マネジメント最強トレーニング実践例紹介!【ベンジャミン・フランクリンの十三徳】マネジメントに必要な習慣・道徳について解説!

~ドラッカー学会理事 公認会計士 佐藤等のマネジメント解説~  

成果をあげるためには、知識・技術だけではダメ!【習慣】と【道徳】が必要

本末転倒という言葉があるように、知識や技術という末学だけでは、何事もなすことができません。そのためには本学と呼ばれる人間学の修養が不可欠です。そして人間学には、習慣という側面と道徳という側面があるということです。人間を相手にしているため「側面」という言葉を使いました。

成果をあげる能力以外の習慣にも目を向けてみます。

つまり社会において人生をよりよく生きていくには、業務知識やそのスキルだけでなく、どんな人生知識をトレーニングによって身につけるかが重要です。

トレーニングによって無意識にできるようになれば習慣化できたといえましょう。しかし、習慣化には相当の段階があり、ゴールは遥か先と考えた方がよいでしょう。たとえば時間管理のレベルは追求すればするほどゴールにはたどり着かないことを実感させられます。

 

 

コビー博士の『七つの習慣』がヒント

さてドラッカー教授は、成果をあげる能力として習慣化すべき能力を挙げました。何を習慣化すべきかを述べた著作は意外と少数です。有名なものでは、コビー博士の『七つの習慣』があります。

これらは果たして習慣化すべき「人生知識」と言えるのでしょうか。

 

  1. 主体的であること
  2. 終わりを思い描くことから始める
  3. 最優先事項を優先する
  4. 相互依存のパラダイム
  5. まず理解に徹し、そして理解される
  6. シナジーを創り出す
  7. 刃を研ぐ

 

これらは「業務知識」や「仕事知識」でないことはわかります。これらも「人生知識」の領域に入るべき習慣と整理することができると思います。

コビー博士は人格主義を掲げ、インサイドアウトという原則を挙げています。コビー博士は、アメリカ建国以来発行された約200年間の「成功」に関する文献を調査し一つの結論に達します。建国から150年の文献で大切にされてきたことは、誠意、謙虚、勇気、正義、忍耐、節制、倫理的な黄金律などでした。

ところが今につながる50年間は、コミュニケーションスキルやポジティブシンキングなどのテクニック論に傾斜していると見抜いたのです。

前者を人格主義、後者を個性主義と定義し、本当に大切なものは人格であるとし、これをインサイドと位置づけ、内側から変わり、外側に影響を及ぼす人になることを目標として7つの習慣をつくりあげました。

人生をよりよく生きていくためには、必要な人生知識とそれを習慣化するトレーニングが重要です。

 

 

具体的なマネジメントに必要な習慣トレーニングの実例を紹介!

建国から150年、アメリカの国民は、誠意、謙虚、勇気、正義、忍耐、節制、倫理的な黄金律などを大切にして生きてきました。

その代表的なものに「ベンジャミン・フランクリンの十三徳」があります。ハイブロー武蔵訳『若き商人への手紙』から紹介します。

 

 

「ベンジャミン・フランクリンの十三徳」ハイブロー武蔵訳『若き商人への手紙』から

1.節制:頭や体が鈍くなるほど食べないこと。はめをはずすほどお酒を飲まないこと。

2.沈黙:他人あるいは自分に利益にならないことは話さないこと。よけいな無駄話はしないこと。

3.規律:自分の持ち物はすべて置き場所を決めておくこと。仕事は、それぞれ時間を決めて行うこと。

4.決断:なすべきことをやろうと決心すること。決心したことは、必ずやり遂げること。

5.節約:他人や自分に役立つことにのみお金を使うこと。すなわち無駄遣いはしないこと。

6.勤勉:時間を無駄にしないこと。いつも有益なことに時間を使うこと。無益な行動をすべてやめること。

7.誠実:だまして人に害を与えないこと。清く正しく思考すること。口にする言葉も、また同じ。

8.正義:不正なことを行い、あるいは、自分の義務であることをやらないで、他人に損害を与えないこと。

9.中庸:何事も極端でないこと。たとえ相手に不正を受け激怒するに値すると思っても、がまんしたほうがよいときはがまんすること。

10.清潔:身体、衣服、住居を不潔にしないこと。

11.冷静:つまらないこと、ありがちな事故、避けられない事故などに心を取り乱さないこと。

12.純潔:性的営みは、健康のためか、子供を作るためにのみすること。性におぼれ、なまけものになったり、自分や他人の平和な生活を乱したり、信用をなくしたりしないこと。

