皆さんこんにちは!
今週も『人生を変えるドラッカー』の「言葉」解説をお送りいたします!
これまで
『知識労働者』
『貢献』
『成果』
『強み』
『集中』
『廃棄』
『意思決定』
『読書会』
『エグゼクティブ』
『なすべきこと』
『修練』
『知覚』
『記録』
『責任』
『動機づけ』
『位置と役割』
『卓越性』
『成長』
『塊の時間』
『優先と劣後』
『強みと弱み』
『自己開発』
『意見の不一致』
の言葉の定義をお伝えしてきました!
今週は『真摯さ』です。
よろしくお願いします♪

東堂先生による【ことば解説】「29.『真摯さ』の定義」
今回は『ジンドラ』からの引用ではなく、書き下ろしです。
『ジンドラ』の続編だと思ってお楽しみください♪
世界に感染拡大する新型ウィルスの影響により、久しぶりのドラッカー読書会は動画通信アプリにて行われることとなった。
ファシリテーターの東堂は、いまリザルト学習塾の誰もいない教室でパソコンの画面に映る仲間たちの懐かしい顔を見ていた。
「いやあ、皆さんお久しぶりです。せっかく久しぶりの読書会でしたが、リアルではお会いできず画面越しということになってしまいましたね!でもよろしくお願いします」
広告代理店フレッシュエージェンシーの会議室でパソコンを開いてログインしている杉並柊介が発言した。
「皆さん、お久しぶりです。大変な状況になっていますがお元気ですか?うちは広告代理店ということで広告掲載キャンセルや、そもそもの告知内容の中止などてんやわんやの日々です。でも困った時にはドラッカー読書会で出会った言葉を使っていますよ。今日はよろしくお願いします」
研修会社ポテンシャルのオフィスに出社せず、自宅にてテレワーク中の青柳夏子も発言する。
「わあ~。皆さんお元気でしたか~? 話したいことがたくさん溜まっているんです。嬉しいな!よろしくお願いします。私はあれから北原社長のリーダーシップをお手伝いすることに集中して、大変だけれど充実した日々を過ごしています。自分の強みがだんだんわかってきたような気がしていて楽しいです!」
カフェプレミアンの二階オフィスでスマホからログインしている堀川徹も発言する。
「ごぶさたです。わあ、いいですね。こうして久しぶりにコミュニケーションできて! うちはお客様が減っていて、あんなに忙しかった日々が嘘のようです。けれどもドラッカー読書会で時間の大切さとか、なすべきことはなにかという考え方を身に着けていられたからか、いま目の前にある大きな時間のかたまりを人生の大切な時間と捉えてるんですよ。いっぱいひらめいちゃって!」
我先にと近況報告をするかつてのメンバーの元気の良さに、東堂はほっと胸をなでおろしていた。
やはりこうして定期的に連絡を取り、ネット上であっても一堂に会する機会は大切だとあらためて東堂は思った。
「皆さん、お元気そうで何よりです。ところで、ドラッカー読書会が1クール終了してからしばらく時間が経ちましたが、もし何かご質問があればお受けしたいと思うのですが……」
「あ、じゃあ、ぜひ……」、と杉並柊介が手をあげる。
「杉並さん、どうぞ」と東堂が促した。
「実は、うちの広告代理店フレッシュエージェンシーの社長が、ドラッカーを読んでいたことがわかって、いまは社内読書会にもちょくちょく顔を出してくれるようになりました。そこで、社長が『マネジャーとしても身につまされることが多いよなあ。真摯さという言葉が俺はいちばん響いたなあ』とおっしゃっていて。そこで何人かの方にこの『真摯さ』について質問されたのですがうまく説明できなかったんですよ。東堂先生、教えてください」
ああ、このメンバーの良さは積極的な実践と率直な質問だった、と東堂はかつてこのメンバーで行われた読書会の日々を懐かしく思い出した。さっそく返答にも力がこもる。
「杉並さん!さっそく素晴らしいご質問をありがとうございます。やはり御社の社長さんはドラッカーを読まれていたんですね。いつぞやの社内報のお話からドラッカリアンであることもうかがえていましたね。そして社長さんさすがですね、『真摯さ』という言葉が響いたとのこと。この言葉はドラッカーのマネジメントを学び実践していくうえでとても大切な言葉となります。お手元に佐藤等先生の『実践するドラッカー【チーム編】』がありましたら、p22をご覧ください」
