あなたの強みを生かす働き方は、
その多くがこれまでの働き方とは「逆転」の発想が必要です。
その一つ目の「逆転」の働き方は「頼まれたとおりにしない」でした。
前回は、相手(依頼者:お客様や上司など)の本当の期待が何かを知らずに
「相手のいった通りを信用してはならない」ことをお話しました。
今回は「頼まれたとおりにしない」の二回目です。
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相手の置かれた状況や立場、環境(=現実)を理解する
今回は、相手がおかれている現実を知ることについて考えてみたいと思います。
「仕事」には、その仕事によって喜ぶ相手があります。
そこが責任のない、自分にベクトルを向けた「趣味」とは違う部分です。
さらに、組織社会であるこんにち、ほとんどの仕事には、
相手(依頼者:お客様や上司や同僚)の向こうに「さらなる相手」がいます。
それは、卸売業者にとっては
「小売業者」というお客様の向こうに
「最終消費者」という”お客様のお客様”がいるように、です。
しかし、BtoBの事業をしている企業に限ったことではありません。
総務などの社内支援スタッフにとっては、依頼者である顧客担当者の「担当先」がそれにあたるかもしれません。
依頼者が上司である場合は、上司の向こうに、さらにその上の上司がいたりします。
食材を買ってくれる主婦は、最終消費者とも言えますが、その向こうに家族がいたりします。
ですから、何かを頼まれたときには、相手が言ったことそのものだけでなく、
相手の置かれた状況や立場、環境(=現実)についての理解がなければ、
いい仕事をしたつもり。の”ひとりよがり”になる可能性があります。
お客様は、自分たちが生み出した価値を利用してくれるか
重要なのは、相手の置かれた状況の中で、
自分たちが生み出した価値を利用してくれるかどうかです。
これは、セミナーやコンサルティングをしている私たちが
いつも肝に命じていることです。
どんなに良い話をしても、
どんなに良いアイデアだと思っても、
相手がそれを利用してくれない限り、
私たちは無価値なのです。
****(ドラッカー教授の言葉)******
ほかの者が
彼の貢献を利用してくれるときにのみ、
成果をあげることができる。
『経営者の条件』p.30
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”自分”ではなく、”相手”が価値を生み出せるように考える
自分たちの仕事の価値を利用してもらうためには、
お客様の置かれた状況を知らなければなりません。
私たちの商品やサービスを提供した後、
お客様はどんな行動をとるのか?
それを知らずに「言われたこと」の表面だけを読み取っても、
良い仕事・・・価値をその向こうにいる方々につなげることはできません。
相手の状況を知れば、それに応えて
相手がより価値を生み出せるような情報・・・例えば、
商品を提案する際に、
先方の仕入担当者が上司を説得するための資料を用意したり、
食材を提供する際に、
手軽につくれるレシピや産地からの情報を入れたり、
といった有効な方法を検討することもできるのです。
いわれた通りにやろうとするのではなく、
相手の状況を知り、より相手が価値を生みだせるお手伝いをしてみませんか?
きっと、その時に、あなただからこそ。
という独自の強みが発揮されるはずです。
Q:相手の向こうにどんな人がいますか?
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