない。これに対し、いかに若い新入りであろうと、貢献に焦点を合わせ成果に責任をもつ者は、最も厳格な意味においてトップマネジメントの一員である。組織全体の業績に責任をもとうとしているからである。『経営者の条件』

誰かと何かをやろうと集まったらそれはもうチームだと思っています。1+1=2ではなく、ひとりではできないことができるようになる。相乗効果はチームで働く醍醐味です。貢献に焦点を合わせそれぞれの強みを生かし(①)、共通のミッション(②)のもと、ゴール(③)を目指すという責任をともに担うチームです。ドラッカーを学ぶようになってからの私は仕事をするときこの①~③を意識するようになりました。例えそれが日帰りバスツアーであっても、三泊四日のバスツアーであっても、取り組む姿勢は同じです。これらを意識して働くことが私にとっての「心をこめたおもてなし」であり、「イキイキ働きワクワク生きる」にもつながっています。

③ゴール
お客様とのお別れのその瞬間を気持ちよく迎えること

②共通のミッション
ドライバーとバスガイドの共通のミッションは、シンプルです。
・安全であること ・楽しんでいただくこと ・満足していただくこと

①それぞれの強みを生かす
ドライバーがドライバーの仕事に、バスガイドがバスガイドの仕事に集中できる。そういう仕事ができたときは、ほんとうにうれしいです。「いいチームでいい仕事ができた!」という喜びです。

例えば以下のようなことが当たり前のように流れていくとき、うれしい相乗効果が起きていることを感じます。

※   ※   ※

みちのくの桜の名所をめぐる二泊三日のバスツアー。天気予報によると降水確率0%。窓の外に見えるのは青空の下に続く桜並木。昨日までツボミだったのではないかと思うくらいの儚げな、ポツリポツリと咲き始めたばかりの桜。満開を期待して参加しているお客様たちにとっては少しもの足りない咲き具合です。バスガイドは「ない」にとらわれそうになっているお客様の気持ちを表情から汲み取り「ある」に向けることばを選んだ案内をしています。乗り心地のいいバスのなか、ガイドの発することばがきっかけとなったのでしょうか。降水確率0%という恵まれたお天気のなかで旅ができる喜び、咲き始めたばかりの桜から飛んでくるハツラツとした勢いのあるエネルギー。いまこの瞬間だからこそ味わえる幸せにお客様たちは気がつきはじめたようです。皆さんの目が輝きだしてきました。そのときです。バスガイドだけに聞こえる声で「河原のほうは見ごろだから」とささやくドライバー。次の目的地までの最短コースとは違う交差点を右折しました。バスガイドはその意味を察知して案内に反映します。日当たりの関係で早く咲いた桜の並木が窓の向こうに見えてきました。「この道を通ることで次の目的地への到着は3~4分遅くなりますが、まさにいま見ごろのこの景色をご覧いただきたく、この道を通りました。皆さまどうぞお楽しみください!」とたんに沸き立つ車内です。思いもかけないお得さは、どなたにとってもうれしいことなのかもしれません…。

※  ※  ※

ちょっとした何気ないことのようですが実はドライバー、時間をしっかり計算しています。「回り道をしても到着予定時刻に間に合う」と判断したうえでその道を選んでいるのです。これ以外にもいろいろと、あまりにも気持ちよく案内ができる運転をしてくださるのがうれしくて、そのドライバーさんには何か秘訣があるのではないかと思い休憩時間に聞いてみました。すると「私はできるだけガイドさんの案内に合わせられるような運転をしようと心がけています。そのためにガイドさんたちのお話には耳を傾けるようにしています。運転手になりたての頃、観光バスの運転手はそういうことが大事なのだと先輩に教えてもらいました」と教えていただきました。だからこそ、こういう臨機応変もさり気なくできるのですね、格好いい~!!

プロフェッショナルなドライバーさんたちの縁の下の力持ちがあるおかげで私たちバスガイドのパフォーマンスはあがります!

 

ちなみに。
「ない」にとらわれそうになる人の気持ちを「ある」に向けるというのは私にとっての「価値への取り組み」のひとつです。

ちなみにちなみに。
旅というのは毎日晴れの日ばかりではありません。お天気はコントロールできない自然現象。三日間の旅が三日間とも雨に見舞われることだって往々にしてあることです。そんなときウデが鳴る鳴るホトトギス。「せっかくの旅行なのに毎日雨なんて…」下がりそうになるお客様の気持ちを「ある」に向け「来てよかった」と思っていただける旅を演出するためにフリーランスバスガイドせがわとみこはどのような工夫をしているのか…。

そのあたりについてのあんなこんなは、また次の機会にね。えへ!

ちなみにちなみにちなみに。
「価値への取り組み」は私のなかで ~最近のブーム~ なのであります…笑

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瀬川 智美子

瀬川 智美子

(せがわとみこ)青森県十和田市出身、青森市在住。実践するマネジメント読書会ファシリテーターとして青森・仙台の読書会を担当、ときどきバスガイド。地元のバス会社で観光バスガイドを12年勤めたのち、夫の転勤に伴い仙台・名古屋・札幌で暮らす。都会の街で出会った学び、そして同じ学びを通し絆を深め合えた仲間たちとの関わりのなかで「おとなになって学ぶこと」の楽しさに目覚める。人の成長に欠かせない継続的で上質な学びの場を(都心へ行かずとも)地方で受けられる環境を整えて、そこに集まってくださる方々に笑顔の花が咲くのを見るのが究極の喜び。「東北地方にドラッカー思想を広めイキイキ働きワクワク生きる人を増やす」を旗印に勇往邁進することをここに誓います。フリーのガイドとして観光バスに乗る時は「また来たくなる東北」をミッションにドラッカーのマネジメントをバスガイドの現場で実践する全国唯一(?)のドラッカリアンなバスガイド。

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