絵で見るで見るドラッカーの人生【1999年】

20世紀の総括と変わらぬ日本への期待
「変化はコントロールできない。できることは、その先頭にたつことだけである。」
ドラッカーは、21世紀を前にして、あらゆるものが変わると指摘しました。マネジメントの常識、経営戦略の前提もしかり。
コーポレートガバナンスについては、「歴史上いかなる国においても、企業とくに大企業が、株主のためにのみマネジメントすべきであるという主張はもちろん、主として株主のためにマネジメントすべきであるという主張さえ主流になったことはない」と述べています。
本書において、21世紀に向かう世界への提言としてドラッカーはこう記しています。
「私は日本が終身雇用によって実現していた社会的な安定、コミュニティ、調和を維持しつつ、かつ知識労働と知識労働者に必要な移動の自由を実現することを願っている。これは、日本の社会と、その調和のためだけではない。おそらくは、日本の解決が他の国のモデルになるであろうからである。なぜならば、いかなる国といえども社会が真に機能するためには社会的な絆が不可欠だからである」
これは、日本版用に書いた文章ではありません。本文の最終ページ、結論部分を述べている点から、日本への期待の高さがうかがえます。かつてドラッカーは、二つの世界大戦あとのヨーロッパの復興モデルは明治維新だと述べました。そして今、21世紀のポスト資本主義社会のモデルも日本だというのです。
日本びいきだから、日本のために期待をしてくれたのではありません。人と人との絆を大事にする日本の組織が世界のモデルになるから、世界のために日本に期待したのです。
しかし、はたして私たちは、ドラッカーの期待に応えられるでしょうか。
さらに本書は、日本発の三部作『プロフェッショナルの条件』誕生のきっかけともなった。『P.F.ドラッカー完全ブックガイド』より
※この情報はドラッカー入門 新版』p.281~の「ドラッカー年譜」をもとに制作しています。より深い背景の理解には同書をお薦めします。
五月女 圭司
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