組織は、優秀な人たちがいるから成果をあげるのではない。
組織の水準や習慣や気風によって自己開発を動機づけるから、優秀な人たちをもつことになる。
『経営者の条件』終章
世の中の経営者はみな一様に悩んでいる
「就活で覇気のある若者が集まらない。」
「どうも社員の定着率が芳しくない。」
「若手社員は素直なのだがやる気を感じない。」
経営雑誌などを眺めていると、最近こんな言葉が増えてきたような気がします。
少し前にIT系会社の経営者から真面目な悩みを打ち明けられました。
「今回、かなり大きなプロジェクトを受注できて喜んでいたんだが、いざシステムを作ろうとするとなかなかうまく進まない。
若手社員のやる気に火がつかないんだ。
大きなやりがいのある仕事だから、喜んで頑張ってくれると思っていたのだが。
うちの社員は、みんな優秀で素直だし、仕事は間違いなくこなす。会社の雰囲気もアットホームに設えてある。
だけど、どうやら会社の仕事を自分ごととして捉えていないようだ。
今どきの若者は、金のためには働かない。彼らの心を熱くして、自分が成長してもらうためにどうしたら良いのだろうか?」
この社長は、いつもとても前向きで愚痴など呟く方ではなかったし、会社の業績も安定的に成長しているので、正直ちょっと驚きました。
同時に、社長が社員たちに注いでいる愛情の深さとあせりを感じました。
社長は、以前から、私たちがドラッカーの読書会を通じてマネジメントの学びを広めていることを知っています。
また、私が交通局で社内読書会をやってきたことも知っていました。
「どうだろう、今度、うちの会社の若手を中心に、ドラッカー読書会をやってもらえないだろうか?」
きっと、「良さそうなものは、何でも試してみたい。」そんな心境だったのでしょう。
ーつづくー
お気に入りに追加