『実践するドラッカー』は、年齢・性別・業種・会社の大きさに関係なく、あらゆる人間が成果を出せるようにつくられた本である。
2010年の1月に刊行されて以来、10年以上もロングセラーヒットを記録している。
オビにもあるとおり、本シリーズはドラッカー教授の知見を1冊に凝縮した本であり、一流の仕事を成すプロフェッショナルのワークブックとなっている。
この本は、読むというよりは「使う」本だ。
ドラッカーのことばを引用して、そのことばの意味を現実にあわせて解説してくれる。時に、ことばをかみくだいて。時に、実際の企業経営の実例をひいて、教授のいいたいことを肚におとしてくれる。
わたしはプロジェクトごとにチームを変えながら働く。それゆえに、思考編と利益とは何か編にふせんがたくさん貼られている。
ふせん以外にも、たくさんの線が引かれ、マル印がぐるぐると書かれている。
例えば、こんな記述がある。
「あなたが立てた目標は、期限付きで測定可能な形になっていますか」(『実践するドラッカー 利益とは何か』p.215)と。
この1行にわたしは、たんなる線ではなく、波線を力強く引いている。
「いえ、できていません・・・」と。
逆に、そうしなければならないのだ!とハッとする。
『実践するドラッカー』とは、このように読者に気づき・発見・自己認知・実践をもたらしてくれる“道具”なのである。
さてこの記事では、『実践するドラッカー』の著者である佐藤等先生と一緒に読書会を主催する「Dラボ」が、本書の魅力をあらためて解説するとともに、実際に成果をあげた読者の声を紹介しつつ、おすすめのシリーズを各種解説する。
この記事を読めば、きっとあなたも、読まずにはいられなくなるはずだ。なにしろ『実践するドラッカー』は、読者が苦手な人たちが大ファンになるくらい面白いのだから。あまりに面白すぎて、会社のために全シリーズを買いそろえた経営者が何人もいる。もしかしたら、あなたもそのうちの一人になるかもしれない。
目次
『実践するドラッカー』が発売から10年経っても売れ続ける5つの理由
①ドラッカー学会の理事が直接解説するのでわかりやすい
『実践するドラッカー』の著者は、現・ドラッカー学会の理事である佐藤等先生。『ドラッカーに学ぶ人間学』をはじめ、現在も精力的にドラッカーの普及に取り組んでいる。
『実践するドラッカー』では、そんな佐藤先生が、初心者の方でもドラッカーの本質を掴んで、すぐに現場で生かせるように、わかりやすく丁寧に解説している。非常に心強い。数あるドラッカーの解説書のなかでも、ずば抜けたわかりやすさで定評がある。ぜひ手に取ってほしいところだ。
②実践する前提で作られているので成果を実感しやすい
『実践するドラッカー』は、「読むだけでは意味がない」が合言葉だ。読んで終わりではなく、書かれていることを素直に実践して成果を出す。ここまでがワンセットである。
だから本書では、誰でも実践しやすいように、実践シートが付録になっている。本に直接書き込んでもいいし、コピーして何度も使ってもいい。本書には「実践して成果を出してほしい」という著者の願いが込められている。「いままでたくさんのビジネス書を読んできたが、大して何も変わらなかった」という人にこそ薦めたい。
③テーマごとに分かれているから使いやすい
『実践するドラッカー』は全部で5編。「思考編」「行動編」「チーム編」「事業編」「利益とは何か」からなる。それぞれにテーマがあり、状況に応じて読み分けると、さらに効果が増す。それぞれの特徴については後述。
④読書が苦手な人でもハマる面白さ
『実践するドラッカー』は、これまで多くの「読書嫌い」たちを魅了してきた。実際、「今まで本を開く習慣なんてなかったが、実ドラのおかげで当たり前のように読書するようになった」「1日1回本を開かないと気が済まなくなった」という声も寄せられている。
ドラッカーのものの見方・考え方は、真摯に仕事と向き合う人の心を動かす。ドラッカーの言葉には、「よし、実際にやってみよう」と行動を起こさせるだけの力が宿っている。『実践するドラッカー』が10年以上のロングセラーを記録しているという事実が、それを証明している。『実践するドラッカー』は、あなたの今後に、間違いなくいい影響を与える本となるだろう。
