利益に関する原理が続いています。
<原理13>
<原理14>
<原理15>
<原理16>
今日も利益に関するものです。
利益は付加価値の一項目である<原理17>
経営を行っていると利益にばかり目が行きがちですが、経営力を示す指標として重要なものが付加価値です。付加価値とは、どんなものでしょうか?
一定期間に付加された価値はいくらか…この数値は以下の原理と関係しています。復習です。
<マネジメントの原理8>
事業の定義
・事業はプロセスである
・事業というプロセスに知識を投入する
・事業というプロセスから経済価値(顧客価値)を生み出す
顧客価値と付加価値は同じである
付加価値は、事業というプロセスから生み出された価値ということになります。顧客価値の別名です。その意味では、利益より重要な数値であるとも言えます。事業というプロセスの中で徐々に「付加された価値」を示し、いわば事業の実力を示す数値だからです。
その源泉は知識であることも明白です。他社とは異なる価値を顧客にとどけるためには、差別化、独自化をしなければなりませんが、その源泉は知識です。ドラッカー・マネジメントでは知識の本性は能力であると位置づけています。情報を仕事や成果に結びつけたとき、情報ははじめて知識に転化されます。
<マネジメントの原理18>
知識とは、情報を仕事や成果に結びつける能力である
付加価値を大きくする経営を付加価値経営と呼ぶことがあります。付加価値を高めるためには原理の8を意識しておく必要があります。つまりインプットである知識、アウトプットである顧客価値、それを結ぶプロセスの3点です。
ちなみに付加価値を求める計算式は以下のようになります。
【控除方式】付加価値 = 売上高 ― 外部購入価値
※外部購入価値:材料費、購入部品費、仕入商品、水道光熱費、運送費、外注加工費、業務委託費など
【加算方式】付加価値 = 当期純利益 + 人件費 + 賃借料+ 減価償却費 + 金融費用 + 租税公課
【加算方式】の式をみると利益が付加価値の構成項目の一つであることがわかります。利益も重要ですが、より付加価値額が重要だという意味が解ります。
しかし計算式の要素だけみてもプロセスも知識も顧客価値も分りません。付加価値を分析するとは単に計算することではなく、知識や顧客価値、プロセスそのものにアプローチして行くことです。そのためには事業ごとにプロセスの巧拙がわかる数値が必要です。その数値を参考に、事業ごとに顧客にとっての価値は何か?蓄積すべき知識は何か?生産的なプロセスとは何か?を問わなければなりません。一度、じっくり付加価値に目を向けてみましょう。
原理によるマネジメントが必要な理由
第1回目は、原理がマネジメントにいかに必要かについて触れています。<方法ではな<原理を手にすること>の大切さについては何度も確認して欲しいと思います。
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