好きなことを仕事にするには?難しい理由・実現に必要なことを解説。

好きなことを仕事にするには?難しい理由・実現に必要なことを解説。

「好きなことを仕事にしたい」と考える人は多いのではないでしょうか。しかし、現実はそう簡単ではありません。

一般的にはよく「好きなことを仕事にする」ことが難しいと言われています。なぜなのでしょうか。

そして本当に、好きなことを仕事にするのは難しいのでしょうか。

好きなことを仕事にしている人と、そうでない人の違いはどこにあるのでしょうか。

この記事では、一人でも多くの方が、好きなことを仕事にするためには、どのような考え方をすればいいのか追求していきます。

なぜ「好きなことを仕事にする」ことが難しいのか?

まずは世間一般的に、好きなことを仕事にするのが難しいと言われる理由について、整理してみました。

①周囲に求められていない可能性がある

そもそも仕事とは何でしょうか?

ズバリ仕事とは、「他者に貢献して、その見返りに報酬をいただくこと」です。

そして「他者に貢献する」とは、言い直すと「他者が求めていること(ニーズ)に応える」です。

  • 「喉が乾いたので渇きを潤したい」というニーズに対して、自販機がある
  • 「歩くのが面倒なので目的地まで運んでほしい」というニーズに対して、タクシーがある
  • 「会社の外側からアドバイスしてくれる存在がほしい」というニーズに対して、コンサルタントがある

自販機もタクシーもコンサルタントも、なんらかの他者のニーズに応えることで、報酬をいただいているわけですね。

いまあなたが、「テレビゲームが大好きで得意だし、これが仕事だったらいいのになあ」と考えたとしましょう。

するとただ単に、「あなたがテレビゲームが大好きで得意である」だけでは、仕事として成立するわけではないことは、もうおわかりかと思います。

ただし諦めてはなりません。あなたの「好き」が、「他者に貢献できること」であれば、仕事になる可能性がありますよ。詳しくは後述します。

②収入が安定しない

好きなことが、必ずしも収入を保証するわけではありません。

たとえば「営業が好き」は、きっと収入につながるでしょう。

しかし「絵を描くことが好き」は、果たしてどうでしょうか。

お金にはなるかもしれませんが、生活を支えるだけの収入になるかは、かなり個人差があるのではないでしょうか。

「好きなことがお金にならない」と言いたいわけではなく、何が好きかによって、収入になるかどうかの難易度が異なるわけですね。

③競争率が高い

一概には言えませんが、あなたの好きなことが、他の人々も好きなことである可能性があります。

つまり、あなたと同じく「これを仕事にしたい」と思っている人がたくさんいるということです。

よくあるのが、「イラストレーターになりたい」です。

いまの時代、WEBで仕事ができるようになったため、全国に「好きなイラストで食べていきたい」という人であふれています。

必然的に競争率が跳ね上がります。そんな中で、どう差別化し、価値を出すか。

安定した収入を得たいのであれば、マーケティングの観点で、自分自身をブランディングする必要があります。

自分の価値を打ち出すことができずに、“その他大勢”の一人になってしまって、生計を立てられず、諦めてしまう人は、けっして少なくありません。

④現実とのギャップに悩む

不足不満もなく、ストレスもなく、純粋に自分が好きなことだけを追求して生活している人は、ごくごくわずかな人たちです。

有名なアーティストを雑誌やテレビで見かけると、「この人は本当に好きなことだけやって楽しく生きているんだな」と羨ましく思うこともあるかもしれません。

しかし、そんな人たちですら、実はとてつもない葛藤や悩みを抱えているのです。

順風満帆にいっているはずのミュージシャンが、苦悩の末に、悲惨な末路を迎えてしまう例は、枚挙にいとまがありません。

「好き」は、究極の仕事のモチベーションです。これは間違いありません。

しかし「好き」であるがゆえに、仕事で直面する様々な「現実」に苦しむこともあるでしょう。

あなたの「好き」は、現実の葛藤や苦悩を受け止めてもなお、「好き」でいつづけることができるでしょうか?

