ドラッカーに影響を与えた日本人、渋沢栄一とはどんな人物?

出典:wikipedia

 

『マネジメント』を著したドラッカーと、2024年度以降一万円札の新しい顔となる渋沢栄一。

一見何の関わりもないように思えますが、実は渋沢栄一はドラッカーに影響を与えた人物の1人なのです。

 

渋沢栄一ってどんな人?

渋沢栄一は、2024年度前半から新たに一万円札に描かれることが決まっている人物です。「日本の資本主義の父」とも呼ばれ、明治政府の官僚を経て日本初となる第一国立銀行を設立したほか、日本で初めて株式制度を導入したことでも知られています。

渋沢栄一は、染料となる藍を固めた藍玉の製造販売や養蚕を営む兼業農家に生まれました。幼い頃から商売が身近にあったためか、14歳の頃には一人で仕入れを行うほどの経営感覚を備えていたそうです。

『論語と算盤』という著書では、資本主義における経済活動と、孔子が道徳や思想について書き残した『論語』を結びつけた思想を語っています。現在でも、『論語と算盤』に影響されたと語る経営者は多いのです。

 

500以上の会社を作り出した渋沢栄一

経営学者のドラッカーは、日本に長い歴史を持つ企業が多いことに着目し、日本の経営について調べるうちに渋沢栄一に辿り着きました。

実業家としての渋沢栄一は、実に500以上の企業を設立しています。

現在のみずほ銀行である第一国立銀行をはじめ、現在の王子製紙である抄紙会社、現在の東京海上日動火災保険である東京海上火災保険、現在の東洋紡績である大阪紡績、キリンビールやサッポロビール、帝国ホテルや東京ガスなど、挙げればキリがありません。

渋沢栄一は、企業を設立して軌道に乗せては、別の誰かに譲渡することを繰り返していました。作った会社を自分のものにするのではなく、日本にとって幸せな資本主義の形を確立することに注力していたのです。

ドラッカーは、渋沢栄一について「経営の『社会的責任』について論じた人物の中で、渋沢栄一の右に出るものを知らない」とも「世界の誰よりも早く、経営の本質が『責任』であることを見抜いていた」とも評しています。

 

渋沢栄一の説く「社会的責任」とは?

 

それでは、ドラッカーの言う『社会的責任』とは何を指すのでしょうか?

それは、渋沢栄一の著した『論語と算盤』や渋沢栄一の活動から読み取ることができます。

資本主義と聞くと利益第一という印象を受けますが、渋沢栄一の目指す資本主義はそうではありません。『論語』にも語られているような道徳が、必要不可欠なのです。

経営者は己の利益だけを求めるのではなく、社会全体の利益となるような活動を行わなければなりません。国や民といった公の利となる経営を行うことが、広く民衆を助けることになるのです。これこそが渋沢栄一の説く「社会的責任」であり、ドラッカーが賞賛した思想です。

奇しくも、ドラッカーと渋沢栄一は同じく11月11日を命日としています。グローバルに発展する会社も多い近年だからこそ、二人が重視した「社会的責任」が改めて注目されています。

 

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