【要約】P.F.ドラッカー、セルフマネジメントの決定版『経営者の条件』重要フレーズ抜粋集


「経営者の条件」本の表紙

ドラッカーがセルフマネジメントについて書いた一冊。1964年に出版された『経営者の条件』は自分をマネジメントするための必須の本になっている。自分をマネジメントするとはどういうことか。自分自身をしつけて、自ら調教するために何が必要なのか。その問いに答えてくれる一冊だ。

この本はタイトルに「経営者」とついているが、訳者の上田惇生先生もあとがきで披露しているとおり、万人のための帝王学だ。そのため「executive」という単語は経営者とは訳さず、そのまま「エグゼクティブ」にしたと明かす。原題のタイトル「The Effective Executive」は、真意を訳せば「できる人」だという。

ドラッカーはこのできる人が増えれば、組織である会社が発展し、会社が発展すれば社会が発展すると考え、その元となるできる人の原理原則を示してくれたのが、本書だ。

学校を出て社会に出た新人から、人生100年時代を生きるシニアまで、だれもが必要となる成果のあげかた。重要だと思われるフレーズを抜粋してみた。

ひとつでも気になる一文があれば、本書を手にしてみてほしい。あなたの座右の一冊になることを期待している。

 

「経営者の条件」原書である英語版の扉

 

『経営者の条件』P.F.ドラッカー著 上田敦生訳 ダイヤモンド社  

 

序章 成果をあげるには

0−1 8つの習慣

 成果をあげるために8つのことを習慣化する

1)なされるべきことを考える

2)組織のことを考える

3)アクションプランをつくる

4)意思決定を行う

5)コミュニケーションを行う

 6)機会に焦点を合わせる

 7)会議の生産性をあげる

8)「私は」ではなく「われわれは」を考える

 

0−2 なされるべきこと、組織のことを考える

第1に身につけるべき習慣は、なされるべきことを考えることである。何をしたいかではないことに留意してほしい。なされるべきことは、ほとんど常に複数である。しかし、成果をあげるには一つのことに集中する必要がある。

 

0−3 アクションプランをつくる

エグゼクティブとは行動する者である。行動の前には計画しなければならない。アクションプランとは意図であって絶対の約束ではない。頻繁に修正していくべきものである。アクションプランなくしては、すべてが成り行き任せとなる。

 

0−4 行動する

意思決定は定期的に見直さなければならない。変化を脅威ではなく機会として捉える。問題に圧倒されて機会を見失うことがあってはならない。会議の生産性をあげるには、事前に目的を明らかにすることが必要である。

 

0−5 「私は」ではなく「われわれは」を考える

組織のニーズと機会を考える。もうひとつ、重要なことは「聞け、話すな」がある。成果をあげることは習慣である。したがって、他の習慣と同じように身につけることのできるものである。そして、身につけなければばならないものである。

 

 

第1章 成果をあげる能力は修得できる

1−1 成果をあげる者はなぜ必要か

現代社会は組織の社会である。中心的な存在は頭脳を用いて仕事をする知識労働者である。知識労働者が成果をあげるには、適切な仕事に取り組まなければならない。知識労働者は自らをマネジメントしなければならない。

 

1−2 エグゼクティブとは

知識労働者は命令に沿って行動すればよいというわけにはいかない。自らの貢献について責任を負わなければならない。目標や基準や貢献は自らの手の中にある。

 

1−3 働く者を取り巻く組織の現実

外の世界への奉仕という、組織にとっての唯一の存在理由からして、外の環境に対する貢献が目的である。意図的に外の世界を知覚すべく努力しなければ、やがて内部の圧力によって外の世界が見えなくなる。

 

1−4 成果を大幅に改善する方法

仕事と成果を大幅に改善する唯一の方法が、成果をあげる能力を向上させることである。仕事ぶりの向上は仕事の方法の改善によって図らなければならない。

 

1−5 成果をあげる能力は修得できるか

成果をあげる人のタイプなどというものは存在しない。成果をあげることは一つの習慣である。実践的な能力の集積であり、その能力は修得することができる。身につけるよう何度も反復することである。その能力は5つある。

1)時間を管理する 

2)貢献に焦点を合わせる 

3)強みを基盤にする 

4)領域に集中する 

5)意思決定をする

 

第2章 汝の時間を知れ

2−1 時間は普遍的な制約条件

成果をあげる者は仕事からスタートしない。計画からもスタートしない。時間からスタートする。時間が何にとられているかを明らかにし、そして自由になる時間を大きくまとめる。時間を記録する、整理する、まとめるの3段階にわたるプロセスが成果をあげるための時間管理の基本となる。

 

2−2 必要とされる時間

成果をあげるには大きな固まりの時間が必要である。知識労働者には自らの方向づけを自らさせなければならない。

 

2−3 時間の使い方を診断する

知識労働においては時間の活用と浪費の違いは成果と業績に直接現れる。その第一歩は、実際の時間の使い方を記録することである。時間の使い方は練習によって改善できる。だが、たえず努力しないかぎり、仕事に流される。

 

2−4 時間浪費の原因を整理する

周期的な混乱、繰り返される混乱。2度起こった混乱を3度起こしてはならない。マネジメントが行き届いた工場は静かである。理想的に設計された組織とは会議のない組織である。みなが会議をしている組織は何事もなしえない組織である。

 

2−5 自由になる時間をまとめる

まず初めに本当に自由な時間がどれだけあるかを計算しなければならない。時間は稀少な資源である。時間を管理できなければ、何も管理できない。

 

