皆さんこんにちは!
今週も『人生を変えるドラッカー』の「言葉」解説をお送りいたします!
これまで
『知識労働者』
『貢献』
『成果』
『強み』
『集中』
『廃棄』
『意思決定』
『読書会』
『エグゼクティブ』
『なすべきこと』
『修練』
の言葉の定義をお伝えしてきました!
今回からは、実際には小説内では東堂先生がコメントしているわけではないのですが、
著者の私が想像して東堂先生ならこんなコメントをするだろうなと考えて、
『人生を変えるドラッカー』のワンシーンから、言葉解説をしていってみますね!
よろしくお願いします♪

東堂先生による【ことば解説】「13.『知覚』の定義」
ではまずは引用です。
(一部省略して抽出しています。※部分は今回追記しています)
夏子は二十代コンビのエリとカナを連れて近くのコンビニに買い出しに来ていた。久しぶりに北原社長が同席するので、お茶とお菓子でささやかに景気づけできればと思ったのだ。
ぱっと買って帰ろうと思いきや、エリとカナは棚の前で話し込んでいる。
(この子たち、ちょっと行動が遅いのよね……)
夏子は急かそうとして、二人の背後に近づいた。
「社長は冬でもアイスコーヒーだよね。微糖のやつ。あと、今日は風邪気味の人も多いから、温かいものもあったほうがいいね。ティーバッグ、買っておこうか。ポットのお湯、多めに用意しなくちゃね」
「お茶菓子は個包装のおせんべいのほうが手が汚れないし、余っても取っておけるよね。甘いものならこれはどうかな? 賞味期限もまだまだ大丈夫だし、常温でも保存できるよ」
夏子は驚いて言った。
「エリ、みんなのこと、よく見てるのね。えらい。カナも気が利くじゃない」
褒められた二人は嬉しそうだった。
(そうか。こういうふうに、人には必ず、強みと弱みがあるんだ)
ドラッカーを読んでいたはずなのに、実際にわかっていなかった。夏子は自戒の気持ちを込めて自らの胸に刻んだ。
引用を終わります。
ここは、ドラッカーの引用などもない本当にささいなシーンですが、実はとても反響のあるシーンでもあります。こうして人の強みというのは「ちょっとした日常の瞬間」にも出るんですよね。
みんなでコンビニに買い出しに行った時にもそれぞれの気質はよく出ます。
ドラッカー教授は、
成果をあげるうえで、人の気質は重大な要素である。 (『経営者の条件』p133)
といっています。
その人の強みを知るということは、その人の気質を理解することで近づいていくのです。
皆さんなら夏子とエリとカナと一緒にコンビニに買い出しに行ったらどんな振る舞いをするでしょうね。あなたのどういう気質が顔を出すでしょう。
会計をきちんとすることを第一に考える人もいるかもしれませんし、できれば一人で買い出しに行きたいと思う人もいるかもしれませんし、紙皿などを奮発してテーブルコーディネートにこだわりたいと感じる人もいるかもしれませんし、買い出しが苦手だと感じる人もいるかもしれません。
こういったことは、みんなでイベントをやる、とかみんなで掃除をする、など共同作業のときにもよく見かけられるそれぞれの気質の違いですね。
どの気質がいいとかではなく、その人の気質を知り、それを短所と解釈するのではなく強みにしていくと、組織において成果があがりやすいということです。
このシーンで夏子はエリとカナの気質に気づいた。
エリとカナの行動を気質としてとらえることができた。
これは、夏子がエリとカナの強みを「知覚した」ということになるわけです。
この「知覚」という言葉について、小説からの引用ではありませんが、東堂先生にこのブログに特別に出てきてもらって、コメントをもらいましょう!
~以下東堂先生から皆さんへ~
「では、ここで『知覚』という言葉について皆さんにお伝えしましょう。
お手元の『経営者の条件』をご覧ください。
第一章の『成果をあげる能力は修得できる』というところで、ドラッカーは「働く人を取り巻く四つの現実」について書いています。
1)第一の現実:時間がすべて他人にとられてしまうこと。
2)第二の現実:日常業務に取り囲まれていること。
3)第三の現実:組織で働いていること。
4)第四の現実:組織の内なる世界にいるという現実。
です。
この四つ目の部分には、「成果」の説明の時にもお話した大切な文章が書かれています。
【組織の中に成果は存在しない。すべての成果は外にある。 『経営者の条件』(p31)】
「したがってエグゼクティブたるものは、組織の外の世界を見よ、とドラッカーは言います。そしてその「外の世界の見方」についてもドラッカーは言及しているのです。
【組外の世界における真に重要なことは趨勢ではない。趨勢の変化である。この外の変化が組織とその努力の成功と失敗を決定する。しかもそのような変化は知覚するものであって、定量化したり、定義したり、分類したりするものではない。分類によって数字は得られるが、そのような数字は現実の状況を反映していない。コンピュータは論理の機械である。それが強みであり弱みである。外の重要なことは、コンピュータをはじめとする何らかのシステムが処理できるような形では把握できない。これに対し、人は論理的には優れていないが知覚的な存在である。まさにそれが強みである。 『経営者の条件』(p32)】
「ドラッカーは、コンピュータに比べて人の強みは「知覚的な存在」であることだといっているのです。
皆さんは目の前のことから何を知覚しますか?
夏子さんがエリさんとカナさんの資質をコンビニへの買い物というちょっとした機会に知覚できるようになったことは、読書会を通じて夏子さんの思考習慣が変わってきたことと関係あるかもしれません。
知覚の精度は、自分で高めていけるかもしれませんね!
そのためにもドラッカー読書会が、知覚のアンテナを磨く機会になっていれば嬉しいです」
ということで今回はブログ読者の皆さん向けに、特別に東堂先生に語っていただきました☆
ではでは!
次回もお楽しみに!
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