[自分の強み(長所)の見つけ方/自分を活かすトリセツのつくり方] 【第2回】あこがれた職業は、自身の仕事観を示す。


Q:あなたが、これまでにあこがれた職業は何ですか?

「自分トリセツ(自分取扱説明書)」の最初のページに書いてほしいのは、この問いとそれに対する回答です。

ドラッカー教授は、ナレッジワーカーの強みを大きく三段階に分けて説明しています。(『明日を支配するもの』参照。)

  • 資質(強みの中核ともいうべきもの)
  • ワークスタイル(仕事の仕方)
  • 価値観

子供の頃にあこがれた職業には、職業観や仕事に対する価値観が反映されます。
遠い記憶をさかのぼって、子供のときに限らず、これまでにあこがれた職業を、10個くらいリストアップしてみてください。
「ちょっと考えたけど、無理と思ってすぐにあきらめた」というものも、あげていただいてかまいません。

【重要なのは、その職業に就いたときに何をしたかったか】

リストアップしたら、次に、それらの職業の一つ一つについて、「その職業に就いたら何をしたかったか?」を考えてみてください。
あこがれた職業は、その人の将来の夢の「仮の姿」でもあります。

以前に、この質問ワークを経営者の勉強会で行ったときのこと。
60名くらいの会場は、大いに盛り上がりました。

終わったときに、お一人が興奮ぎみにごあいさつにいらっしゃいました。いわく、

「私はこれまでずっと、何一つ夢をかなえることができなかった、と思って過ごしてきていました。
 でも、おどろきました!すべて今の仕事でかなえていました!」

ちなみに、その職業に就いたときにやりたかったことは、他人から見れば意外なものであったりします。
「この職業なら〇〇に決まっている」と考えると思考停止するのでご注意を。

例えば、これまで「ケーキ屋さん」をあげた方が何人かいらっしゃいました。
その職業に就いたらやりたかったことは、
 「腹いっぱいケーキを食べたかった。」
というものもありましたが、
 「喜ぶ子供たちの顔が見たかった。」
 「似顔絵をケーキに描きたかった」
 「とても印象に残ったケーキを、自分もつくれるようになりたかった」
など様々です。

【仕事から得られる喜びを大切に】

とても優秀な看護師からのカラーセラピストに転身された方は、

「憧れだった看護士に苦労してなれたのに、なぜ躊躇なく辞めてしまったかが、いまわかりました。」

とおっしゃいました。そして、これまでの経緯を話してくださいました。

  • 小学生の頃、入院していたおばあちゃんの退院に付き添ったとき、笑顔で送り出してくれる看護師さんにあこがれた。
  • そのことをすっかり忘れていたけれど、進路の職業適性検査で看護師適正と出て、親や学校の先生からも進められたので、それも悪くないな、と進路選択。
  • 最初は、看護師として生き生きと仕事をしていた。
  • けれど、末期患者の病棟の配置になってから、仕事が嫌になり、続けられなくなった。
  • 今わかったことは、「元気になった方を笑顔で見送ること」が自分のやりたかったこと。
  • 今行っているカラーセラピストは、まさにやりたかったことを毎日させてもらっている。

・・というお話でした。

その方にとって、仕事から得られる喜びは、『回復された方の笑顔での感謝の言葉』であり、『その方を笑顔で送り出す自分の姿』だったのかもしれません。
そういわれると、職業は「看護師」が合っている、というのは間違ってはいなかったはずです。
けれど、「職業」という区分は(「サムライ」や「電話交換手」のように)次の時代には変わっているかもしれないのです。

どんなに時代が変わったとしても、

どんな仕事なら、自分は仕事に誇りと喜びを感じて続けることができるか、

を自分にも周囲にも明らかにする機会にして頂ければと思います。

Q:これまでにあなたが憧れた職業は何ですか?
Q:その職業に就いて何をしたかったのですか?

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清水祥行
『ドラッカーを読んだら会社が変わった!(日経BP社刊)』編集協力。 中小企業におけるドラッカーのマネジメント実践をサポートする[実ドラ・実践ナビゲータ]。 『実ドラ:実践するドラッカー』シリーズ(ダイヤモンド社)をテキストに、1日一冊で、マネジメントを実践的&体系的に学ぶ[実践するマネジメント講座]の講師を全国で務める。  趣味は、受講企業に訪問して実践事例を取材するとともに、自社では気付かない強みをフィードバックすること。

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