第3章 どのような貢献ができるか

3−1 貢献へのコミットメント

成果をあげるには、手元の仕事から顔を上げ目標に目を向ける。組織の成果に影響を与える貢献は何かを問う。「どのような貢献ができるか」を自問する。なすべき貢献には3つの領域の成果を必要とする。それは直接の成果、価値への取り組み、人材の育成である。「自分にできて人にできないことで、もし本当にうまくやれば会社を大きく変えるものはなにか」を自問する。

 

3−2 専門家に成果をあげさせるには

知識労働者は一つのことだけ、すなわち専門家したとき大きな成果をあげる。

 

3−3 人間関係のあるべき姿

生産的であることが、よい人間関係の唯一の定義である。4つの基本的な能力、コミュニケーション・チームワーク・自己啓発・人材育成。知識労働者は、自らが課す要求に応じて成長する。自らに少ししか求めなければ成長しない。多くを求めるならば何も達成しない者と同じ努力で巨人に成長する。

 

3−4 会議の成果をあげる

何を目的とすべきか知らなければならない。会議を成果あるものにするには、会議の冒頭に目的と果たすべき貢献を明らかにすること。

 

第4章 人の強みを生かす

 4−1 強みによる人事

組織は人の弱みを意味のないものにすることができる。優れた人事は人の強みを生かす。組織とは強みを成果に結びつけつつ、弱みを中和し無害化するための道具である。人間性と真摯さがなければ、ほかのあらゆるものを破壊する。

 

4−2 上司の強みを生かす

上司の強みを生かすことは部下自身が成果をあげる鍵である。人には「読む人」と「聞く人」がいる。読む人に対しては口で話しても時間の無駄である。

 

4−3 自らの成果をあげる

自らの仕事においても、まず強みからスタートしなければならない。自らのできることの生産性をあげなければならない。「ほかの人には難しいが、自分には簡単にやれることは何か」を考える。自らが得意であると知っていることを、自らの得意な方法で行うことによって成果をあげなければならない。リーダーの仕事ぶりが高ければ、普通の人の仕事ぶりも高くなる。エグゼクティブの任務は人のもつあらゆる強み・活力・意欲を動員することによって全体の能力を増加させることである。

 

「経営者の条件」本の上田惇生先生のサイン

 

第5章 最も重要なことに集中せよ

5−1 一つのことに集中せよ

 成果をあげる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことだけしかしない。

 

5−2 過去を計画的に廃棄する

集中のためには過去のものを捨てることである。計画・活動・仕事を常時点検し、これはいまも価値があるかを問う。新しい活動を始める前に必ず古い活動を捨てる。古いものの計画的な廃棄こそ、新しいものを強力に進める唯一の方法である。

 

5−3 劣後順位の決定が重要

本来行うべきことは、劣後順位の決定、取り組むべきではない仕事の決定とその遵守が至難だからである。逆に優先順位の決定には重要な原則がある。問題ではなく機会に。横並びではなく独自性に。無難で容易なものではなく変革をもたらすものを選ぶ。集中とは自ら意思決定する勇気のことである。

 

第6章 意思決定とは何か

6−1 エグゼクティブ特有の仕事

個々の問題ではなく、根本的なことについて考えなければならない。決定は実務レベルに下ろさないかぎり決定とはいわず、よき意図にすぎない。

 

6−2 二つの実例

成果をあげる意思決定は、すべて最高の概念的水準において問題と取り組んでいた。いずれも何についての意思決定かを検討して原則を明らかにした。その時々のニーズに対する対応としてではなく、戦略的な意思決定として取り組まれていた。

 

6−3 意思決定の要因

成果をあげる意思決定の5つのステップ

1)問題の種類を知る

2)必要条件を明確にする

3)何が正しいかを知る

4)行動に変える

5)フィードバックを行う

 

第7章 成果をあげる意思決定とは

7−1 正しい意思決定の要件

意思決定とは判断である。いくつかの選択肢からの選択である。意見は未検証の仮説にすぎず、したがって現実に検証されなければならない。正しい決定は、共通の理解と、対立する意見、競合する選択肢をめぐる検討から生まれる。

 

7−2 意思決定とコンピュータ

今日では、意思決定する能力は、知識労働者にとってまさに成果をあげる能力そのものである。

 

終章 成果をあげる能力を修得せよ

8−1 成果をあげることは使命

本書は教科書ではない。成果をあげることは学ぶことはできるが、教わることはできないからである。つまるところ、成果をあげることは修練である。成果をあげることは、個人の自己開発のために、組織の発展のために、そして現代社会の維持発展のために死活的に重要な意味をもつ。知識やスキルや習慣をいかに身につけたとしても、まず初めに成果をあげるための能力を向上させておかなければ何の役にも立たない。

 

8−2 現代社会に不可欠なもの

成果に向けたエグゼクティブの自己啓発こそが、手にしうる唯一の答えである。それは組織の目標と個人の欲求を合致させる唯一の方法である。まさにエグゼクティブは成果をあげる能力を修得しなければならない。

 

 

『経営者の条件』アマゾンサイト

 

 

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花岡 俊吾
アウトドアライター/記事制作者   1965(昭和40)年、北海道恵庭市生まれ。高崎経済大学卒業、(株)ピーアールセンターにて広告・マーケティング業務に従事。2007年独立、「北海道体験.com」のプロジェクトに参画。人口減少の道内経済に貢献すべく、北海道の新しい体験観光情報の発信をライフワークにする。カメラを片手に、年間100日以上をアウトドアフィールドやキャンプ場の取材活動。新聞記事連載やWEBコンテンツ制作がメインの仕事。P.F.ドラッカーの読書会、札幌ビジネス塾に10年以上通い、上田惇生先生のサイン入り『経営者の条件』は家宝。著書に『アウトドア&感動体験ガイド北海道』(北海道新聞社)。休日はマラソンと登山に勤しむ。

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