起業家に向いている人とは?特徴・求められる能力・なり方を解説。

起業家に向いている人とは?特徴・求められる能力・なり方を解説。

「起業してみたいのだけれど、自分は向いているのだろうか?」

「自分はテレビでみるような起業家みたいなタイプではないので、自信がない」

「どんな人でも起業家になれるのだろうか?」

このような悩みや疑問をお持ちではありませんか?

結論からいいますと、起業にカリスマも才能も必要ありません。

最低限の観点と心構えをそなえて、起業を通じて成し遂げたいことがはっきりしていれば、誰でも起業家に向いています。

この記事では、起業家に向いている人の特徴を整理しながら、起業家に求められる「起業家精神」について説明し、起業家になるための方法を解説します。

この記事を読めば、きっと自分に自信が持てるようになるはずです。

そう、「起業」を志したその時点で、じつはあなたは、起業家としての道を進み始めているのです。

ちなみに起業家・企業家・事業家・実業家・経営者って何が違うのでしょう?

ここでは区別せず、同じ意味の言葉として考えます。

起業家に向いている人の特徴

まずは一般的に、起業家に向いている人の特徴をみてみましょう。

ただし以下に挙げるすべての特徴を持っていなければ起業家になれない、というわけではありません。起業家には、100人いれば100通りの個性があります。

①高い行動力と決断力

アイデアを形にするために、躊躇なく行動に移し、迅速な決断を下すことができます。

②強い目的意識

起業を通じて実現したい明確な目標やビジョンを持っています。

③高い学習意欲

新しい知識やスキルを積極的に学び、変化に対応することができます。

④リスクを恐れず挑戦できる精神

不確実な状況でも、新しいことに挑戦することを恐れません。

⑤高いコミュニケーション能力

様々な人々と円滑にコミュニケーションを取り、チームをまとめることができます。それゆえ広範囲な人脈を築き、ビジネスチャンスを広げることができます。

⑥柔軟な思考

変化に対応し、新しいアイデアを生み出すことができます。

⑦強い責任感

自分だけでなく、周囲の人々や会社に対して責任を持ち、行動することができます。

⑧忍耐力

目標達成のために、困難な状況でも諦めずに努力を続けることができます。

これらの特徴は、全てが当てはまる必要はありませんが、多くの起業家に共通していると言えるでしょう。

⑨課題解決能力

社会や顧客の課題を発見し、解決策を提案することができます。

⑩リーダーシップ

チームを鼓舞し、目標達成に向けて導くことができます。

⑪創造性

革新的なアイデアを生み出し、新しい市場を開拓することができます。

起業家に求められる「起業家精神」

起業家も人です。強みがあり、弱みを持っています。何らかの弱みを持っているからといって、起業するのに向いていないというわけではありません。

しかし起業家として成果をあげるには、起業家として最低限必要な能力がいくつかあります。

  • 不確実な世界のなかで意思決定を行う勇気
  • 変化を機会として利用できる柔軟性
  • イノベーションの機会に敏感になる洞察力
  • 「リスク志向」ではなく「機会志向」
  • 一発大穴を狙うのではなく、価値を創造し社会に貢献する
  • 才能やカリスマに頼るのではなく「行動」する人

これらの能力をふまえると、起業家に求められる「起業家精神」とは何なのか、みえてきます。

起業家精神(企業家精神)について体系的に論じた、ピーター・F・ドラッカーは、次のように定義しました。

企業家は変化を当然かつ健全なものにする。彼ら自身は、それらの変化を引き起こさないかもしれない。しかし、変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。これが企業家および企業家精神の定義である。

『イノベーションと企業家精神』より

「変化」を探し、対応し、機会として利用する。

これこそが、起業家として成果をあげるために必要な要素なのです。

起業家に向いていないとされる人の特徴

①リスクを極端に恐れる人

起業は不確実な要素が大きく、失敗のリスクも高いです。リスクを恐れて新しいことに挑戦できない人は、起業には向いていないかもしれません。

②安定志向が強い人

起業は安定した収入や生活を保証するものではありません。安定した環境を求める人は、起業よりも安定した職に就く方が合っているかもしれません。

③孤独を耐えられない人

起業は一人で全てを背負うことが多く、孤独を感じることがあります。周りの人に頼ることができず、孤独に耐えられない人は、起業には向いていないかもしれません。

④変化を嫌う人

ビジネス環境は常に変化しており、それに合わせて柔軟に対応していく必要があります。変化を嫌う人は、起業の厳しさに耐えられない可能性があります。

⑤目標がない人

起業には明確な目標が必要です。目標がなく、ただ何となく起業したいと考えている人は、途中で挫折してしまう可能性が高いです。まずは「ミッション」をしっかり考えましょう。

