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ドラッカーマネジメントの中核―自分の強み(長所)の見つけ方 シリーズ一覧
あなたの”MYブーム”を考える
前回の「ワクワクする苦境(?)」は、見つかりましたでしょうか?
「他人にとって」の苦境なので、本人にとっては「単なるワクワク&ドキドキの場面」という可能性が高いため、見つからなかったという方は、範囲を少し広げてみたり、周囲の人と話し合ってみても良いかもしれません。
たとえば・・・日常生活の中でも、
「レシピを見ながら、作ったことのない料理をつくること」は、
ある人にとっては苦痛でしかないけれど、誰かにとっては至高のお時間だったりします。
「土づくりから手がける家庭菜園」は、
ある人にとっては「それが面倒だからやらない。」原因になり、
ある人にとっては「それこそが生きがいになる」
といったように、
実は趣味や余暇の部分で見かけることができます。
ほかの人からすれば、「そこまでするの?よくやるよね・・・・」と敬遠され、呆れるような面倒な行動のなかに、
どんな刺激やどんな条件づけで、自分は楽しくなるのか?
つまり・・・なにがきっかけで頭の働きが活性化するのか?
を知るための要素が詰まっています。
ちなみに私は、何らかの視点で関連するものを時系列で並べて年表を作るのにハマった時期があり、
いまでも何かを整理する際、年表を作ります。
「そんなものまで調べたの?」といわれるものから情報を集め、
「そんなに時間をかけたの?」と言われるくらいの時間をかけて関連づけて整理し、
「よくやるよねー。」と半ば引いた感じで言われても(笑)、本人とってには楽しいことなのです。
楽しくなって頭がぐるぐる回り始めたら、
それがきっかけで改善工夫をくりかえしながら「最高のものにしよう!」という意欲に火がつき、
その試行錯誤の中で私たちは、さまざまな仕事の仕方を身につけていきます。
だから、まずは、どんな刺激やどんな条件づけをすれば自分は、
頭が活性化して楽しくなってしまうのかを知ることが、日常生活はもちろん仕事を楽しくするために必要なのです。
もし、職場も家庭も、周囲の方が認識すれば、なおいっそう快適で豊かな人生をおくることができるようになるかもしれません。
「仕事が刺激を与えるのは、成長を記しつつ、自ら興奮と挑戦と変化を生み出すときである。」
『非営利組織の経営』 P.F.ドラッカー p.218
私はこの自分を動機づける特徴を発掘するためのワークを、”MYブーム歴” と名付けて、さまざまな「強み発掘」の場面で使ってきました。
これは、これまでにハマったもの、のめり込んだものを挙げて、その共通点や掘り下げた質問から、その人の個性を探るためのものです。本来は、社員研修やセミナーの場面で用いるものですが、かたくるしいものではなく、遊び半分(?)でやっても、相互理解が深まるので、セミナー後の懇親会や、一緒に働くスタッフとの食事の場面などでも、さりげなく使ってお互いのお話のネタにしています。
この個性分析は、大きく分けて二段階に分かれます。
第一段階は、あなたの”MYブーム列挙”です。
Q:これまでにハマったものを10個挙げてください。
まずは、これまでの人生がご自身が、ブームとしてのめり込んだものを挙げてください。
寝る時間がもったいないとか、楽しんでいる最中には母親からの「ご飯よ〜。」の声も面倒に感じられた、あののめり込んだ時間です。あるいは、お小遣いの全て、大人になってからは食費や生活費を削ってまでつぎ込んだ、あのコレクションや体験です。
とりあえずは、10個ほどあなたの”MYブーム”を列挙してください。
たくさん思いつく方は、十個という数字に縛られることなく、たくさん挙げてみてください。
挙げる際の注意点
1)詳しく書く。
「読書」「音楽鑑賞」「映画鑑賞」といったような、履歴書の模範記入例のように大まかな項目で終わらせないことです。
読書なら、「推理小説ばかり読んだ時期があった。」とか、推理小説の中でも「コナン・ドイル」にハマったのか、「アガサ・クリスティー」にのめり込んだのか、「江戸川乱歩」なのかより詳しく書いていただきたいのです。(好きな作家によって、その方の個性・持ち味が違うような気がしませんか?)
2)いま、ここでの回答でよい。
10個挙げるのにどれくらの時間がかけるか?という疑問があるかと思いますが、これまでの経験上、記憶をたどる一定の時間が必要なので7、8分という方が多いようです。
もちろん個人差はあって、1時間あろうが1日あろうが10個浮かばないという方もいらっしゃいます。
セミナーや研修では、「いま、ここでの回答で構いません。◯分で10個程度、書けるだけ書いてください。」とお伝えしています。
1時間かけて思い出すとすれば、その「1時間を確保すること」が大変になり、前に進みません。
「こんな短い時間でなく、自宅に帰ってゆっくりと正確に書き出したい。」という方もいらっしゃいますが、
その後、自宅に帰ってからやったという方にお会いしたことがありません(笑)
そもそも正確なものが一度でできるはずもないので、最初の仮説(=いま、ここでの回答)しかできないのです。
※ ちなみにこれは、『一回でじっくり時間をかけて正確なものを作る。試行錯誤の行ったり来たりは苦手。』というワークスタイルの表れでもありますが。
Q:その一覧からあなたが気づく共通点や傾向はありますか?
MYブームがかけたなら、それをざっと見て共通点や傾向がないか見てみましょう。
ちなみに、以下に私が以前にやったときにでたものを例示しますが、
「他人の例を見るとその内容に引きずられてしまう」という方は見ないでくださいね。
私(清水)の場合、小さい頃は
・ウルトラマン
・恐竜
・宇宙戦艦ヤマト
から始まり
・城跡めぐり
・古戦場めぐり
・孫子の兵法
・”カサブランカ”などのクラシックと呼ばれる名作映画
・ヨーロッパ一周2ヶ月放浪
社会に出てからは
・海音寺潮五郎や司馬遼太郎などの歴史小説
・ドラッカーの著作
といったものが挙がりました。
ここからどんな共通点や傾向が見えるでしょうか?
もしよろしくければ、例題として使ってみてください。
次回は、このMYブーム歴の第二段階【質問を使って傾向を深掘りする】に挑戦してみたいと思います。
Q:これまでにハマったものを10個挙げてください。
Q:その一覧からあなたが気づく共通点や傾向はありますか?
ここまでの記事
【第1回】あなたの『自分取扱説明書』をつくりましょう!
【第2回】あこがれた職業は、自分の仕事観を示す。
【第3回】自分の仕事を「作品」として見てみる
【第4回】作品(仕事)を振り返って気づくこと
【第5回】“楽”ちんなことは“楽”しめない
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