テレワークをサボる部下に仕事をさせるには?

コロナ禍に伴い、世界中で一気に普及したテレワーク。

あなたもすでに体験済みかもしれませんね。通勤しなくていい、家族との時間が増えたなどのメリットがある半面、残業が増えた、コミュニケーションがうまく取れないなど、デメリットもあります。

中でも、「部下のサボりグセをどうにかしたい!」と感じている管理者の人は少なくないようです。そこで今回は、サボりがちな部下に仕事をさせるには?と題して、具体的な対処法を詳しくお伝えしていきます。ぜひ、参考にしてください!

『[実践するマネジメント講座]講師・清水先生の魔法の問い!』

最後に、清水先生から読者のみなさまに行動を促す大切な【問い】と、解説がついたスペシャルコンテンツとなっていますのでぜひ最後までお読みください。

では、スタート!

なぜ、あなたの部下は仕事をサボるのか?

そもそも、なぜ、あなたの部下は仕事をサボるのでしょうか? というか、その前に仕事をサボっている決定的な証拠は掴んでいますか? 実は、テレワークをしている多くの人たちは、証拠がないにもかかわらず、「きっとアイツは、仕事をサボっているに違いない!」と感じてしまいがちだと言われています。こちらのグラフを見てください。

出典:株式会社ヌーラボ
テレワークと“サボり”の関係性に関するアンケート調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000210.000025423.html

注目したいのは、年代が上がるほど他人のサボりを疑う傾向にあることです。疑われた方は、かなりいい迷惑ですよね。つまり何が言いたいかというと、社内で「サボり」の基準を決めておかないと、個々が独断と偏見で誰かに対して「サボり認定」しがちなのです。

もし、何をもって「サボり」とするのか、社内で基準を決めていないなら、これを機に検討してみてください。その基準を満たさなかったとき、初めて「サボった」と判断すればいいのです。そうしないと、「サボった」「サボってない」といったイタチごっこを続けることになります。

サボる人はどこでもサボる!

「テレワーク=サボりやすい」といったイメージを持つ人が多いようです。でも、必ずしもそうとは言い切れないでしょう。こちらのグラフを見てください。

出典:株式会社ヌーラボ
テレワークと“サボり”の関係性に関するアンケート調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000210.000025423.html

テレワークとオフィスワークを比較した際、どちらの方がよりサボり気味かを、まとめたものです。20代を除き、「テレワーク」と「働く場所は関係ない」という2つの回答が、だいたい同じ割合となっています。

つまり、テレワークだからサボりやすいとは、必ずしも言い切れないわけです。ある意味、サボる人はどこでもサボると言えるでしょう。そう考えると、テレワーク導入に伴い業務ツールなどを活用して監視したとしても、根本的な解決にはならないことがわかります。

サボり対策のやりすぎは「社内分断」のきっかけに

サボり対策をすれば、サボる人を減らせることは事実です。こちらのグラフを見てください。業務ツールはサボり抑制に効果があるかをまとめたものです。アンケートの対象は、テレワーク導入済みの企業となっています。

出典:株式会社ヌーラボ
テレワークと“サボり”の関係性に関するアンケート調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000210.000025423.html

全体の約70%が、「効果があると思う」または「ある程度効果があると思う」と答えました。業務ツールに頼れば、サボる部下に仕事をさせることはできそうです。でも、考えてみてください。業務ツールを使うということは、いつも誰かに監視されている中、仕事をするようなものです。

うまくいくケースもあれば、失敗するケースもあるでしょう。特に気をつけたいことは、ふだんから真面目に仕事をしている人を、巻き込んでしまうことです。「サボらず働いているのに、なんで監視されなきゃならない!」と、不快な気持ちになるかもしれません。つまり、サボり対策をやり過ぎると、社内分断のきっかけになることがあるのです。

では、サボる部下を減らしつつ、真面目に働いている従業員から反発を受けないためには、どうしたらいいのでしょうか? おすすめの方法は、「ドラッカー理論」を学ぶことです。

サボる部下を減らしたいなら「ドラッカー理論」を学べ!

