VRという新しい価値をデザインし世に出す、そのベースがドラッカーマネジメント (株)Leoline 統括マネージャー 斎藤麻未さん@札幌

VRという新しい価値をデザインし世に出す、そのベースがドラッカーマネジメント

(株)Leoline(レオライン)統括マネージャー

斎藤麻未さん

1977年、釧路市生まれ。

札幌の専門学校を卒業後、

アパレル会社などを経て、2017年から現職。

デザインがテーマの職業選択

—どのような経歴ですか?

釧路市に生まれ育ち、高校まで釧路でした。小学校の卒業文集に書いた将来の夢は「デザイナー」。学費が一番かからないという理由で、札幌の服飾専門学校を選択しました。アルバイトをして、遊んでばかりの学生でした。

新卒で入った会社はデパートに店を構えるアパレル会社でした。商品企画やマーチャンダイザーになりたいなあと思って志望しました。最初はショップの販売員です。勤めて半年くらいで子どもができ退社。専業主婦になりました。

しかし、3年たたずに離婚。大手生命保険会社で働くことにしたのです。4年半くらいやって独立。個人代理店として生保を販売していました。30歳くらいの時です。

—生命保険からカラーの世界へ?

保険の仕事をしていた時、「一生この仕事をつづけていけるのだろうか」といった不安を抱くようになりました。専門学校を(親に)出してもらったのに全然違う仕事をしていて、役に立っていないなあとも思っていました。

当時、ビジネス検定などいくつかの資格を取得していました。その延長線上に色彩検定がありました。カラーコーディネーターにも関心があり、色だと服にも関係するし、建物にも関係します。「損害保険をやっています〜生命保険も対応しています」と、生保の入口になると思ったのです。

—生活のためにコールセンターへ?

カラーを仕事のメインにしようと決め、スキルや資格取得のために勉強時間が必要だということに気づきました。その時間を捻出するために思いきって保険の代理店を廃業する決心をしました。 ただ、子供もいましたし、生活をしていかなくてはならなかったので、コールセンターで働くことにしたのです。時給1,000円以上・最低1日3時間からOK・服装自由・週3日でもよし、という条件で探したら、コールセンターしかなかったのです(笑)。

仕事は個人のお宅へ電話をかけ、衛生放送の契約を取るというもの。最初は、「営業の経験もあるし、チョロい」と甘く考えていました。でも実際は大変でした。1日に300件も電話をかけたり、1人に対して1時間も電話で説明して契約を獲得するといった仕事でした。キツかったのですが、これは逆に、「わたしにとってはいいチャンスだ」と、とらえることにしたのです。相手に興味付けをして、自分の伝達力を磨く。そのトレーニングだと。そう考えてやっていると成果も出てきます。半年くらいで、新人育成の担当になりました。

この時も「チャンスだ」と思い、年齢層がばらばらの新人さんにどうやって成績を上げられるかを考えていました。結果的に、この仕事はとても勉強になりました。5〜6年、このコールセンターで働きました。

—今の会社へは?

その後は、カラーセラピーとパーソナルカラーとア ートを教えるワークショップや、資格取得のための養成講座を自宅やカフェを借りてやったり、イベントの主催などをしていました。

3年前、知り合いの飲食店で「VR(バーチャル・リアリティ:仮想現実)制作のため360度カメラで撮影をするからちょっと来て」ということで出向きました。その時に今の会社の代表と出会いました。

出会ってから半年後くらいに、社員が全員辞めてしまったということをきき、大変だろうと。VR に可能性も感じて、おもしろそうだなあと思い、仕事を手伝うことにしたのです。

—「デザイン」が仕事のテーマ?

幼少のころから、わたしは「コミュニケーション能力が高いね」と言われてきました。加えて「デザイン」ということばは、自分の職業人生の中でいつもついて回っています。アパレルの時は服をデザインします。保険の時は「お客さまの人生をデザインする」というライフデザインのこと。カラーの時もそう。

いろんなものを組み合わせてつくると、思ってもみなかったことができあがる。この感覚がおもしろいのです。好きであり、得意であることかもしれません。コミュニケートとデザイン。まさに、今、取り組んでいるVRの仕事そのものになっています。

ドラッカーを実践して事業に活かす

—ドラッカーへの出会いは?

ドラッカーに出会ったのは、7〜8年前です。カラーのことを勉強し、コールセンターで仕事をしていたころ。カラーはいろんな人から学んだのですが、その中のひとりに札幌でカラースクールを開いていた吉田麻子さんがいました。当時、そのスクールでは佐藤等さんのミニ講座があり、わたし、聞いていたんです。ドラッカーのセルフマネジメントの話しを。でもその時のわたしにはさほど響いていなかったのですね、今思えば。

—本格的にはどのように?

再びドラッカーにふれたのは、吉田さんの「志喜彩(しきさい)塾」の講座に通ってからです。講座の中でドラッカーということばをよく聞いていました。時を同じくして、佐藤さんの『実践するドラッカー[思考編]』が出版されました。この本を読んだ時に「すごくおもしろい!」と思ったのです。

以来、『実践するドラッカー』シリーズは、出版されるたびに揃えていきました。吉田さんのドラッカー講座や著書『人生を変えるドラッカー』などからも学んでいきました。実は、ドラッカーの赤本・エターナル版にはあまりふれておらず「持っていた」という程度。ちゃんとがっちり読んだのは、ドラッカー読書会のファシリテーター養成講座に通うと決めてからでした(笑)。読書会に参加したのも、その後からでした。

—その後は?