⑥責任感が弱い人

起業は、会社全体の責任を負うことになります。責任感が弱く、他人に頼りがちな人は、起業には向いていないかもしれません。

⑦新しいことを学ぶのが苦手な人

起業には常に新しい知識やスキルが必要になります。新しいことを学ぶのが苦手な人は、成長が遅れてしまう可能性があります。

⑧我慢強くない人

起業は、すぐに結果が出るものではありません。長い時間をかけて努力し続ける必要があります。我慢強くない人は、途中で挫折してしまう可能性があります。

⑨周囲の意見に振り回されやすい人

起業には、周囲の意見を聞きながらも、最終的には自分の決断で進む必要があります。周囲の意見に振り回されやすい人は、自分の考えを貫き通すことが難しいかもしれません。

これらの特徴はあくまで一例です。

重要なのは、ご自身の性格や価値観と照らし合わせて、起業に向いているかどうかを判断することです。

起業に向いているかどうかわからない場合は、以下のことを試してみてください。

  • 起業家に関する本を読む
  • 起業家の話を直接聞く
  • 起業に関するセミナーに参加する
  • 小さなビジネスで起業してみる

起業以外の選択肢も検討しよう

起業じたいが目的になっていると、道に迷いやすくなります。

起業という経験は、もちろん価値のあることですから、果敢にチャレンジすることは、間違いではないかもしれません。

しかしいまの段階で、起業しようか迷っている方は、一度冷静になって、何のために起業するのかを問い直してみるとよいでしょう。

あなたが本当に果たしたい夢や目的は、起業でしか叶えることができないのでしょうか?

起業家のなり方

起業をするにあたって、これから何をしていかなければならないか?

①世の中から「問題」を発見する

「自分のやりたいこと」から起業をスタートしてしまうと、独りよがりになってしまう可能性があります。あくまでもマーケティング目線に立つことが肝要です。

つまり、世の中(≒顧客)が求めているニーズは何なのかを見つける必要があります。

ニーズを発見するヒントは、世の中で解決できていない「問題」です。

まずは世の中にアンテナを張って、問題を発見しましょう。

②「問題」を「課題」にする

世の中の未解決の問題をみつけたら、どうすれば解決できるかを考えましょう。それが「課題」となります。

その課題こそ、あなたの事業が提供する商品・サービスのヒントとなります。

③事業のミッション(使命)を決める

何のために事業を行うのか?世の中にどんな貢献をしたいのか?

その問いかけこそ、事業のミッション(使命)を方向付ける問いとなります。

④顧客は誰かを決める

あなたが事業で貢献したい顧客を、明確にしましょう。ミッションと密接に関わっています。

⑤事業の成果を定義する

事業の成果は、「利益」で決まるわけではありません。

事業の成果は、“外の世界の変化”で決まります。

変化を起こすことができなければ、貢献したことにならないからです。

ここでいう外の世界の変化は、「顧客の変化」と捉えてもよいでしょう。

顧客にどんな変化をもたらせば、あなたの事業は成果をあげたといえるでしょうか。

ぜひ考えてみてください。

⑥事業の計画を決める

計画はあくまで“意図”であって、完全なプランではありません。

状況に応じて柔軟に修正する必要があります。

とはいえ、計画はあらかじめきっちり決めておきましょう。

計画があってはじめて行動が生まれるからです。

起業家になりたい人に読んでほしいおすすめの本

①入門書の決定版!ドラッカー実践で成功した18の会社事例を徹底解説

ドラッカー学会の理事であり、ドラッカーの読書会を主催する佐藤 等 氏(公認会計士・税理士)が著者。本書はドラッカーを実践して事業が好転した中小企業の実例を解説している。ドラッカーの入門として、間違いなく必読の書だ。

②成果をあげる思考習慣を身につける一冊

『実践するドラッカー』(通称:実ドラ)は、テーマごとにドラッカーの原理原則が解説されているため、読書会でも大人気の一冊だ。とくに『思考編』は、ドラッカーの初心者にぜひ読んでほしい内容となっている。

③たった150ページの本で最高にエキサイティングな読書体験

『経営者に贈る5つの質問』は、日本語版にしてわずか150ページあまりの小冊である。しかしドラッカーが突きつけるのは、組織の存在意義を見つめなおす深遠な問いであり、ときには痛みを伴う自己評価プロセスである。

「われわれのミッションは何か?」「われわれの顧客は誰か?」「顧客にとっての価値は何か?」「われわれにとっての成果は何か?」「われわれの計画は何か?」

この5つの質問は、経営者が売り手目線でなく、100%顧客目線に立つための本質が詰まっている。事業を見つめなおしたい方、これから新しい事業を考えている方、事業の将来に不安のある方は、ぜひ手に取り、真剣にドラッカーの問いと向き合ってみてほしい。

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