⑤実践して成果を出した人が多い
『実践するドラッカー』と銘打っている以上、実際に本書を読んで、実践して、成果を出さなければ意味がない。そして本書は、数え切れない人たちの成果に貢献してきた。なかには、ドラッカーの考え方を店舗づくりに反映させた読者もいるくらいだ。
『実践するドラッカー』を読んで成果を出した人たちが、自然と本書のファンになり、「ドラッカー、面白いぞ!」と広めてくれる。そのバトンが、本書をロングセラーへと導いてくれたのだ。
ドラッカーってそんなにすごいの?影響を与えた人物について知りたい人は要チェック
- 社内で共通言語をつくりたい人
- 社内の成果に対する意識を底上げしたい人
- チームの統率が乱れている人
- 勉強会のネタに困っている人
- 変わらなければならない自覚はあるが行動の仕方がわからない人
『実践するドラッカー』の愛読者の声
(インタビュー:千里堂メガネ 古川さん)
ドラッカーの教えを一言で表すなら、ビジネスに役立つ強力なツール。読んでいるときに“ビビッ”ときた項目を実践すれば、すぐに効果がでてくるんです。しかも、いつ読んでも新しい発見がある。その時々によって、置かれている状況や、悩んでいることは違いますから、読むたびに実践内容が更新されていくんです。
だから僕は、いつもドラッカーの本を持ち歩いて、時間さえあればページを開いていますよ。たとえば朝なんかにね。読むのは10~15分くらいでもいいんです。ザッと読んでみて、「あ、これいいな。やってみよう」と思ったら、すぐにやってみる。そして成果が出たら、周りの人やスタッフに共有してどんどん広めています。
いうなればドラッカーの本は、経営やビジネスに役立つ道具箱のようなものです。現在の状況や悩みを解消するツールを選んで使ってみるという感覚で、ぜひ拾い読み・ナナメ読みをしてほしいなと思います。
僕も昔は「ドラッカーをゼロから100まで勉強しないと意味がないのではないか」と考えていたこともあるのですが、ドラッカーの教えは一つひとつが強力なので、個別具体的に実践しても十分に効果があるのだと気が付きました。
(引用元:引用は一部抜粋しています。【経営者勉強会】「読書が苦手な人」におすすめ。“ツール”としてドラッカーを実践的に使ってほしいですね。【千里堂メガネ】)
『実践するドラッカー』は何から読めばいいのか?各シリーズの特徴を解説
「思考編」「行動編」「チーム編」「事業編」「利益とは何か」。各5冊の特徴をコンパクトに解説しよう。以下、筆者の独断で、読んでほしい順から紹介している。
【思考編】
成果をあげるプロフェッショナルになるにはどうすればいいのか。プロフェッショナルとして成長するために不可欠な要素を濃縮した一冊。著者の佐藤先生は、「実践するドラッカーの一番最初に読むべき本」と位置づけている。勉強会や読書会のネタにもぴったり。新人教育や成果の出せないスタッフの再教育にも使ってほしい。
【利益とは何か】
利益とは目的ではなく、存続の条件である。企業の目的は事業を通じた社会貢献である……このドラッカーの考え方に衝撃を受けた読者は多い。利益とは何か? 企業は何のために社会に存在するのか? 利益という一見当たり前の言葉の意味を問い直すことで、ビジネスに対する考え方が180度変わる。経営者は絶対に手にとってほしい一冊。
【事業編】
マーケティングとは? イノベーションはどうやって起こす? 戦略はどう策定すべきなのか? 100年続く企業を目指すなら、【事業編】はマストバイ。今回の記事で紹介した読者も、この【事業編】を常に持ち歩いているという。
【行動編】
「時間管理」「目標管理」「意思決定」など、生産性に直結したより実践的な一冊。とくに時間管理の章は必見。ドラッカーの時間管理を実践して業界トップになった保険営業マンもいる。実践すれば必ず成果が出る。生産性の改善に関心がある人は、ぜひ本書も手に取ってほしい。
【チーム編】
組織をマネジメントする人は必携の書。営利組織から非営利組織、はたまたスポーツチームまで、幅広く適用できる普遍的な内容だ。モチベーション管理、人材育成、評価のポイントなど、マネジメントの要諦が詰まっている。
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