貢献を第一に考える企業風土を持つ会社が増え、地域全体をもっと良くしたい (株)北海道健誠社 代表取締役社長 瀧野雅一さん@旭川


貢献を第一に考える企業風土を持つ会社が増え、地域全体をもっと良くしたい

(株)北海道健誠社

代表取締役社長

瀧野雅一さん

1971年、旭川市生まれ。

旭川南高校卒業後、横浜で羽毛布団のメーカー勤務を経て、

1992年(株)北海道健誠社を家族と創業。

2018年、代表取締役社長に就任。

 

衝撃的なことばに出会い学び実践

 

—ドラッカーとの出会いは?

ドラッカーの『経営者の条件』を手にとって、11年になります。それまで、会社の売上に関してはまあ、そこそこ。利益が伸びないという課題がありました。当時は、利益を目的に、利益を出そうとして経営していました。理由は、借入金があって、利益を出して銀行に決算書を持っていくと喜んでくれるというか、ほめられます。なので、利益を追求することになんら疑問を感じていませんでした。

そんな時、佐藤等さんたちとの出会いがありました。共通の知人がいて「飲み会があるよ。いろんな人がいるから来ないかい」というお誘いに、たまたま参加したからです。

 

—衝撃的はことばを聞く?

飲み会ではいろいろ仕事の話しをしました。その中で、佐藤さんから企業経営において「利益は条件だからね」という衝撃的なことばを聞いたのです(笑)。

何を言っているのだろうかと。利益は追求するものではないかと。混乱しました。翌日、書店に走りました。運良く『経営者の条件』があり、購入しました。

読むと、今まで、なぜ経営がうまくいかなかったのかが書いてありました。

 

—どんな行動と成果が?

まずは事業の目的を明確にしました。それまでは利益をあげることが目的でしたが、それが条件だったことに気がついて。全体をうまく整理できました。

その後、直接の成果、価値への取り組み、人材の育成という3つの分野に取り組み、具体的な行動へと落とし込んで行きました。この10年で、売上でいうと約1.7倍。社員数でいうと今は約300人。2倍くらいの規模になりました。

「ランドリーム」というクリーニングの取次ぎ店を開設して事業化。今は旭川市内を中心に23店舗にまで拡大しました。おかげさまで旭川・道北地区では、NO1のクリーニング会社になることができました。

バイオマス事業や発電所事業にも取り組み、2018年4月には保育園もオープンすることができました。企業主導型内閣府認定の保育園です。

これらすべて、ドラッカーに出会って実践してきたからに他なりません。

 

 

—どのような保育園ですか?

保育園「おにぎりほいくえん」は10年越しの構想です。

わたしには息子がいまして、1歳から託児所に入れていました。3歳くらいになった時、「ひらがなとか教えてもらえるのでしょうか?」と聞くと「ここは託児所なので、そういうことはやっていません」と言われました。そうすると小学校に入った段階で落ちこぼれると思ったのです(笑)。

そこで、4歳の時に公文式の学習塾に行かせました。託児所+塾のダブルで月に5万円以上がかかるのです。こんなに教育費をかけなくても両方やってくれるところがあるといいよね、と夫婦で話していたのです。なので10年の想いが詰った保育園です。

名前は“手塩にかけて育てる”という願いを込めて「おにぎり」に。息子は今、11歳になりました。ほんとは息子を入れたかったのですが遅かったですね(笑)。

 

—業界的にはどのような市場?

業界として市場規模では、クリーニング分野でいうと20年前から半減したと言われています。

リネンサプライ分野は病院や介護施設、ホテルの開業などもあり右肩上がりではあります。高齢者施設のクリーニングの仕事もしています。一般的には施設内に洗濯機と乾燥機が置いてあり、家族やスタッフがやっていることです。老人ホームに入所するとまず何をしなければならないか。衣類全部に名前を書いてくれとお願いされるのです。自分だったらイヤだなと思いました。それを家族・スタッフのかわりに洗濯するサービス。名前を書いていない洗濯物を出しても大丈夫なしくみでサービスを提供しています。

オペレーションとしてはさほど難しいことではないのですが、業界では画期的でした。競合にマネされるかと思いましたが、そうでもなく、ウチは受注を増やしています。

 

 

社内外でドラッカー読書会を継続

 

—社内で読書会を?

社内で読書会をしています。スタッフ皆で共通のことばを持とうと思い実施しました。セルフマネジメントの分野からと思い『経営者の条件』本を使っています。部署単位で全員やりました。なので、100冊以上はこの本を購入したかと(笑)。

一定の成果は出ているかと思います。人数が多くなり次は、人と仕事のマネジメント分野、仕事の設計をしっかりとやろうと進めています。評価については、カウントして見える化を進めました。フィードバックをしっかりとやると、自然と数字があがっていきました。

社員にもドラッカー読書会の認定講座に通ってもらい、ファシリテーターの資格を取得してもらいました。彼には、社内・社外の読書会で活躍してもらっています。

 

—好きな1冊は何ですか?

好きな本は『創造する経営者』です。事業の部分が好きですね。今日の事業の成果をあげる。潜在的な機会を発見する。明日のために新しい事業を開拓する。この3つを同時にやる。本業がうまくいっている時は、後の2つがないがしろになってしまいます。だから意識して取り組むようにしています。

『経営者の条件』本は肌身離さずいつも持ち歩いていますね。加えて、その時々に必要な本を選択して、たいていは2冊携帯しています。課題に直面した時に振り返るのです。移動時間に読むことが多いですね。

 

 

—今後の抱負は?

今後、中期的な目標としては、売上を20億円くらいを目指す計画を立てています。そのために、潜在的な機会がどこにあるのか。ここに力を注いでいます。機会を事業に転換する時にはリスクがあります。リスクの読み方とかコントロールのしかたとかが『創造する経営者』本には細かく書いてあるんです。そこを読んで自問自答しながら、取り組んでいます。

2月から地元・旭川の経済雑誌「メディアあさひかわ」に連載を持っています。タイトルは「ドラッカーに学ぶ経営マネジメント」。毎月、1ページ書いています。関心を持った人が読書会に参加してくれることを願っています。

ここ旭川でも、企業経営にドラッカーを活かす人が増えて、貢献を第一に考える企業風土をもつ会社が増えると、地域全体がもっと良くなると信じて活動しています。

 

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花岡 俊吾
1965(昭和40)年、北海道恵庭市生まれ。高崎経済大学卒業、(株)ピーアールセンターにて広告・マーケティング業務に従事。2007年独立、「北海道体験.com」のプロジェクトに参画。人口減少の道内経済に貢献すべく、北海道の新しい体験観光情報の発信をライフワークにする。カメラを片手に、年間100日以上をアウトドアフィールドで取材活動。新聞記事連載やWEBコンテンツ制作がメインの仕事。P.F.ドラッカーの読書会、札幌ビジネス塾に10年以上通い、上田惇生先生のサイン入り『経営者の条件』は家宝。著書に『アウトドア&感動体験ガイド北海道』(北海道新聞社)。休日はマラソンと登山に勤しむ。

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