Dサポート社が実施する「実践するドラッカー講座」には全部、参加してみました。その中の事業編と利益とは何か編の内容が、ちょうど自分のVRの仕事で活かされることが多く、役に立ちました。事業ってこういう風に考えるのだとか。「実践するとはこういうことか」と肚の中に落ちていきました。

社内では、社長と共通言語になればいいと思っています。ドラッカーのことばを知っているのと知らないとでは、目的地へ向うスピードがちがうと感じています。行動することはもちろん大切ですが、知らないでやるのと、知っていてやるのでは成果もちがうしムダがないように思います。

—実際に実践して成果も?

上司である社長の強みを生かすにはどうしたらいいか。『経営者の条件』第4章、「人の強みを生かす」にあることばを読み、思案していました。

その頃、「実践するドラッカー講座」のチーム編で習ったこと。それは、事業は業務から成り立っていて、業務は仕事から成り立っているということ。さらに、仕事は作業に分けられ、作業は手順から成り立っているということを知りました。これをわたしたちの事業・業務にあてはめてみようと思ったのです。

技術者である社長の「時間の記録」をとることから開始しました。まずは、どのような作業にどれくらい時間を費やしているのかを知るために。作業手順にムダはないのか。すると、驚くことがわかりました。例えば、パノラマ画像1シーンをつくる作業では、当初2時間以上を要することもありました。制作には関わっていないわたしも作業や手順の内容を知ることで、改善可能な作業はないかと。結果、事前の段取りを強化することで、40分〜1時間強と半分の時間ですむようになりました。

逆に、フロアマップの制作に関しては、自分たちが見積もっていた時間よりもかなり長い時間をかけていることが記録として判明。そこで、価格の見直しに反映させました。

「仕事は客観的な存在である」というドラッカーのことばのとおり、仕事を作業レベルに分解し、見直し、再設計してみる。予想外の成果につながりました。

—好きな本は何ですか?

好きな一冊は『創造する経営者』です。タイトルがまず好き。創造する経営者ですよ。このフレーズ自体がすばらしい。つくっていくってスゴいなあという感じです。価値をつくるとか、顧客の創造とか。これは『経営者の条件』の中にある言葉ですが、まだ世の中にない価値への取り組みとか。価値をつくりだすというところに、わたしはひかれます。

「上司の強みを活かす」ということばにふれた時は、これはどうしたらいいのかと。社長のサポート役として、考える視座になりました。このフレーズをきっかけに『経営者の条件』も、ものすごく読むようになりました。

—読書会へはどのように参加?

最近の読書会は、札幌の「アドバンスコース」と佐藤さんがファシリテーターをする読書会には欠かさず通っています。本の読み方としては、夜、自宅で読んでいます。困ったことがある度にドラッカー本を開くという感じです。「この状況は、なんかどこかに書いてあった気がする」と。

—ファシリテーターにデビュー?

2019年の1月からは、読書会のファシリテーターを務めます。これまで1つの読書会を練習として開催 し、もう1つは道庁読書会の読書会でファシリテーターをしてきました。 練習読書会のほうでは、興味をもってくれた仲間がいて、わたしのトレーニングにつきあってくれる女子で実施してきました。プログラム技術者・病院の栄養士・事務員・主婦などが参加してくれました。

読書会はおもしろいです。明らかに学びにつながっています。日程が決まっているので、必然的に本を読まざる得ない状況に追い込まれます。こうした場があることで、ドラッカー本を読み続けることができると感謝しています。

—どんな人に参加してほしいですか?

何かに困っている人とか、困っていなくても、もっと良くなりたいと思っている人に参加してもらいたいです。大変な状況にあっても行動してほしいと思っているからです。悩んでいても、可能性を追求できる人。わたしは、落ち込みは深いのですが、短いんです。ポジティブさは自分の強みかもしれません。

自分はいろいろと大変でしたが、大変なことを糧にして、ポジティブなパワーに変えるのが得意。がんばっている人に応援コメントで、背中を押してあげられるような読書会になればいいと思っています。

ぜひ、参加してみてください。

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取材記者/エディター   1965(昭和40)年、北海道恵庭市生まれ。高崎経済大学卒業、(株)ピーアールセンターにて広告・マーケティング業務に従事。2007年独立、人口減少の道内経済に貢献すべく、地域の新しい情報の発信をライフワークにする。一眼レフを片手に、年間100日以上をアウトドアフィールドや道の駅・キャンプ場を取材。新聞記事連載やWEBコンテンツ制作がメインの仕事。P.F.ドラッカーの読書会、札幌ビジネス塾に10年以上通い、上田惇生先生のサイン入り『経営者の条件』は家宝。著書に『アウトドア&感動体験ガイド北海道』『北海道キャンプ場&コテージガイド』『北海道道の駅ガイド』(共に北海道新聞社)。休日はマラソンと登山に勤しむ。

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