あなたの強みを生かすための「逆転」のルール
についてお話させていただいております。
働き方が変わった時代の「逆転」の働き方(おさらい)
現代に働く私たちは、働き方が変わりました。
手足(の筋肉)を使って、決められた作業を決められたとおりに実行する、
「肉体労働者(あるいは作業労働者)」から、
たとえ体を動かしていても
何かを感じとり(知覚)、何かを判断したり企画したり(意思決定)することで
より価値あるものを生み出すことを求められる「知識労働者」としての働き方になったのです。
そこでは、これまでの働き方や、これまでのマネジメントの常識が通用しないだけでなく、
「逆転」してしまうことさえあります。
このシリーズでは、そんなポイントをいくつかご紹介させていただきます。
ここまで
「頼まれた通りにやらない」
「自分の仕事に不満を持つ」
「自分を輝かせようとしない」
について触れてきました。
今回から少し上級編。
「頼まれごとを断る」について触れさせていただきます。
今回は、タイトルとは反対に、
まず「頼まれごとを請ける」ことの真意をお伝えしたいと思います。
さもなければ、やりたい/やりたくない を基準に
仕事をえり好みするしてしまうことになり、
結果的に強みを生かすことも見つけることもできなくなるからです。
「頼まれごとを兎に角請ける!」のは、新たな自分探し
頼まれごとは試されごと。
なんてことをよく言いますね。
ここでは、決して頼まれたことを何でもかんでも断れ。
というお話をするわけではありません。
「なんでそんなことを自分に頼むんだろう??」
という場面。
想定されることとして大きく3つのパターンに大別されるかと思います。
【パターン1】あなたのコストが一番安い。
【パターン2】「あなたの可能性」を見出そうとしてくれている。
【パターン3】あなたの気づかない「あなたの強み」を見出してくれている。
【パターン1】については、
正直なところ、若いうちは仕方ないでしょうねー。
時給が安かったり(金銭コスト)、
頼みやすかったり(金銭以外のコスト)・・。
つまり、相手にとっては、
「誰でもできるけど、ほかのメンバーには頼みにくいから」
というのがあなたを選んだ理由・・・。
そんな場面はあるでしょう。
まぁ・・・きっと断れる状況ではないのでしょうし、
こうした場合に断ることは、自分の可能性を放棄してしまうことにもなりかねません。
断れない状況であったとしても、それに対して、
相手に心で反発しながら、やらされ感でやるのか、
「自分に新たな可能性が発見できるかもしれない。」と考えて前向きにやるのかは、
あなたに選択の自由があります。
つまり、【パターン1】じゃないかという場面でも、
【パターン2】に読み替えることは可能なのです。
他のメンバーにもできることを頼まれたのであれば、
「将来のために基礎能力を身につけて欲しい」と考えてくれたのかもしれません。
そもそも、若い時は、年配の方よりも(一般にですが・・)学ぶ力は強いとされていますから、
他のメンバーにできないことや、誰もやったことがないことだとしたら、
若さという強みを生かす【パターン3】だと読み替えることも可能です。
つまり、頼まれごとに対して、断れない状況にあったとしても
私たちは、主体性を失わずに行動できるのです。
一方で・・・
もし、あなたが他のメンバーよりもコストが高い人だとすれば・・
【パターン2】か、【パターン3】のはず・・・ということで。
頼まれごとで、相手から見た自分を知る
新人でもないのに、
なんで自分にこんなことを頼むんだろう??
というときには、
「やるのはいいのですが、一つ聞いていいですか?
なぜ私が適任だと思ったのですか?」
と、ぜひ聞いてみてください。
この質問をすることで、
次に頼むときには少しは、「あなたの強み」を考えてくれるはずです。
ひょっとしたら、
・「メンバーの中で、あなたがヒマそう」という
時間的な強みを指摘される可能性もありますし、
・「何ができるかわからないから。」と
これまでに目に留まるような仕事ぶりが
見当たらないことを指摘されることもあります。
・質問に答えられないがために
「やりたくないの?」と怒り出すコミュニケーションが苦手な方も
まれにいらっしゃいますが・・・。
でも、もし答えてくれる人がいるならラッキーです。
「以前に○○をしてくれたときに素晴らしかったから、
こちらもできるんじゃないかと思って。」とか、
「うちのメンバーの中では、
一番△△センスがあるんじゃないかと思って。」
なんて言葉をかけてくれた時には、
好き嫌いを言わずにその評価に感謝して、
挑戦してみてもよいのではないかと思います。
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誰もが人については専門家になれる。
本人よりもよくわかる。
「経営者の条件」第4章 人の強みを生かす
~上司の強みを生かす~
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私の実体験ですが・・・もう20年近く前のこと・・・。
私は勉強会のメンバーから「強み診断士」の異名をいただきました。
「”強みを生かす”ということについては、研修でも相談でも清水さんに頼むといいよ。」
そんな口コミをしてくださいました。
非常にありがたいことながら、
当時の私は、
耳触りの良い「あなたの強みを生かします」を切り口にして人が集まれば、
集まった方たちが私に期待する内容が、
私がお伝えしたかったことから離れてしまう・・・。
そう考えて、多くの機会を拒否してしまいました。
本当は、徹底的に周囲の認識を全面的に受け入れて
「強みを生かす、というテーマなら、
研修だろうと講演だろうとなんでも受ける!」
という姿勢で臨んだ方が、仕事や儲けの側面からは
実は、もっといろんなことができたのかもしれませんね。
(このお話は次々回に続きます。)
定期的に新しいスキルを手にしなければならない時代
もう一点、お伝えすべきことがあります。
もう若くなくても、すでに社歴が長くても
新たな可能性の追求や新たな強み磨きを
しなければならない現実があります。。
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ほとんどの人間にとって、
同じ種類の仕事を続けるには、40年、50年は長すぎる。
飽きてくる。面白くなくなる。惰性になる。
耐えられなくなる。周りの者も迷惑する。
「明日を支配するもの」第6章自らをマネジメントする
~5 第二の人生~
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世の中の変化は激しく、同じ仕事が何十年も有効ではない時代です。
かつ、失敗しなくなった安全圏の仕事ばかりをしていると、
飽きてくるという現実があります。
常に、今の安全ばかりを求めずに、挑戦をしていきましょう。
そのために「頼まれごとを請ける」のは重要なことなのです。
*****(きょうの質問)*****
Q1:最近あった「何を見込んで自分に頼むのか」わからない仕事は?
Q2:あなたの仕事のうち、大きな失敗のない仕事は何割ですか?
Q3:5年後、10年後のために、新たな能力を習得するとすれば、どんな能力開発に取り組みますか?
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