好きだからこそ、普通の仕事にはない葛藤や苦悩もあることでしょう。

「好きなことを仕事にしないほうがいい」と言う人が一定数いるのも、うなずけます。

⑤周囲の理解を得られない

両親、家庭、友人、会社の仲間。好きなことを仕事にするには、周囲の理解を得ることも重要です。

とくに両親や家庭は、好きなことを仕事にするうえで、経済的・心理的な支えになります。

周囲の反対を押し切って、好きなことを追求する道もあるでしょう。

しかし、様々な苦難やトラブルを乗り越えるうえで、周囲からのサポートは欠かせません。

好きなことを理解してもらうことができず、仕事になる前に挫折してしまう人は、けっして少なくはないのです。

好きなことを仕事にするために必要なこと

それでも、好きなことを仕事にしたいという気持ちがあるなら、以下のことを考えてみましょう。

①「なぜいま好きなことを仕事にしたいのか」と動機を探る

そもそもあなたはなぜ、好きなことを仕事にしたいと考えるようになったのでしょうか。

動機を言語化することは、好きなことを仕事にするための「STEPゼロ」のようなものです。

たとえば、

  • いまの仕事に不満がある
  • いまの仕事に飽きてきた
  • いまの仕事にやりがいを感じない
  • 今後のキャリアに期待できない
  • 自分らしく働ける仕事を見つけたい
  • 職場の人間関係がうまくいっていない
  • 忘れていた夢を思い出した
  • 好きな仕事が見つからない

など、理由は人によって様々だと思います。

好きなことを仕事にしたいと考えるようになったきっかけを探っていけば、実はそのきっかけとなった出来事や問題を解決することで、

あなたの真の悩みを解消し、結果的に「好きなことを仕事にする必要はないのかもしれない」と考え方が変わるかもしれません。

「好きなことを仕事にしたい」という欲求が、現状に対する不満のあらわれだと考えてみると、視野が広がるかもしれませんよ。

②「何をするのが好き」なのかを見つける

動機が明確になり、それをふまえたうえで好きなことを仕事にしたいと思うのなら、

次にやるべきことは、どんな「DO」(ドゥー:する)が好きなのかを見つけることです。

コトやモノの「好き」だけでは、あなたの本当の「好き」を見つけ出すことはできません。

たとえばテレビゲームが好きな人は、実はテレビゲームそれ自体が好きなのではなく、

テレビゲームを通じて何らかの行為をして、そこから得られる充実感に「好き」を感じているのです。

たとえばテレビゲームが好きな人を深堀りしていくと、

  • ゼロからスキルを身につけて成長過程を実感するのが好き(➡成長を実感するのが好き)
  • 自分で戦略をたてて難しいステージを攻略するのが好き(➡戦略をたてて成果を出すのが好き)
  • オンライン対戦で上位ランカーになるのが好き(➡トップを目指すのが好き)

といった、様々な「~するのが好き」を発見できます。それはあなたの性格であり、資質であり、強みでもあります。

実はそこにこそ、あなたの本当の「好き」を見つけるヒントがあります。

だからテレビゲームが好きな人は、テレビゲームが好きな理由を掘り下げていくと、あなたの資質を生かした、やりがいのある仕事を見つけることができます。

ぜひ「~するのが好き」という動詞の表現にかえて、考えてみてください。

③好きなことを仕事にするメリット・デメリットを明確にする

①②をふまえたうえで、それでも好きなことを仕事にしたいという情熱があるのなら、

次に考えるべきことは、好きなことを仕事にしたときのメリット・デメリットを客観視することです。

好きなことを仕事にすると、収入の不安定さや競争の激化など、デメリットもあります。

メリットだけでなく、デメリットも冷静に受け止め、自分にとってのメリットがデメリットを上回るかどうかを判断しましょう。

とくに長期的な目線で人生設計をイメージすると、いまの自分を冷静に見つめ直すことができるはずです。

④何を仕事にすれば「好きなこと」を生かせるかを考える

「何をするのが好きか」が明確になれば、それを生かせる仕事のイメージも浮かびやすくなってくるはずです。

自分で探すのが不安なら、転職エージェントに相談するのもよいでしょう。

親身に話を聞いてくれますし、「何をするのが好きか」を伝えれば、客観的な視点で仕事を紹介してくれるはずです。

その他にも、最近ではキャリア支援のカウンセラーやコーチングが充実していますから、積極的に活用してみてください。

⑤具体的な計画を立てる

ここまできたら、いよいよ具体的にアクションプランを計画する段階です。

漠然とした目標ではなく、具体的な計画を立てましょう。

たとえば、

  • いつまでに現在の仕事を辞めるか
  • 好きなことを仕事にするために必要なことは何か
  • 目標とする収入はどれくらいか
  • 収入源をいくつか持っておいたほうがいいか
  • うまくいかなかったときはどうするか
  • 見切りをつけるタイミングはいつ頃にするか

