経営者の条件 / P・F・ドラッカー 要約と、ドラッカー学会理事が紹介・解説

ドラッカー名著集1 経営者の条件

『経営者の条件』(1966)

セルフマネジメントの中核である「成果をあげる習慣的能力」を学ぶことができます。

 

 

 

 

 

①:経営者の条件 各章と主要な見出しの紹介  

序 章:成果をあげるには-P1

     ・八つの習慣-P2

     ・なされるべきこと、組織のことを考える-P3

     ・アクションプランをつくる-P5

     ・行動する-P7

     ・「私は」ではなく「われわれは」を考える-P14

 (成果をあげるための8つの習慣について詳しく解説されています。)

 

第1章:成果をあげる能力は修得できる-P17

     ・成果をあげるものはなぜ必要か-P18

     ・エグゼクティブとは-P25

     ・働く者を取り巻く組織の現実-P27

     ・成果を大幅に改善する方法-P37

     ・成果をあげる能力は修得できるか-P40

 (成果をあげること、その能力を習得する重要性について詳しく解説されています。)

 

第2章:汝の時間を作れ -P45

     ・時間は普遍的な制約条件-P46

     ・必要とされる時-P49

     ・時間の使い方を診断する-P57

     ・時間浪費の原因を整理する-P64

     ・自由になる時間をまとめる-P71

 (成果をあげるための時間管理について詳しく解説されています。)

 

第3章:どのような貢献ができるか-P77

     ・貢献へのコミットメント-P78

     ・専門家に成果をあげさせるには-P88

     ・人間関係のあるべき姿-P91

     ・会議の成果をあげる-P97

 (成果をあげるための貢献の大切さについて詳しく解説されています。)

 

第4章:人の強みを生かす-P101

     ・強みによる人事-P102

     ・上司の強みを生かす-P127

     ・自らの成果をあげる-P130

 (成果をあげるための強みを生かすことについて詳しく解説されています。)

 

第5章:最も重要なことに集中せよ-P137

     ・一つのことに集中せよ-P138

     ・過去を計画的に廃棄する-P142

     ・劣後順位の決定が重要-P147

 (成果をあげるための集中する事など行動にについて詳しく解説されています。)

 

第6章:意思決定とは何か-P153

・エグゼクティブ特有の仕事-P154

     ・二つの実例-P155

     ・意思決定の要因-P165

  (成果をあげるための意思決定について詳しく解説されています。)

 

第7章:成果をあげる意思決定とは-P191

     ・正しい意思決定の要件-P192

     ・意思決定とコンピュータ-P209

 (成果をあげるための意思決定についてさらに詳しく解説されています。)

 

終 章:成果をあげる能力を習得せよ-P217

     ・成果をあげることは使命-P218

     ・現代社会に不可欠なもの-P224

 (成果をあげるということについてドラッカー教授の見解を詳しく解説されています。)

 

②ドラッカー学会理事 佐藤等先生による『経営者の条件』紹介

『経営者の条件』(1966)は、原タイトル“The Effective Executive”のとおり、成果をあげることを期待されるすべての方に必携の一冊といえるでしょう。そのような性格の本書は、書店の本棚では「自己啓発」コーナーに並べられてもおかしくありません。

 

自己啓発書のベストセラーに成功哲学の原典ともいうべきジェームズ・アレンの代表作『原因と結果』(AS A MAN THINKETH 1902)があります。本書を読むと帳簿つけ、羊飼いなどの職業は出てきますが、組織で働く人の姿はまったく見当たりません。出版時期から考えると企業などの組織で働く人はまだメジャーな存在でなかったことがわかります。

 

時代は進み、アメリカで二人の成功哲学者が生まれ、現代でもなお大きな影響力を誇る存在となっています。一人は、成功哲学の父とも言うべきディール・カーネギーです。代表作に『人を動かす』(How to Win Friends and Influence People 1936)があります。人に影響力を行使する方法や心構えが書かれており、世界で1500万部以上売れている大ベストセラーとなっています。