参加者たちがゴソゴソと本を探したり、開いたりする音が東堂のパソコンから聞こえてくる。
各自が落ち着いたのを見計らって東堂は話し始めた。
「では読んでいきましょう!」
「真摯さを欠いていないか」
真摯さの定義は難しい。だが、マネジャーとして失格とすべき真摯さの欠如を定義することはむずかしくない。『マネジメント<エッセンシャル版>』p147
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ドラッカー教授は、「マネジャーにできなければならないことは、そのほとんどが教わらなくとも学ぶことができる。しかし、学ぶことができない資質、後天的に獲得することのできない資質、始めから身につけていなければならない資質が、一つだけある。才能ではない。真摯さである」といいます。(中略)
一方、真摯さは後天的に獲得できないとし、真摯さを欠く者をマネジャーとすれば、組織を破壊させると警告を鳴らしています。
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「チーム編からの引用は以上です。どうでしょう、杉並さん?」
「はい!ありがとうございます。とても大切な言葉なんですね。真摯さかあ……」、柊介は深く感じ入るようにつぶやいた。
そこへふと思いついたように堀川徹が発言した。
「真摯さ……ってふだんあまり使わない言葉ですけど、もともとのドラッカー教授が書いた英語はなんという言葉だったんでしょう?」
東堂は徹の質問ににっこり笑った。
「いいですねえ、堀川さんはいつも鋭いご質問をくださいますよね!真摯さは『integrity』です」
「インテグリティ……なんか車の名前にありそうだなあ」
「ハハハ!格好いい言葉ですからね!integrityは、真摯という意味のほかに、『誠実』や『高潔』といったニュアンスも含んでいます。なんだか背筋がすっと伸びるような気持ちになりませんか!?この真摯さがマネジャーに欠けてはならない能力だと言っているんですね。それをきっと杉並さんの会社の社長さんは自らに問うことを習慣にされているのでしょう。すばらしい実践だと思います」
動画通信アプリでの読書会メンバーの集いは、久しぶりに顔を合わせることの喜びが尽きず、時間を延長して行われた。
そして今後も定期的に行われることを約束して、皆名残惜しそうにログアウトした。
はい!書き下ろしでした♪
今週も東堂先生ありがとうございます!
『非営利組織の経営』の中にリーダーシップについて書かれている章があり、そこにも組織のリーダーを選ぶには何を見なければならないかについてのいくつかの条件の中に、「真摯さを見る」という項目があります。
そしてそこにはこのように書かれているのです。
ずっと前のことだが、私は世界的な規模の大組織の長をつとめるある賢人から大事なことを教わった。私は二十歳そこそこ、その人は七十代後半だったが、人事の適切さで有名だった。何を見るのかを聞いたところ、その答えが、「重要なことは自分の子供をその人の下で働かせたいと思うかである。その人が成功すれば、若い人が見習う。だから私は自分の子がその人のようになってほしいかを考える」だった。これが、人事についての究極の判断基準である」『非営利組織の経営』p18
自分の子どもをその人の下で働かせたいと思うか!!!
その人を見るための究極の問いですね。
「真摯さ」、ドラッカーを学ぶうえでぜひ胸に刻んでおきたい言葉です。
この春、自分の胸にこの「真摯さ」の存在を感じながら日々を過ごしていきたいものですね!
今後も「東堂先生が言うであろうちょっとした一言」をお伝えしていきましょう!
ではでは!
次回もお楽しみに!
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