13.謙譲:イエスおよびソクラテスを見習うこと。

 

まさにコビー博士が人格主義と呼んだ徳目が細大漏らさず書かれていると思いませんか。まさに内側から変わり、外側に影響を及ぼす人になるための習慣です。

フランクリンは、この13の徳目を1週間に一つ修得することを目指して、1年に4回この過程を繰り返したといいます。

習慣は身体の能力化されてはじめてその威力が発揮されます。習慣については、「何を」「どうやって」という2つの側面が重要ですが、フランクリンは両面を行っていたといえます。

さて伊與田覺先生は、人間に必要なものを知性、技能、徳性といい、社会人として必要なものを知識、技術、習慣、道徳だと指摘しました。

フランクリンの13の徳目を見るとまさに社会人として必要なものの意味が伝わってきます。同時にコビー博士が人格主義と評したことも首肯できるところです。

 

みなさんは1つ1つ、何も考えずに上記の13が実践できていますか?

もし、引っかかるところがあれば、ベンジャミン・フランクリンのように週に1つずつでも習得しようと実践してみてはいかがでしょうか?

 

 

KNOWLEDGE PLAZA

ナレッジプラザでは上記で紹介したような【経営のヒント】をナレッジメール便として定期的にお届けしております。ほかにも会員になると受けられる特典・優遇サービスなどを詳しく紹介しておりますので、下記リンクよりご覧ください。

ナレッジプラザ入会のご案内

FavoriteLoadingお気に入りに追加

コメント

オンライン読書会の進め方

ドラッカー著書一覧
マネジメントとは何か
プロフェッショナルの条件

POST

    ご意見・感想や、今後とりあげて欲しい
    テーマなどお気軽に送信ください!

    返信が必要な場合はこちら

    Dラボは全国で開催されている
    「実践するマネジメント読書会」を
    お勧めしています!

    読書会の見学や会員のお申込みはこちら

    TAG

    貢献に焦点を合わせるわたしの非常事態宣言要約全巻実例イデオロギードラッカーマネジャーの5つの仕事MANAGING ONESELF解説動画退職理由知識労働事例で学ぶ自己探求の時代マネジメント本マネジメント入門自主性オーストリア・ウィーン条件としての利益経営論立場別エッセンシャル版キャリア・アンカーテイラーの科学的管理法企業とは何か真摯ドラッカー原文おすすめドラッカー入門初めてのドラッカー利益とは非営利組織の経営実践するマネジメント読書会ドラッカー英語マネジメントとはテレワーク初心者向けプロフェッショナルの条件ドラッカーを読んだら会社がかわったドラッカーで変化した女性初心者リモートワークドラッカー読書会人の強みを生かす佐藤等ドラッカー名言読む順番渋沢栄一部下とのコミュニケーション強みを生かすウィッツコミュニティ上田惇生概要論語と算盤時間マネジメント最も重要なことに集中するドラッカーを読んだら会社が変わったベンジャミン・フランクリン内容サボる時間がない実践するドラッカードラッカー名言集習慣赤本部下時間をつくる断絶の時代経営道徳ドラッカー名著集指導転職ポスト資本主義社会ドラッカーを読んだら会社が変 わったオンライン読書会部下の育成人間関係成果をあげる意思決定読書会著書一覧代表作できない部下辞めたいタイムマネジメント体験談マネジメントの原理エターナル版仕事ができないジャック・ウェルチ成果をあげる意思決定をする名言経営者に贈る5つの質問読み方社内コミュニケーションウィンストン・チャーチルマネジメント経営者の条件セルフマネジメント強み人生を変えるドラッカーどうすれば実践できるのか実例で学ぶ時間管理/タイムマネジメントドラッカー年表ドラッカーマネジメント実践者の紹介読書会誕生物語事業のマネジメント実践的読書のススメ成果をあげる能力知識労働者貢献成果は組織の外にあるマネジメントの体系イノベーションと企業家精神成果現代の経営人のマネジメント人生100年時代ライフシフト成長マネジメント会計5つの問いミッションパラレルキャリア創造する経営者明日を支配するもの責任社内読書会マーケティングニューヨーク大学自由社会生態学仕事のマネジメント十勝バス顧客創造イノベーション利益コミュニケーション経済人の終わりナレッジワーカー自己開発マネジャーフィードバック参加者の声産業人の未来