 

さらに「成功哲学」を体系化した人物といわれているナポレオン・ヒルの存在があります。代表作に『思考は現実化する』(THINK and GROW RICH 1937)があります。アンドリュー・カーネギーやヘンリー・フォードなど立志伝中の人物へのインタビューをまとめたものです。内容は、願望、信念、潜在意識など個人の心の姿勢を説くものが多く、企業家個人のバイブルとしての性格が色濃く出ています。

 

これら三つの代表作の出版は、いずれも第二次世界大戦前です。そして戦後、最も影響力を及ぼした自己啓発書は、世界で2000万部以上を売り上げている『七つの習慣』(The 7 Habits of Highly Effective People 1989)です。同書は、個人、家庭、組織での成功の原則を明らかにしたもので、今では組織と個人の関係は成功の大前提です。

 

これら大ベストセラーの間にあって、自己啓発書として確固とした位置づけを得るべき存在が『経営者の条件』です。しかも知識労働者のための自己啓発書として先駆的存在です。現代社会における一人ひとりの自己実現は、組織の存在抜きには語れません。組織の中でいかに自己実現を達成するのか。それがドラッカー教授が向き合ったテーマです。

 

ドラッカー教授は「組織は道具である」といいます。同書は、組織を使って成果をあげ、人生をいかに豊かに生きていくかという視点から、人生100年時代の今こそ、不可欠の1冊といえましょう。

(引用:ドラッカー教授の『経営者の条件』が自己啓発書?

 

③経営者の条件を読むときの注意点:【マネジメントは学ぶことはできるが、教えてもらうことはできない】

ドラッカー教授が「成果をあげることは学ぶことはできるが、教わることはできない」『経営者の条件』とおっしゃっています。

 

それは、学ぶとは身につけるということに他なりません。

 

教えてもらうという姿勢から生じるのでしょうが、マネジメントが座学で身につくという誤解があります。

 

佐藤先生はマネジメントのテキストを求めて古今東西の書籍を探したことがあります。しかし1冊も手にできませんでした。ちなみにマネジメントを教えてくれる先生に未だに出会ったこともありません。

テキストもない、先生もいない世界。

それが、マネジメントが置かれている世界です。

 

このようなことから分かる、実践の妨げになる一つの誤った思考があります。

「ある範囲の情報を知ってから行動を起こそう」

 

この思考の根底には、「ある範囲の情報を知って点数をとればいい学校に入れる」という教育の弊害があるように思います。

 

社会に出れば誰でも常に通用する模範解答はないことは知っています。しかし、いつまでも「誰かが教えてくれるある範囲を知ることが重要である」との思考は抜けないのです。

マネジメントにおいて「ある範囲の情報」という考え方は存在しません。あるのは行動に必要な一つの言葉(情報)です。

 

つまり今必要としている情報は何か。そこを起点とすることです。

 

一つの情報を実践して、はじめて一つの知識を手にすることができます。一つの知識は次の情報を要求します。こうして一群の知識が形成されます。この範囲を増やしていくことがマネジメントを身につけていく唯一の道筋です。

(引用:【ドラッカーの名言に学ぶマネジメントを実践するための秘訣】その3 学ぶことはできるが教えてもらうことはできない

 

④まとめ


・経営者の条件は、セルフマネジメントの中核である「成果をあげる習慣的能力」を学ぶことができます。


・経営者の条件は、働くすべての人たちが自己実現するために必要なセルフマネジメントを教えてくれる本なので1人1冊は持っておこう!

(ちなみに「実践するマネジメント読書会🄬」参加者には、メモ書きや、その時に必要となった言葉を記録しておくために、数冊所持している人が多いです!)


・読む前からの注意点・・・情報と知識 教えてもらうことと学ぶは別物である!

 

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