「ドラッカー理論」とは、マネジメントの父であるP.F.ドラッカーが提唱したものです。2009年発刊の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの”マネジメント”を読んだら」をきっかけに、改めて注目を集めました。

なぜ、サボる部下を減らしたいなら、「ドラッカー理論」を学べばいいのでしょうか?簡単に言うと、組織づくりの基本を理解することができるからです。住宅に例えると、家の基礎部分を作るようなものでしょう。

基礎をしっかりと作らない場合、頑丈な家を建てることはできません。組織も同じことです。ベースを学ばないと、繰り返し部下のサボりグセと格闘することになります。

具体的に、何から学べばいいか迷った時は読書会にご参加ください。

読書会の種類は

  • ベーシックコース/エグゼクティブ編
  • ベーシックコース/プロフェッショナル編
  • はじめてドラッカーを読む方のための読書会(毎月開催)

これからドラッカーを学びたいという方は「はじめてドラッカーを読む方のための読書会」への参加をおすすめいたします。オンラインでの開催で参加無料!まずは読書会がどんな雰囲気か ご自身で体験してみてください!

きっと、参考になるヒントを得ることができるはずです。

実践するマネジメントオンライン読書会の進め方・開催日時・ファシリテーターの紹介・参加方法

テレワークでさぼる部下についての問いと解説

みなさんはきっと検索した情報だけではない、実践家、専門家の実例や解説を聞いたり、すぐに自分でも実践できる事例が知りたいのではないかと思い、

経営者やリーダーの支えとして、全国の会場やオンラインで読書会を開催している【実践するマネジメント読書会】の清水先生に、上記を読んだうえでさらに【自らに問いをたてて】もらい、その問いに関する解説を付けていただきました。

あなたの問い

Q1:あなたのチームには、チームの目指す目標や成果まであとどれくらいかを示す装置や仕組みはありますか?

Q2:あなたの組織には、チームメンバーがそれぞれ、自分の仕事の出来映えやできた量を知る仕組みはありますか?

Q3:あなたの組織には、チームメンバーそれぞれについて、お互いに「どれほどの進捗か」を知る仕組みはありますか?

▼問いの解説

はかどっているかどうかが「監視」によって判る仕事は、実はほんの一部です。
工場などでの作業労働であったり、データ処理、請求事務、消費者対応などのサービス労働がそれに該当するでしょう。

これらの仕事は、一定の品質でより多くを求められる仕事です。
ですから本来は、品質と生産量を実施者自身がチェックできる仕組みがあれば、監視役は不要です。

むしろ作業的な労働をしている人たちの「監視役」として、高給を受け取る人の時間や意識が拘束されていること自体が無駄といわざるをえません。
(※ほかの人よりも仕事が早いために勤務時間が余ってしまう方が「仕事を早々に終えて休憩している」ことを問題にするかどうかは、本来は、賃金規定や職務規定、就業規則の問題かもしれません。)

本当に問題なのは、監視していても「はかどっているかどうか」が判らない仕事です。
例えば、文案を練ったり、企画や開発、研究をしている人たちの様子を見ていても、表情しか読み取れないでしょう。
(こうした仕事をする人の方が、大抵は作業労働者より賃金は高く、仕事の影響度もずっと大きいはずです。)

こうした仕事については、本人がセルフマネジメントするしかありません。

上司は、部下が迷走しないように、チーム全体の方向や判断基準を示し、自分も含めた「チームメンバー同士の仕事の進捗がわかるような環境」を作るところまでしかできません。

そのうえで、上司自身がQ1~Q3に答えて、自分の役割とその進捗をメンバーに発信するところから始めましょう。
そして・・・監視する人とされる人の間に生まれる分断と緊張を終わらせましょう。

マネジャーはいわば先頭列車です。セルフマネジメントに取り組まない上司の後ろに、セルフマネジメントができる部下が付き従うはずはないのですから。

★★★ドラッカーの言葉★★★

評価とは上からの管理ではなく、自己管理を可能にするためのものである。
この大原則を破っていることが、
マネジメントの仕事のうち評価測定が最も貧弱な分野になっている原因である。

『マネジメント〈中〉』p.28

【解説者】清水祥行プロフィール

Dサポート株式会社代表取締役、ナレッジプラザ・ドラッカー読書会認定ファシリテータ
一般財団法人しつもん財団認定ビジネス質問家、経済産業省登録中小企業診断士(平成8年登録)

清水祥行
『ドラッカーを読んだら会社が変わった!(日経BP社刊)』『ドラッカー教授組織づくりの原理原則(日経BP社刊)』編集協力。 中小企業におけるドラッカーのマネジメント実践をサポートする[実ドラ・実践ナビゲータ]。 『実ドラ:実践するドラッカー』シリーズ(ダイヤモンド社)をテキストに、1日一冊で、マネジメントを実践的&体系的に学ぶ[実践するマネジメント講座]の講師を全国で務める。  趣味は、受講企業に訪問して実践事例を取材するとともに、自社では気付かない強みをフィードバックすること。

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