あなたの強みを生かすための「逆転」のルール
についてお話させていただいております。
働き方が変わった時代の「逆転」の働き方(おさらい)
現代に働く私たちは、働き方が変わりました。
手足(の筋肉)を使って、決められた作業を決められたとおりに実行する、
「肉体労働者(あるいは作業労働者)」から、
たとえ体を動かしていても
何かを感じとり(知覚)、何かを判断したり企画したり(意思決定)することで
より価値あるものを生み出すことを求められる「知識労働者」としての働き方になったのです。
そこでは、これまでの働き方や、これまでのマネジメントの常識が通用しないだけでなく、
「逆転」してしまうことさえあります。
このシリーズでは、そんなポイントをいくつかご紹介させていただきます。
ここまで
「頼まれた通りにやらない」
「自分の仕事に不満を持つ」
について触れてきました。
今回から「自分を輝かせようとしない!」について触れさせていただきます。
自分自身が輝くこと自体が悪いわけではなく・・・
いきいきしている自分でありたい。
輝いている自分でありたい。
どんよりした自分はいやだ。
そう考えるのは、決しておかしいことではありません。。
「自分を輝かせよう」とすると
なぜか事態がウラ目、ウラ目になってしまうこともしばしば。
そんな経験をお持ちの方なら、今回の「逆転」のルールは、
すんなり読めてしまうかもしれません。
自分自身を輝かせるための努力、
正確に言えば自分自身の中にある強みを発揮するための努力は、
自分自身にベクトルを向けるとなかなかうまくいかず、
うまくいったとしても、一過性の一発屋で終わってしまうことが多いのです。
一発屋ではなく、永く輝き続けるには、自分からスタートしないこと
瞬間最大風速のような一過性の人気者ではなく、
長い間にわたって輝き続けられる人は、
自身の強みを知り、磨き、生かしている人です。
しかし、ドラッカー教授は、
誰しも自分自身の強みの認識について間違っていることが多い、
といいます。
だからこそ、「自分の本当の強みを知りたい」と誰もが思うはずです。
一方で、だからといって
いつまでも「自分探しの旅」を続けているわけにもいきません。
座禅を組んで自分を振り返ったり、
旅に出て自分を見つめなおしたり、
個性診断のたぐいをいくつもいくつも診断しても、
仕事からはなれた「何もしていない」状態で
真の強みが見いだせるとは思えません。
というのも、自分の本当の強みは、
いうなれば「静態」の世界ではなく、「動態」の世界にあるからです。
つまり、本当の強みは陳列されて眺めるものではなく、
使って、生かされて、役立ってはじめて認識されるものなのですから。
だからこそ、自分からスタートしない!というのが、
ここでのポイントなのです。
自分ではなく仲間を輝かせる
つまりは「自分を輝かせようとしない」というのは、
活き活きと働きたい、輝きたい、なんて考えてはいけない、という意味でもなく、
自分本位になってはいけない、という話でもありません。
人(他人)を輝かせようと行動したほうが、
結局は、なぜか自分が輝くことになる。という意味です。
**********
誰もが人については専門家になれる。
本人よりもよくわかる。
(経営者の条件 p.130)
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自分の「がんばったこと」や「努力したこと」「勉強したこと」は
自分が一番知っています。
だから、「がんばってできたこと」を強みだと勘違いします。
「努力してできたこと」を褒められたいと思います。
でも、自分の強みもっと深いところにあり、
しかもは、自分で分析してもなかなかわかりません。
しかしながら、ちょっと考えてみてください。
仲間(同僚、部下、上司)の強み・弱みなら、
かなり正確にわかりませんか。
ならば、そっちから始めた方が結果がでるのは早くないかな?
っていうのがこのお話です。
ギブ&テイクではなく、トレーニングマシン
自分ではなく仲間から・・・というお話をすると、
「ああ、誰かを助ければ、恩返しが期待できるもんね。」
なんて思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、恩返しなんて期待しても、裏切られることもあるので(笑)
そんな当てにならないものに一喜一憂してはいけません。
あくまでも重要なのは、
自分の強みを生かす能力をご自身が習得することです。
そのために
仲間を稽古相手に、強みを生かすトレーニングをしましょう。
というお話です。
見えないもの(自分の強み)を生かす方法よりも
見えるもの(仲間の強み)を生かす方法の方が習得しやすいはずですから!
強みを生かす姿勢を身につける
**********
同僚、部下、上司について、
「できないことは何か」でなく
「できることは何か」を考えるようにするならば、
強みを探し、それを使うという姿勢を身につけることができる。
やがて自らについても同じ姿勢を身につけることができる。
(経営者の条件 p.133~134)
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強みを生かす姿勢を身につけることができれば・・・
その客体は、同僚でも部下でも上司でも、そして自分でも
同様の結果が生まれるはずです。
だから、最初の練習台に立ってもらう人を決めましょう。
そして、その方の強みを生かす実験を繰り返しましょう。
強みを生かす姿勢と能力を身につけるまでは
さまざまな試行錯誤があるはずです。
その検証を繰り返すことが
最終的には、自分が輝くための秘訣であり、最初の一歩なのです。
*****(きょうの質問)*****
Q1:ともに働く仲間(同僚、部下、上司)について、
誰の強みを生かされたら、チームの成果が大きく変わりますか?
Q2:上記1に挙がった方の強みが100%活きるために何ができますか?
Q3:上記1に挙がった方の弱みが
問題にならないようにするために何ができますか?
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