は、明確にしておいたほうがいいですね。

とくに、「うまくいかなかったときはどうするか」「見切りをつけるタイミングはいつ頃にするか」は重要です。

あまり前向きな内容ではありませんが、ここをキッチリ決めておくと、リスクヘッジを想定して行動できるので、心理的に楽になります。

⑥スキルアップを続ける(リスキリング)

好きなことを仕事にできるようになった後のことも、しっかり想定しておきましょう。

現代はとてつもないスピードで技術が発展しています。

たとえばITやAIの技術は、ほぼ間違いなく、あなたの分野にも影響を及ぼしているはずです。

イラストレーターが、絵のスキルを磨くのは、ある意味で当然のことです。

しかしそれ以上に、技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶことを怠ってはなりません。

好きなことを仕事にしないほうがいい人の特徴

以上のことをふまえて、「こういう考え方をしているなら、好きなことを仕事にしないほうが幸せかもしれない」「おそらく苦労が多くて大変な目にあうだろう」という場合をご紹介します。

①「仕事で誰の役に立つのか」が曖昧

しばしば「好きなことはあくまで趣味の範囲であって、仕事は別だよ」と言う人がいます。

戒めのある言葉です。

しかし「好きなことはしょせん趣味なのか」と諦める必要はありません。

ポイントは、

  • 「自分の好きなこと」を「自分の喜びのため」に行うなら➡趣味
  • 「自分の好きなこと」を「他者への貢献のため」に行うなら➡仕事

だということです。

趣味というのは、完全に自己完結の世界です。明確な成果はなく、自分のペースで続けて、飽きたらやめてもいい。

しかし仕事は、つねに自分の外の世界の変化が求められます。仕事で成果をあげたかどうかは、顧客の満足でようやくわかるのです。

あなたが好きなことを通じて、誰かの役に立ち、世の中にプラスの変化をもたらすことができたなら、それ以上に幸せなことはありません。

だからこそ、「好きなことを通じて、誰の役に立ちたいのか」を、しっかり考えてください。

もしもそれが不明瞭なら、単なる趣味に終わってしまいます。おそらく仕事として成果をあげることはできないでしょう。

②目的が「お金」

意外に見落とされがちですが、好きなことを仕事にしたいという動機の根本が「お金」にあるなら、ちょっと考え直したほうがいいかもしれません。

なぜなら、「お金」に意識が引っ張られすぎると、自分を見失ってしまい、精神的なバランスを崩しやすくなるからです。

たとえば、YouTubeのゲーム実況者。

ゲーム実況者界隈では、チャンネルがヒットすればするほど、精神的なバランスを崩すというジレンマがあるといわれています。

チャンネル数の少なかった頃は、好きなゲームを、好きなスタイルで、好きなタイミングで配信して、のびのびと楽しくやっていた。しかし、収益化して本業にした途端、チャンネル登録者数の変化、チャンネル再生回数、コメントの内容、毎月の収益の変化に気持ちが不安定になり、やる気を失ってしまう……。

こんなことが、よくあるそうです。

「儲けるためにやる」という発想は、本来の自分らしさが失われ、やりたくもないこと(本意ではないこと、価値観に反すること)をお金のためにやる羽目になります。

あなたが好きなことを仕事にするうえで、絶対に大事にしてほしいことがあります。

それは、「あなたの大切にしている価値観に反することをしてはならない」です。

「好き」の中にあなたの強みが隠れている!仕事と自己実現を両立させて最高の人生を送ろう

世間では「好きなことは仕事にならない」と冷ややかな考えをもつ人もいるかと思います。

しかし安心してください。

あなたの「好き」の中には、必ず、あなたの特有の資質が関わっていて、それが仕事で成果をあげる強みとなる可能性が秘められています。

これまでの内容を整理すると、ポイントは以下のようになります。

  • 好きなことを仕事にすることはできる
  • 「好き」が自己満足で終わるのは「趣味」
  • 「好き」を他者の満足に転換できれば「仕事」
  • 「~をするのが好き」に本当の強みがある

あなたが“自分らしい”と感じる瞬間は、どんなときですか?

これまでの仕事で、どんなことに喜びや充実を得ていますか?

まずはこの問いかけからはじめてみましょう!

かならず、あなたがあなたらしく働ける仕事が見つかるはずですよ。

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