絵で見るドラッカーの人生【1969年】
今なお続く「断絶の時代」
現在が大きな転換期にあることは誰もが肌で感じている。日本ではバブル崩壊後の失われた20年や、東日本大震災とそれに続く原発事故などの問題が噴出している。しかし、社会が構造変化に伴う問題に直面しているのは、日本だけではない。日本特有の要因に基づくものでもない。先進国と言われる国では、多かれ少なかれ似た問題にとらわれている。
変化を捉えるとき、とかく経済にばかり目がいくのは、近代合理主義特有の癖である。ドラッカーは経済単独の問題などは存在しないと見ていた。経済的に見える現象は、社会の現象の経済的側面にすぎない。いかに経済的に見えようとも、社会に着目すべきであるとしていた。
では、現下の問題は社会の問題なのか。ドラッカーの観察によれば、さらに文明的な深部の断絶に発する変化が現象として噴出しているにすぎない。そこが、ドラッカーの世界観と関わりをもつ。
ドラッカーは1969年に『断絶の時代』を世に問うた。原書はThe Age of Discontinuityである。
Discontinuityとは不連続とか非連続という意味である。しかし、「断絶」という語感は、ドラッカーの思惑の所在を実によく表している。本人も、日本語のタイトルを気に入っていたという。
「地震の群発のように社会を激震が襲い始めた。その原因は地殻変動としての断絶にある。この断絶の時代は企業家の時代、グローバル化の時代、多元会の時代、知識の時代である」
ドラッカーは、資本主義から新たな名を持たない時代に突入しつつある現実をいち早く指摘した。本当の意味で、いまだ名を持たぬ「何か」としか言いようのない時代の到来だった。『ドラッカー入門 新版』より
※この情報は『ドラッカー入門 新版』p.281~の「ドラッカー年譜」をもとに制作しています。より深い背景の理解には同書をお薦めします。
五月女 圭司
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