「どのような情報が組織の経営に一番必要な情報なのでしょうか」前回このように問いかけて終わりました。
答えは…事業に関する情報です。
事業は組織の目的(ミッション)を果たすための具体的な手段です。手段の実効性を高めることで組織の目的が達成されます。
2006年、日本最古の会社と言われている金剛組が経営破綻しました。創建は西暦578年。最初の発注者は聖徳太子といわれています。
バブルで傷を負った宮大工集団の金剛組を救ったのが地元のゼネコン高松組(1部上場)です。新金剛組を設立し、人とノウハウをその組織に移転しました。旧金剛組はその後、破産処理されました。
金剛組の本社は大阪の四天王寺の近くにあります。聖徳太子が建立した四天王寺が過去2回全焼しても再建できたのは金剛組の存在があったからです。つまり同社の宮大工という事業は世の中になくてはならない存在になっていたのです。
社会にとって重要なのは組織ではない
この事例が示す端的な一つの事実があります。
社会にとって重要なのは組織ではなく事業であるという事実です。経営者にとってはゾッとする話ですが組織が社会の道具であるという原理から考えると当然といえば当然の結果です。
それゆえマネジメントに最も必要な情報は事業に関するものであるということができます。ここまでくるとそれは「部門別会計のことですか」と問う声があがってきます。
ハイ。正解です。
しかしそれは一部でしかありません。
何が足りないのか。
その答えは少しあとに取っておきましょう。
その前に「事業とは何か」について考えてみたいと思います。
この問いも難敵です。
皆さんなら何と答えますか。
長くなりましたので次回のテーマにしましょう。
(つづく)
「会計事務所では教えない?経営者のためのマネジメント会計入門」連載記事
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