ドラッカー本は読んで終わりではない。現場で何を試してみるかが大切〜(有)リンクコンサルティング代表取締役社長 林雅巳さん


林さん

(有)リンクコンサルティング 代表取締役社長
林雅巳(はやし・まさみ)さん

1965年、神奈川県生まれ。
東海大理学部卒、国際証券株式会社
(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)入社。
安田火災海上保険株式会社
(現損保ジャパン株式会社)を経て、
1997年に独立。

コーチングからドラッカーを知る

―現在のお仕事をおしえてください
林 4つの会社を持っていまして、実質的には3社の経営をしています。ひとつは(有)リンクコンサルティング。この会社はファイナンシャルプランニング(FP)業です。二つ目は、父が3年前に亡くなりまして、その父が経営していた会社を引き取った不動産管理の会社。もうひとつが、コンサルティングとコーチングを組み合わせた会社です。

―お客さまは個人、法人?
林 FPの会社は個人のお客さまが多いです。契約者は住宅を購入された人。不動産会社と連携していて、住宅購入者の火災保険を当社が担っています。この火災保険に入っていただいた人に対してFPのサービスを提供するといったビジネスモデルです。一方、コンサル&コーチ業は企業向けです。ドラッカーの考え方をここで応用・提供しています。

―ドラッカーを知ったのは?
林 きっかけになったのは、2001年の春にコーチングと出会ったことです。日本商工会議所青年部の役員海外ミッションがあってフィリピンの会議に参加しました。独立2〜3年目で四苦八苦している最中でした。ここでプロのコーチと出会い研修を受けました。コーチングっておもしろいなあと。そこで、2006年からコーチのノウハウを使って教えることをスタートしました。ビジネスマンに事業系のことを研修する機会が多かったので、事業とは何だろうかと学ぼうと考えました。その時手にとったのがドラッカーの『マネジメント 【エッセンシャル版】基本と原則』(ダイヤモンド社)でした。この本で、企業とは何かとか、マネージャーの仕事とは、とか。生産性の向上についてなどを知りました。本の翻訳者である上田惇生先生に関心が向いて、ぜひ話を聞いてみたいなあと。で、セミナーがあって申し込んだのです。

―そのセミナーとは?
林 2015年の9月。日経BP社主催のセミナーがあったのです。上田先生が登壇すると知り、申し込みました。当日、楽しみに出向いたら、なんと上田先生が体調不良で欠席されると。その代わりでドラッカー学会理事の佐藤等さんが講演をされ、佐藤さんの著書にも登場する十勝バスの野村文吾社長が登壇していました。セミナーでは、プレ読書会のデモンストレーションがプログラムにあったんです。「会場にいる人でどなたか一緒にやってみませんか?」と言われ、喜んで手を挙げてしまったんです(笑)。セミナー終了後、懇親会が予定されていました。「もしお時間あれば」とお誘いいただき参加したのです。

―懇親会で養成講座に入ることに?
林 わたしは『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』(日本経済新聞出版)という本で有名になった「ストレングスファインダー」をコーチングで取り入れていました。ギャラップ社の認定コーチの資格を持っているのです。懇親会の席で、そのような自己紹介をしたら、みなさん異様な反応を示したんです。世の中そんなにストレングスファインダーを知っている人はいないのに、懇親会参加者はほとんどの人が知っていたんです(笑)。驚きました。変な人たちだなあと。そんなこんなで、佐藤さんからいきなり「ドラッカーの読書会を運営するファシリテーターの要請講座があるんだけれど、参加しませんか」と。普通の人はちゅうちょするのでしょうが、わたしは「はい」と言っちゃったんです。でも、なんか高いもの売りつけられたなあ〜と(笑)。何が決め手だったかと言うと、開催日程が全部空いていたのです。当時JCの委員長を拝命していて、週末はほとんど全国あちこちへの出張予定が入っていたんです。しかし、この養成講座の日程はすべて空いている。奇跡的な状況でした。このご縁に感動して参加することにしました。

―参加してどうでしたか?
林 それまで、ドラッカーの本は読んでいたのですが、なにか不完全燃焼感がありました。理解しようとする、誰もが陥る落とし穴にはまっていました。「ドラッカー本は、実践するためのテーマ探しの本」だと講座を受けるなかで気がつきました。結果、佐藤さんとの出会いのおかげで、コーチングのやり方が従来とはまったく変わりました。

 

 

組織も個人も強みを活かす

―好きな本はなんですか?
林 やっぱり『経営者の条件』でしょうね。この本はおもしろいです。この本1冊から経営者の人とは無限にお話ができます。なかでも「人の強みを生かす」という第4章が好きです。組織でも個人でも、強みを活かすことはとても重要。時間と強みは個人に固有のものです。これをどう活かすのか。その上で、「集中」と「意思決定」があって成果につながる。まさに成果をあげるための1冊だと思います。

―ご自身の強みは何ですか?
林 ストレングスファインダーで言うと、「戦略性」「活発性」「コミュニケーション」「社交性」「最上志向」、です。わたしの特徴としては「巻き込み力の強さ」があります。人の強みを活かして、ある1点に最短距離で向かって巻き込んでいく。自分としてはまさに経営者タイプ。経営者でなければわたしの強みは活きないと感じています。ひとりの職人としては、ぜんぜん成果はあげられないタイプ。わたしの生きる今が組織社会でよかったと思っています(笑)。

―読書会はずっと以前から?
林 宮崎で事務処理代行業をやっている時がありました。その関係で、宮崎県にはよく通っていました。そこで青年会議所のメンバーと読書会をやっていました。読書会は鎌倉・宮崎の都城・鹿児島・沼津など。最大4カ所でやっていた時もありました。

―現在の読書会は?
林 「実践するマネジメント読書会」は鎌倉をメインでやっています。参加者は中小企業の経営者が多いですね。読書会では、実践のイメージを持ってもらうことを意識しています。何を現場で試してみるのか。このイメージが湧くような会を目指しています。あるフレーズが気になった参加者には、「関連することとして、あの本のこの部分が参考になるかもしれません」と、いうようなアドバイスをしています。より確実に実践へのサポートを心がけています。実行の角度を上げていくというか、そういった選択肢を増やすように配慮しています。ドラッカーの本は読んで終わりではないのです。今年は読書会を4コースやります。ほぼ、毎週のようにやっています。対面とオンラインの両方から参加が可能なハイブリット方式です。ぜひ、一緒にドラッカーを学びに来てほしいですね。

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花岡 俊吾
アウトドアライター/記事制作者   1965(昭和40)年、北海道恵庭市生まれ。高崎経済大学卒業、(株)ピーアールセンターにて広告・マーケティング業務に従事。2007年独立、人口減少の道内経済に貢献すべく、地域の新しい情報の発信をライフワークにする。一眼レフを片手に、年間100日以上をアウトドアフィールドや道の駅・キャンプ場を取材。新聞記事連載やWEBコンテンツ制作がメインの仕事。P.F.ドラッカーの読書会、札幌ビジネス塾に10年以上通い、上田惇生先生のサイン入り『経営者の条件』は家宝。著書に『アウトドア&感動体験ガイド北海道』、『北海道キャンプ場&コテージガイド』(共に北海道新聞社)。休日はマラソンと登山に勤しむ。

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